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フィスコ投資ニュース配信日時: 2024/03/01 17:01, 提供元: フィスコ P−京橋アートレジ Research Memo(1):新築マンションの好調が成長をけん引*17:01JST P−京橋アートレジ Research Memo(1):新築マンションの好調が成長をけん引■要約 1. 東京23区を中心に収益性の高い一棟賃貸マンションなどの企画・開発事業を展開 京橋アートレジデンス<5536>は、不動産の持つポテンシャルを顕在化し付加価値を高める、“無から有を生み出す不動産創造企業”を経営ビジョンに、東京23区を中心に収益性の高い不動産の企画・開発事業を行っている。事業は不動産開発創造事業とESG関連事業に大別され、不動産開発創造事業では新築マンション開発事業を主軸に、新築戸建・宅地開発事業、事業用地の販売、リノベーション(以下、リノベ)再販、再開発のコンサルティングやプロジェクトマネジメントなどを展開している。ESG関連事業では、太陽光発電施設を全国27ヶ所で保有運営しているほか、住宅や店舗といった賃貸資産の保有運営なども行っている。低金利などを背景に主力の新築マンション事業が成長をけん引、再生エネルギー事業も着実に伸びていることから、東京証券取引所(以下、東証)TOKYO PRO Market上場を機に、成長に弾みをつけようとしているところである。 2. 主軸の新築マンション開発事業は価格優位性と高い事業収支率を誇る 主軸の新築マンション開発事業では、資産形成を目的とする企業オーナーや富裕層、地主資産家、一般事業法人、海外投資家等に、遮音性、耐震性、耐久性に優れ、デザイン性や居住性にもこだわった資産形成用収益賃貸レジデンスを提供している。東京23区内の住環境や生活利便性、賃貸需要の高い立地を厳選し、4〜5階建で8〜14戸のマンションというニッチな物件を開発、主要な顧客層にとって購入しやすい3億円〜5億円という優位性の高い価格で販売している。供給エリアや一貫した開発体制に特徴があり、供給エリアは東京都23区の中でも「新宿、高田馬場」「池袋、練馬」「渋谷、世田谷」「品川、大田」「上野、日暮里、浅草」「江東、城東」の6エリアにおいて効率的な開発をしている。また、土地の権利調整から設計、施工、さらに、販売、賃貸管理まで、情報ネットワークや施工会社との連携を強めながら効率的な開発を行っている。こうした特徴が背景にあるため、価格の優位性を保ちながら、事業収支率(事業収支÷売上高)も非常に高くなっているようだ。 3. ネットワーク、推進力、企画力、さらに監理力、一気通貫性に強み 不動産開発創造事業の強みは、ニッチな企画のマンションを建設できる施工会社とつながるネットワーク、瑕疵・住民対策を含め開発から販売までのプロジェクトをおおむね1年〜2年という短期間で仕上げる推進力、同社内の建築企画部を中心にグループ企業や協力会社を巻き込んだ企画力にと言うことができる。また、用地取得から設計施工、販売・賃貸に至る協力会社に対する監理力と一気通貫性も強みと言えよう。さらに、知名度や信頼が高まるにつれ太くなってきた、不動産仲介業者ほか銀行や証券会社、税理士事務所、会計事務所などとの情報ネットワークも強みと言える。同社は今後、こうした強みを生かすため人材を強化し、新築マンションの開発数を増やす方針である。特に新宿、池袋、上野、品川エリアでの供給を増やすことで、顧客層の拡大や海外投資家向けの商品ラインナップ強化を図り、主力である新築マンション事業のマーケットにおける地位確立を目指す。なお、敷地面積など条件によっては、従来のマンションよりワンサイズ大きいミドルクラスの新築マンションや分譲マンションへと領域を拡大する可能性もあると考えられる。 4. 新築マンション開発事業をけん引役に中期的に2ケタの利益成長を期待したい 2023年11月期の業績は売上高が4,574百万円(前期比29.2%増)、営業利益が746百万円(同69.7%増)と大幅な増収増益となった。低金利などを背景に富裕層や一般企業などの不動産取得意欲が旺盛となるなか、引き続き人気の東京23区を中心に新築マンションの開発に注力したことで、売上高は30%近い伸びになるなど好調に推移した。また、増収効果に加え比較的高採算の物件が多かったこともあり、営業利益は70%に迫る非常に高い伸びとなった。2024年11月期業績見通しについて、同社は売上高が6,771百万円(前期比48.0%増)、営業利益が858百万円(同14.9%増)と見込んでいる。新築マンション事業は仕入が順調に推移していることから、2023年11月期以上の引渡しが予想され、大幅な増収見込みとなっている。一方、人員強化に加え採算が平常化する想定になっていることから、営業利益の伸びはやや低くなる予想となっている。しかし、同社が不動産開発ゆえ前提を保守的に捉えている側面もあり、2024年11月期の着地営業利益は想定を超えてくる可能性が高いと思われる。同社は新築マンション以外でも様々な施策を講じており、特にレジデンスやオフィス、店舗などの一棟リノベ再販に加え、高額ヴィンテージマンション※の中古リノベ区分再販も拡大する方針である。そのほか、オフィスや商業、医療などの複合施設の開発、不動産コンサルティングやプロジェクトマネジメント事業の拡大、不動産小口化やクラウドファンディングによる個人向け資産形成商品の構築などを進める考えである。こうしたことを考慮すると、中期的に2ケタの利益成長は期待したくなるところである。 ※ヴィンテージマンション:マンションの価値は一般的には築年数とともに低下するが、立地の良さやデザイン性などから価値を維持または向上させているマンション物件。 ■Key Points ・東京23区を中心にニッチで収益性の高い不動産の企画・開発事業を展開 ・ネットワーク、推進力、企画力、さらに監理力、一気通貫性が強み ・2023年11月期は、新築マンション開発事業の好調を背景に大幅な増収増益 ・新築マンション開発事業をけん引役に、中期的にも2ケタ利益成長を期待 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《HH》 記事一覧 |