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エドガー・ヴァヘンハイム三世/長尾慎太郎/藤原玄 ハーバード流ケースメソッドで学ぶバリュー投資

ハーバード流ケースメソッドで学ぶバリュー投資

ベテラン度: ★☆☆
エドガー・ヴァヘンハイム三世, 長尾慎太郎, 藤原玄
パンローリング
四六判 334頁 2017年3月発売
本体 3,800円  税込 4,104円  国内送料無料です。
この商品は 本日 発送できる予定です。 (発送可能時期について)

  


読者のご意見
バリュー投資の巨人が、資金を守り、そして増やすために、実際の現場で用いられた投資手法や投資戦略を直接伝授してくれる。バリュー投資家として成功するために、筆者が実際に用いる25の戦略と回避すべき落とし穴とが明らかにされている。

25年間、現物投資だけで年利18%超!
バフェットに並ぶ巨人(ウォール街最高の知恵)の手法が明らかに!
成功するための戦略と分析と決断と感情

投資法や投資戦略を語った書物は数多くあるが、本書はそれらと一線を画するものである。バリュー投資の巨人エド・ヴァヘンハイム三世は、資本を守り、増やすために、実際の現場で用いられた投資手法や投資戦略を、自身がハーバード・ビジネス・スクールで学んだケースメソッドの手法を用いて描き出している。それらの投資は、彼が自分の会社グリーンヘイブン・アソシエイツ(エド・ヴァヘンハイムは同社の会長兼チーフファンドマネジャーであり、ウォール街で最も優れた投資家の1人とされ、現在およそ55億ドルを運用し、ヴァヘンハイム家、大学基金、引退したウォール街の重役たちや資産家などが顧客となっている)で行ったものである。

本書では、ウォール街の傑出した投資会社が採用する日々の投資手法や銘柄選択に触れられているだけでなく、卓越したファンドマネジャーによる調査・分析・モデル化、そして決断に至るプロセスをも知ることができる。市場の達人たちがどのようにして機をとらえ、富を生み出しているかを追い求めるだけでなく、実践の手引きとも呼べる本書では、人間の感情やプレッシャーや落胆など、時に目に見えない不確定要因やリスクを伴う取引から利益を獲得する好機を逃しかねない行動面にも踏み込んでいる。筆者は、投資にかかる自身の知恵を明らかにするだけでなく、巧みな挿話を通じて、ケーススタディに底通する要素を描き出し、偉大な成功の理由を浮き彫りにしている。この価値ある手引書は、即座に市場での競争優位を読者にもたらすであろう。なぜなら、ほかでは手に入らない情報を読者にもたらすからである。それは次のものである。

  • エリート投資家が間違った決断を下し、またそれにどのように対処したかというほかではほぼ語られることのない状況が分かりやすく説明されている。
  • 伝統的な銘柄で構成される普通のポートフォリオで、いかなるレバレッジもかけずに年利18%もの超過収益を稼ぎだすための考え方や技術を伝えるべく、実用的な助言が示されている。
  • バリュー投資家として成功するために、筆者が用いる25の戦略と回避すべき落とし穴とが示されている。
本書でつづられている一連の知恵を目の当たりにすれば、経験豊富な投資家が日ごろ取り組んでいることが明らかとなるし、それは読者自身の投資戦略を改善させることになるであろう。

■著者紹介

エドガー・ヴァヘンハイム三世(Edgar Wachenheim III)
1987年に自身が設立した投資顧問会社グリーンヘイブン・アソシエイツ(Greenhaven Associates)の会長兼CEO(最高経営責任者)。ウィリアムズカレッジを卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールに学び、同校では1年次にベーカー・スカラーに選出された。ニューヨーク近代美術館やニューヨーク公共図書館の理事、公共図書館の投資委員会議長を務める。また数多くの企業の取締役を歴任し、現在は世界的な紙パルプ商社のセントラル・ナショナル・ゴッテスマン・コーポレーション副会長でもある。夫人と暮らすニューヨーク州ライの自宅には4人の子供たちと6人の孫たちが頻繁に訪れる。

