本書では、アメリカの社会や経済がどのように変化して大きな問題が生じてきたのかを、様々なテーマについてチャートやグラフで説明し、さらに、それらに対処するために何をすべきかを提言しています。
アメリカや世界市場に投資する立場で言うと、市場環境の変化によって失敗しないためにも、特に以下の点について今後の情勢の変化を追ってゆく必要があると思います。
1. 中国とインドの台頭や、国際的な米国離れの傾向が様々な分野で進み、マーケットは米国中心ではなくなり、他の国々の影響度が高まってゆく。
2. アメリカの現在の若い世代は、教育機会や経済的な安定やその他において恵まれておらず、将来のアメリカの経済的な国力の低下につながる。
3. 世界経済を先導しているGAFAに対して、アメリカを含む世界の人々に対する悪影響が大きくなり、規制や反発がより一層強くなってゆく。
今後も徐々に進んでゆくであろうこのような大きな変化に影響を及ぼしている、個々の具体的なトピックやその状況を把握するために、本書は非常に役に立つと感じました。
個々のトピックについて記載された内容では不十分と感じたり、もっと深く広く知りたいと思う場合には、本書の「注」にあるリンク先にアクセスすることで、より詳細な情報や関連する情報を得ることができます。
さらに、トピックによりますが最新の状況を把握することができるので大変便利です。
投資家Ａ
会社員／個人投資家
投資歴：23年 (個別株、先物、オプション等)
本書は、１００枚のチャートでアメリカを丸裸にしている一方でアメリカの現状を示している。偉大だったアメリカ、誰もが夢を掴める可能性があったアメリカが凋落しつつあることを記し、著者独自の視点で解決策を示している内容となっております。
長期的な株式市場や投資対象を分析する上でも、アメリカの諸問題は重要かつマーケットに影響を及ぼすことは周知の事実であるため、本書の内容については考察する価値は十分あると思います。10章の構成（10個のメインテーマ）からなり、100のチャートを用いて、現状のアメリカをあぶりだし、非常に分かりやすく・読みやすい内容となっており、またアメリカだけの問題ではなく世界や日本が抱えている問題にも共通している点が伺えます。
序文より引用するならば、アメリカは漂流している：政治が分裂し、腐敗、身勝手さの振る舞い、会話が粗野になり若者たちは関係を構築できずにいる。エリートは国民を犠牲にして個人的な栄光を追い求めている。組織は衰退し社会の繋がりは修復不能。中国が繫栄しヨーロッパも凋落しつつある。
平和と繁栄はどこにあるのか？この問いの解答こそが我々が経済的な豊かさを享受しながら人間らしくも生活を送ることができるヒントになると小生は読み終え感じております。著者の考えの中で、税制見直しや人的投資や格差是正などの解決策を提示している点も注目に値する。本書を通して、アメリカの現状を認識できるとともに、今後の投資のヒントとなる書籍のため、ご一読をお勧めいたします。
三度の飯より相場好き
個人トレーダー（投資歴 27年）
この本は、超大国であるアメリカ、そして米国民の将来について、１００種類のデータを用い、過去５０〜６０年間の推移を図表で表し、現在までの推移から米国が今後どのような方向に進んでいくのかを読者自身が考えるスタイルを採用している本である。したがって、画一的な答えはなく、読み手次第である点がユニークである。この１００種類のデータは、アメリカが如何に大国であるかを良く示している一方、米国でのトレンドは、いずれ日本でも起こり得る可能性があるため読んでいて大変参考になる。ただ、個人的には日本の存在感は低下する一方なのが大変気がかりではある。いずれにしても、米国の先行きを読み解くには、とても有意義な本だと思う。
炎のディーラー
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