私はこうして投資を学んだ

実践者としての感覚と常識的結論

　株式投資、先物、オプションの売買について、著者自身が自らの経験から 感じ取った内容をまとめたもの。要約されたまとめも示されており、わか りやすい。 ただ、著者の投資家としての成長の過程が詳細に述べられているわけではな い（書名からはそのような本であるような感じがするが）。

　チャートを過信するなとか、自分に合った方法でトレードせよなど、リス ク・ポジジョン管理を徹底せよなど共感できる内容が多く、単なる評論家の 言葉ではない実践者として感じ取った内容が述べられている点は好感が持てる。 また、自身の「冷や汗」体験も率直に語られている点などもよい。

　ただ、アノマリーを利用した株式売買などは実際にどこまで活用できるか は疑問。また、著者自身の感覚で述べられている内容、著者の主張に合った 事例のみを示しているように感じられる記述なども散見され、著者にとって は自身にとっては向いている方法なのであろうが、それがどこまで合理的な 根拠があり、活用できるのかについてはよくわからない点もあった。

　先物やオプションについては、私自身は売買対象とはしていないので、書か れている内容についてなんとく理解はできても、実際の感覚としてとらえるこ とは難しかった。これは、自分自身が経験してみないとわかりにくいところだ と思われる。今は私自身はそこまで手を広げるつもりはない。

　全体として、まとめられた結論は常識的なものではあるが、納得できる内容 が多く、また、先物・オブションについては初心者向けの解説的内容もあって これからこうした商品を売買対象としていくにあたっては参考となるところも 多くあるように感じられた。

(ふしみん　男性　公務員　40代)

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