■本書への賛辞

「エド・ヴァヘンハイムは、投資家として大きな成功を収めながらも、けっして表舞台に立とうとしなかった。その彼が投資について書いた本書は一種の告白であり、銘柄選択の経験をユーモアと率直さとをもって語っている。過去数十年にわたる彼の知的探求について学ぶことは、初心者にとっても、経験豊富な投資家にとっても、良き訓練となるであろう。私も本書から多くを学んだし、その教訓をこれから生かしていくことだろう」――バイロン・R・ウィーン(ブラックストーン・グループLP副会長)

「エド・ヴァヘンハイムは、何十年もの間、バリュー投資家として大きな成功を収めてきた。ケーススタディを通じて自身の投資アプローチを説明している本書はよくまとまった、大変興味深いものである。そこでは、成功した投資のみならず、失敗に終わった投資も紹介されている。成功を得るためには、綿密な調査と確率論的な物の見方、そして非合理な市場に直面しても、平静を保ちつづけるだけの強い性根が必要であることを読者は学ぶであろう」――ロバート・E・ルービン(元アメリカ財務長官)

「エド・ヴァヘンハイムは、投資家として自身の『一般常識』に従うことの重要性を常日ごろから強調している。しかし、彼が株式を買うかどうかを決めるにあたり、それらの企業のあらゆる可能性や変数をどのように分析しているかをみると、彼の賢明なる予見能力がまるで『一般的な』ものではないことが分かるであろう。魅力にあふれ、啓蒙的ですらある本書は、門外漢にも分かりやすいものであるし、ましてやプロフェッショナルであれば、必読だと言えるだろう」――ニール・L・ルーデンスタイン(元ハーバード大学学長)


■目次

監修者まえがき
序文
第1章 投資アプローチ
第2章 自己紹介
第3章 IBM
第4章 インターステート・ベーカリーズ
第5章 U・S・ホーム
第6章 センテックス
第7章 ユニオン・パシフィック鉄道
第8章 アメリカン・インターナショナル・グループ
第9章 ロウズ
第10章 ワールプール
第11章 ボーイング
第12章 サウスウエスト航空
第13章 ゴールドマン・サックス
第14章 ジャック・エルガートへの手紙


■監修者まえがき

本書は、投資顧問会社グリーンヘイブン・アソシエイツの会長兼CEO(最高経営責任者)であるエドガー・ヴァヘンハイムの著した“Common Stocks and Common Sense : The Strategies, Analyses, Decisions, and Emotions of a Particularly Successful Value Investor”の邦訳である。第2章の自己紹介にあるようにヴァヘンハイムの生家はけっして経済的に恵まれていたとは言えないが、彼はそうした逆境を向上心で克服し、ウィリアムズカレッジに学んで米国における最高の教育を享受したあと、IBMやゴールドマン・サックスを経て資産運用の世界に入った。著者の運用スタイルはグレアムやバフェットと同系列の賢明で手堅い正統的なバリュー投資だが、本書では著者が学んだハーバード大学ビジネススクールで採用されているケースメソッドによってその解説がなされている。ここで、一般に資産運用における投資理論(?)のほとんどがいまだに仮説の領域を出ないことを考えると、初めに理論ありきの演繹による指導方略ではなく、事例研究を重ねることで帰納的に知識や技術を獲得するケースメソッドは、投資の学習法としてまことに合理的である。

さて、グリーンヘイブン・アソシエイツの運用するアカウントは、過去二五年間に平均年利一九%のリターンを上げてきた。著者はその成功の理由を自身が八〇年代に開発したバリュー戦略によるものだとしている……(続きを読む


■序文

私は、株式に並々ならぬ思い入れがある。過去三〇年以上にわたり、企業や業界のファンダメンタルズを研究し、経営者にインタビューを行い、事務所や工場を訪問し、将来の業績予想をモデル化して、株を買うべきか売るべきかと数えきれないほどの決断を下してきた。その取り組みは、熱を帯び、心踊らされるものであり、楽しく、そして成功したものとなった。私よりも高いIQを持つファンドマネジャーはごまんといるであろうし、彼らもまた値上がりする株を求めて、徹底的な調査をしているのであろうが、私ほどの成功を収められた者はごくわずかである。では、なぜ私は成功を収めることができたのか。この問いに答えるのは容易ではない。もし簡潔な回答があるのであれば、ほかの多くの投資家が有用な投資アプローチを見いだし、大きなリターンを享受していたことであろう。しかし、現実はそうではない。ただ、ある投資家がほかの者たちよりも良い結果を得ているのには、何らかの理由があるはずである。

