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S・アダチ・アンド・カンパニー代表
足立眞一様
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振り返ってみると本誌との関わり合いは7年になる。 当時、私は日経CNBCの夜の株式番組の解説者として週1回出演していた。世界の株式市場の環境は、現在に酷似しておりITバブルの後遺症から脱出して、相場のサイクルは回復基調にあった。個人投資家にも元気が出てきており、日経CNBCで銘柄の話をすると反響が実に大きかった。
Pan Rollingで出版される投資・金融関係の書物は、日本のどの出版社にもみられない実にユニークな視点で選択されている。
私の証券会社での仕事は30年余に及んだが、株式投資についての実践の原点はウォール街にある。世界の株価はウォール街に始まりウォール街に終わるというのが私の投資原理である。
現在、世界中のプロフェショナルな投資家の行動原理の根底は、ほぼ100パーセントといっても過言ではないぐらい、ウォール街で生み出され育てられたものだ。いまビル・ゲイツと個人資産額を競う世界最大の資産家ウォーレン・バフェットの投資原理もウォール街発のものだ。天分と勉強しだいでは証券投資で、世界の超1流企業に肩を並べることができることをバフェットは証明した。
彼のバイブルとしている教科書『証券分析』(グレアム&ドッド著)もPan Rollingから出版されている。
2003年に、私の旧友マーク・ファーバーの『トゥモローズゴールド』が出版された。私はその監修を担当した。エマージング市場への投資のパイオニア的な存在で、彼とは1971年にウォール街のNYインスティチュート・オブ・ファイナンスで共に学んだ仲だ。彼はいまや米バロンズ誌の新年座談会の常連メンバーになり、世界の機関投資家の間でも人気のある存在になった。
私は毎週1回、Pan-Report に寄稿しているが、執筆のための発想のバックボーンはウォール街にある。
Pan Rolling の出版物の編集方針は、日本には類例がない。私にはいつもウォールストリート・ジャーナル紙の行き方を彷彿とさせる。
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