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『新マーケットの魔術師』

ジャック・D・シュワッガー著
パンローリング
四六判 528頁
定価2800円+税
1999年3月出版

今回コメントくださったお客様は 矢口 新さん です
Q1 オススメ書を教えて下さい。

長年相場にたずさわり、自分なりの相場哲学を持ってしまうと、どんな本も一長一短に思えて、あきたらなくなってしまうのは避けられないことだろう。先日読んだアメリカのファンドマネージャーの大御所の書いたものには「投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。そしてこの条件を満たさない売買を、投機的行動であるという」とあった。

私は投資とは運用資産を適当に配分して保有するものとし、投機は価格の鞘抜きを狙う売買だと定義している。両者の見極めは評価損に対する抵抗力である。値下がりを投資環境の改善と見なせるなら、それは投資である。

必ずしも満足が得られないにもかかわらず、さまざまな本を読むのは、脳に刺激を与えるためである。我々の脳は同 じ刺激だけ与えていると慣れてしまい、感動が鈍るだけでなく、働きそのものも低下するように思える。上の投資、投機の定義でさえ、私に十分な刺激を与えてくれた。

「新マーケットの魔術師」は相場を熟知した著者が、スーパートレーダーたちにインタビューをし、彼らの成功の秘訣を聞き出している。原著が書かれたのが92年なので、今頃は生き残ってはいないだろうなと思われるトレーダーもいる。非の打ち所がないようなすごいトレーダーもいる。著者の質問が鋭いので、それらのトレーダーの本質がえぐり出されているのだ。 この本は刺激的である。相場に関わる人には必須、そうでない人にもお勧めできる一冊である。

Q2 5点満点で採点すると?
ためになる★★★★★
おもしろい★★★★★
一般向き★★★
難易度★★★★
総合オススメ★★★★★

矢口 新 (やぐちあらた)さん


生き残りのディーリング決定版
生き残りのディーリング決定版

なぜ株価は値上がるのか? 相場のプロが教える「利食いと損切りの極意」
なぜ株価は値上がるのか? 相場のプロが教える「利食いと損切りの極意」

株式会社ディーラーズ・ウェブ代表取締役

豪州メルボルン大学卒。日米欧の大手金融機関の為替・債券のディーラー、機関投資家セールスとして東京、ロンドン、ニューヨークの三大市場に勤める。現在、株式会社ディーラーズ・ウェブの社長兼ファンド・マネジャーとして、資本金を株式市場などで運用。

主な著書に

『生き残りのディーリング』(東洋経済新報社)
生き残りのディーリング 決定版
矢口新の相場力アップドリル 為替編
矢口新の相場力アップドリル 株式編』(パンローリング)
株を極める! リスク管理・資金運用 プロのノウハウ』(日本実業出版社)
なぜ株価は値上がるのか? 相場のプロが教える「利食いと損切りの極意」

がある。

  ウェブサイト
  矢口新のDealer's WEB
  Japan Trading Intelligence

ありがとうございました。

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