本書を通じて、読者の方が私の投資アプローチから何かを得ることができるように、また私の小さな成功の要因となったであろうことを探求し、過去に下してきた投資判断の根拠を記していきたいと思う。では、どのように記していくのか。私は、ケーススタディを通じてビジネスを教える、ハーバード・ビジネス・スクールの卒業生である。戦略や経営判断、投資判断の元となる思考を説明するにあたり、ケーススタディという方法は知的好奇心をかき立て、妥当かつ効果的な方法であるとの確信を持っているので、本書でもその方法によることにした。本書の第3章から第13章において、私が一九八七年に設立した投資顧問会社グリーンヘイブン・アソシエイツ(Greenhaven Associates)において行った投資のうち一一件の事例の内幕を披露している。これは、調査、分析、モデル化、決断というグリーンヘイブンが実際に行っている投資プロセスを解説するものである。また、感情や欲求、期待や高揚感、そして失望といった投資には付きものの人間の行動面をも説明するものである。これらの章が本書の根幹とも言えるもので、ファンドマネジャーがどのように時間を過ごし、どのように決断を下しているのか、その内面を読者に伝えることができるだろう。そして、これこそが重要であるが、私がなぜ投資家して成功することができたか、何か有効で何が有効でないのかを読者に理解してもらうことができるであろう。

第3章から第13章で紹介する投資判断について、読者によりよく理解してもらうために、第1章において、グリーンヘイブンの基本的なアプローチ、投資戦略について説明している。また、投資家がその投資戦略を成功裏に実行するためには、その者の性格、気性やそれまでの経験が重要となる。そこで、第2章において、私の内面、さらに重要なことであるが性格や気性、学生や職業人としての経験について述べることとする。

最終章である第14章には、ジャック・エルガートという若き投資家に向けた私の手紙を掲載している。彼は、ファンドマネジャーとして成功するためのアドバイスを私に求めてきたのだ。この章では、私の投資戦略、そして長い経験のなかで有用であると感じた「なすべきこと、なさざるべきこと」をまとめている。

私がまだ一〇代、二〇代だったころ、自分の能力を隠すことも才能のひとつであると、父は繰り返し忠告していた。また叔父も、人目を引くようなことはすべきでないと繰り返し助言してくれた。それなのに、なぜ私は筆を執ることにしたのだろうか。尊敬と愛情の対象であった先達の言葉に逆らうのだろうか。株式投資は私一生の仕事であり、情熱であり、喜びであり、収入源であり、富の源泉なのである。これこそが先達の言葉に逆らう理由である。投資家として成功するという期待を胸に、私は懸命に勉強し、投資アイデアとして有効なものとそうでないものについて徹底的に考えを巡らせてきた。そして、投資家として成功する者が持つ内面性、経験、想像力や精神などについても熟考していた。それらの努力の結果、私は投資家として成功するための、心理的・分析的アプローチを身に付けることができたのだ。近年に至り、これはほとんど使命とも感じているのだが、私のアプローチや経験を、時間を無駄にはできないほかの人たちと共有したいという衝動に駆られている。それゆえ、本書を著すことにしたのだ。

本書に記されている投資にかかる基本的な事象はすべて正確であるが、そのときになされた会話や、業績予測、日付や場所などの詳細については失念しているものが多々ある。可能なかぎり、不確かな記憶をたどり、正確を期そうとしてきたつもりだ。また、本書に登場する個人の名前や背景については、彼らのプライバシーを守るために、勝手ながら変更している。また、ジャック・エルガートに宛てた手紙には、より詳細な解説を行うためにアプローチや戦略について付け加えてもいる。

本書が投資プロセスについての考えを刺激するものとなることを強く期待している。たとえ読者が私の投資アプローチに同意できないことがあったとしても、読者が投資という科学や芸術を深く考えるきっかけとなるのであれば、本書を記すためにつぎ込んだ時間と労力は無駄ではなかったと思えることであろう。

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