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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/09/29 11:04, 提供元: フィスコ ADワークスグループ Research Memo(4):一棟不動産販売が好調持続、オフィス区分事業も1号商品が完売*11:04JST ADワークスグループ Research Memo(4):一棟不動産販売が好調持続、オフィス区分事業も1号商品が完売■業績動向 2. 事業セグメント別動向 (1) 収益不動産販売事業 ADワークスグループ<2982>の収益不動産販売事業の売上高は前年同期比11.0%減の26,810百万円、営業利益は同7.4%減の3,156百万円となった。ここ数年、順調に成長してきた不動産小口化商品販売事業が売上高で同88.2%減の1,292百万円、売上総利益で同89.9%減の260百万円と大幅減となったことが主因だ。不動産小口化商品については、令和8年度税制改正(財産評価基本通達の一部改正)大綱※の発表を受け、その詳細が確定しないなかで顧客及び販売チャネルの慎重姿勢が継続し、業界全体で需要が調整局面に入った。このため、不動産小口化商品として販売を予定していた2物件(約74億円)を一棟収益不動産販売物件として販売した。2物件ともに早期に売却できたことで資金の固定化を回避し、新たな仕入のための資金に充当することが可能となった。実際、仕入高は同41.3%増の35,023百万円と大きく伸長し、レジデンスやオフィス・商業用ビルなど優良物件の仕入れを戦略的に進めることができた。また、関西・福岡などの仕入れ活動を強化した結果、仕入高に占める西日本エリアの比率は前期の1割台から3割程度に上昇した。 ※ 不動産小口化商品のうち、任意組合型または信託受益権型の貸付用不動産については、取得時期に関係なく相続開始時または贈与時の「通常の取引価格」に基づいて評価されることになり、2027年1月以降に相続・贈与される商品から適用される旨の案が示された。 同社が対象エリアとする大都市圏での不動産市況は、建築費の上昇による新築物件価格の高騰や供給抑制が続くなかで、オフィスの空室率が低水準で推移するとともに、住宅・オフィスともに賃料の上昇基調が続いた。こうした状況下において、国内における一棟収益不動産に対する投資需要は引き続き活発に推移し、同社の一棟再販事業の売上高も前年同期比24.5%増の23,058百万円、売上総利益は同35.9%増の3,916百万円と中間期として過去最高を大きく更新した。また、仕入時の目利き力や購入後の物件価値向上施策が寄与し、売上総利益率も同1.4ポイント上昇の17.0%となった。四半期別の売上総利益率では第1四半期の20.0%に対して、第2四半期は15.2%に低下した。第1四半期は好採算物件の販売があったのに対して、第2四半期は不動産小口化商品として予定していた高価格帯の2件を振り替えて販売したことが利益率の低下要因となっている。とは言え、中間期の売上総利益率は会社計画を若干上回り、順調に販売が推移したと言える。販売件数は8件となり、平均販売価格は約29億円(不動産小口化商品として予定していた2件を除くと約26億円)と前年同期の約20億円から大きく上昇した。市況が上昇していることもあるが、仕入力及び資金力の向上により大型物件の仕入を積極的に進めてきたことが要因だ。一般的には、販売価格が上昇すれば売上総利益率は低下傾向になるが、当中間期は逆に上昇しており、こうした点から見ても当中間期の不動産投資需要は旺盛だったことがうかがえる。 オフィス区分事業は売上高で2,331百万円、売上総利益で662百万円、売上総利益率で28.4%となった。第1号商品の「ARISTO神田」全10区画を13.8億円で完売したほか、第2号商品の「ARISTO神保町」の販売も進んだ。売上総利益率が高くなっているが、自社開発物件を第1号商品として販売した影響が大きく、下期の売上総利益率は若干低下する見通しだ。 (2) ストック型フィービジネス ストック型フィービジネスは、売上高が前年同期比28.8%減の2,189百万円、営業利益が同22.9%増の761百万円となった。売上高は2025年7月に建築工事会社のスミカワADDが連結から外れたことに加えて、期初に外部オーナー向けPM事業を売却したため約8億円の減収要因となった。一方、利益の大半を占める賃料収入が保有不動産残高の拡大並びに賃料改定の進展で同25.7%増の1,100百万円と伸長したことが増益につながった。 自己資本比率30%前後を目安に有利子負債の水準をコントロール 3. 財務状況と経営指標 2026年12月期中間期末の財務状況は、資産合計が前期末比14,344百万円増加の86,406百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では事業規模拡大に向けて、仕入れ活動を積極的に推進したことで、現金及び預金が2,171百万円減少し、販売用・仕掛販売用不動産が15,319百万円増加した。固定資産では、系統用蓄電所事業の用地取得及び開発を進めたことで、有形固定資産が1,867百万円増加した。この結果、収益不動産残高は17,196百万円増加の71,782百万円と過去最高水準に積み上がった。 負債合計は同12,531百万円増加の64,017百万円となった。仕入活動用資金として有利子負債が13,077百万円増加した。純資産合計は同1,812百万円増加の22,389百万円となった。為替換算調整勘定が61百万円減少した一方で、利益剰余金が1,865百万円増加した。 同社は借入金等を活用しながら収益不動産の仕入れを積極的に進め、その結果として収益の増加とROEの向上、並びにWACC※を上回るROICの維持を通じて企業価値の向上を目指している。一方で、経営の安全性の観点から、自己資本比率30%を目安に有利子負債の水準をコントロールする方針を示している。2026年12月期中間期末の自己資本比率は仕入を積極的に進めたことで、25.9%と目安としている30%を下回ったが、期末に向けて販売を拡大することで資金回収が進む予定で、期末時点の自己資本比率は30%前後の水準まで回復する見通しだ。 ※ WACC(加重平均資本コスト)とは、株主資本コストと負債コストの加重平均値。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |