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コラム 『ETFは世界を変える』

2007.08.17


ついに日本でも、金に投資するETFが上場されました。
大阪証券取引所に上場されたのは、野村アセットマネジメントが運用する、「金価格連動型上場投資信託」(銘柄コード:1328/金連動投信)というETF です。

ETF(上場投信)は通常、株式や債券といった有価証券を投資対象としているのですが、この金連動投信はロンドンで建値される金価格に連動するよう設計されています。

実は、このファンド、業界にとっても画期的なファンドなのです。

日本においては投信法上(今後は金融商品取引法)の規制から、投資信託は有価証券以外に運用することはできません。

一方、欧米市場で上場されている金ETFは金の現物を買い付けに行きます。つまり、金ETFを通じて投資家は金の現物を保有できるということになります。値上り益や配当をねらうという意味では、金地金を買うのも、金ETFを買うのも同じということですね。

では、この日本の金連動投信は、どのように日本の規制をクリアして行ったのでしょう。それは、この金連動投信が、金の現物を買う代わりに、金の価格に連動する債券(金価格リンク債)を組み入れることで、有価証券を組み入れるストラクチャーの投資信託を仕立てることができたからです。(下図)

    投資家
    ↓ ↑(売買)

 大阪証券取引所    
   <上場> ← 野村アセットマネジメント(運用指図)
  金連動投信     

    ↓ ↑(売買)

  金価格リンク債(債券)

詳細はこちら

一見単純に見えるのですが、この仕組みを考えた運用会社(野村アセットマネジメント)は、なかなか素晴らしいスキームを考えました。

特に、

  1. 実質的に金価格に連動するインデックスファンドを本邦で初めて設定した。

  2. 国内法をうまくクリアする方法で金ETFを上場させた。

  3. (おそらく)当初は活況とはならないだろうが、金融インフラとしてのコモディティETFのイニシアチチブを取った。

  4. これから、日本の市場において、金以外の実物資産がETF化されるであろうきっかけとなった。
という点が顕著です。
これから、日本でさまざまな資産クラスのETFが設定されることが期待されます。(ちなみに、ETF先進国のアメリカでは、既に「核エネルギーETF」が上場される予定です)

一方、問題点も残しました。それは、

  1. 通常、欧米の金ETFは現物を買い、インフレ対策が可能であるが、金連動投信では現物は買えない。

  2. 投資先の金価格連動債券発行体格付けやプライシング方法が開示されていない。(現時点では)

  3. 現物の金の譲渡益は、原則として譲渡所得ですので、給与などと合算した総合課税です。(譲渡所得特別控除 50万円) 一方、金連動投信の場合は、譲渡所得、配当所得とも、現在10%の税率です。投資対象は同じながら、税率が異なるという点は他の金融商品と同じです。また、この金連動投信は、本来債券に投資しますので、上場しなければ、譲渡益は非課税になったはずです。
このように、評価すべき点、改善していかなければならない点がたくさんありますが、まずはこの金連動投信が上場されたのは偉大なる第一歩といえるでしょう。



<金価格連動型上場投資信託 【大証2部:1328】 上場初日のデータ>

一口当たり当初元本:2,548円 (=金1グラムの価格:ロンドン価格)
始値 2,580
高値 2,585
安値 2,570
終値 2,570
出来高 213,680株(終値ベース:549百万円)


最後に、この金連動投信の諸条件を記載します。

==================================================================
信託設定日:2007年8月2日

信託期限:無期限

償還条項:
受益証券を上場したすべての証券取引所において上場廃止になったときは償還します。対象指標が廃止されたとき、対象指標の公示性または市場性が失われたとき、もしくは対象指標に継続性を失わせるような改定が行われたとき等で、対象指標に代わる新たな対象となる指標を定めることができない場合、または残存口数が80万口を下ることとなったとき等は、償還する場合があります。

マル優:適用なし

受託銀行:三菱UFJ信託銀行

決算日:7月8日

収益分配:年1回

一口当たり当初元本:2,548円 (=金1グラムの価格:ロンドン価格)

申込手数料:
販売基準価額(取得申込日の翌営業日(取得申込受付日)の基準価額に 100.6%の率を乗じた価額)に、販売会社が独自に定める率を乗じて得た額

解約時手数料:交換手数料は、販売会社が独自に定める額とします。

信託報酬:
純資産総額に対して年0.525%(税抜年0.5%)以内の率を乗じて得た額。また、公社債の貸付を行なった場合は、その品貸料の52.5%(税抜50%)以内の額。

信託財産留保額:なし
================================================================

数年後には、日本でもETFが本格的なツールになるときが必ず来ます。

その時までずっ〜と注目したいと考えています。

著者
南山宏治 先生
Koji Minamiyama

1985年に大学を卒業後、三菱銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)に入社。3年半 の国内支店勤務の後、約10年にわたり、ロンドン、サンパウロ等の欧州、中 南米の主要金融センターを率先して渡り歩く。 2000年にアメリカのシティ グループに移籍。2005年1月より、「35歳で引退するためのセミリタイア資 産運用講座 グロスクリエイト」を主催し、金融・経済に関する教育啓蒙活 動に従事。豊富な知識と実績を駆使したコンサルティングには定評がある。 著書の『 7戦7勝 10万円から始める南山式ETF (上場投信) 投資術』は、 2006年度ブルベア大賞【特別賞】を受賞。

ブログ 南山宏治の「テニスボーイの沈思黙考」

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