| 携帯版 |
|
|
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/09/25 11:42, 提供元: フィスコ STIフードHD Research Memo(2):焼魚などチルド惣菜やおにぎり具材を製造*11:42JST STIフードHD Research Memo(2):焼魚などチルド惣菜やおにぎり具材を製造■会社概要 1. 会社概要 STIフードホールディングス<2932>は、魚など水産素材を原材料に、食品や食材の生産・販売を行う食品メーカーである。大手コンビニエンスストアチェーンであるセブン-イレブン向けをメインに、焼魚などチルド惣菜やサーモンフレークなどおにぎり具材を販売している。同社の特徴は、国内外で確立した検品体制を背景に商社や水産会社から調達した高品質の水産原材料、おいしさ・品質を追求した独自の技術で量産する生産能力、徹底した温度管理(冷凍、冷蔵、常温の3温度帯)と極限までフードロスを削減した一貫生産体制にあり、他社にまねできない差別化されたポジションを確立している。日本の家庭における魚調理離れの一方、世界的に健康志向を背景に魚食ニーズが広がるという事業環境変化のなか、同社は基本方針として、「フードロスの削減への取り組み」「環境への配慮」「原料調達から製造・販売まで一貫した垂直統合型の展開」「健康志向と魚文化を重視した中食への取り組み」「グローバル市場における水産食文化の普及と発展への貢献」を掲げている。なかでも、原材料、開発、製造、知的財産に関する各機能をより一層強化することで強い企業集団を作り上げることを重点方針に、中長期的な企業価値向上と持続的な成長を図っている。 技術力を背景に波を越え成長を持続 2. 沿革 同社は、創業者である十見裕氏(現 代表取締役会長兼社長CEO)によって1988年12月に水産原材料及び水産食材の輸出入販売を目的に設立された、新東京インターナショナル(株)を起源とする。生鮮品の商事業務(輸出入)でスタートし徐々に業容を拡大、大手コンビニエンスストアチェーン向けにおにぎり具材のイクラや鮭フレークなどの販売を開始した。さらに差別化を求めてメーカーに進出、事業譲受により取得した工場設備を活用して惣菜の製造を開始した。業績は順調に拡大し成長を続けたが、工場の設備投資など資金需要が増えるなか、リーマンショックに端を発する円高により為替予約で多額の損失を発生させて資金繰りが悪化、2010年4月に民事再生法の適用を申請することとなった。 しかし、2010年9月、新東京インターナショナルの販路や生産技術に注目していた極洋<1301>がスポンサーとなり、極洋の連結子会社エス・ティー・アイ(株)が民事再生手続きに基づいて生産部門の事業譲受を行った。一方、当時すでに主販路となっていたセブン-イレブンも同社の技術力を高く評価していたため、同社は取引を継続することができた。こうして業況は順調に回復、さらに再成長軌道へと回帰していった。2013年4月にエス・ティー・アイは、もともと新東京インターナショナルの完全子会社であった(株)新東京フードに吸収合併され、2017年11月には食品製造販売事業を統轄する持株会社として同社が設立された。2018年1月に新東京フードを分割して一部事業部門と管理部門を同社に移管、この間も業績は順調に拡大し、2020年9月には東京証券取引所(以下、東証)第2部に上場、2022年4月に東証スタンダード市場に移行した。2025年2月にデパ地下などで水産加工食品を製造小売する味の浜藤及び(株)藤兵衛を所有する(株)浜信を完全子会社化し、リテール事業へ進出した。2026年1月には効率化へ向けた組織改編の一環で、味の浜藤が浜信と藤兵衛を吸収合併した。なお、極洋及びセブン-イレブンの運営会社である(株)セブン-イレブン・ジャパン(セブン&アイ・ホールディングス<3382>の子会社)は、それぞれ発行済株式総数の8.44%(2026年6月末現在)を現在も継続保有している。 水産系チルド惣菜は根強いニーズ 3. 中食市場の動向 少子高齢化や人口減少により日本人の食料消費量が減少しているが、同社が属する中食市場は10兆円以上の規模があり、食の外部化が進むなかで長期的に拡大を続けていると言われている。中食市場は、かつては惣菜専門店が中心だったが、現在ではコンビニエンスストアや食品スーパー、外食のテイクアウトがシェアを伸ばしている。なかでもセブン-イレブンなどコンビニエンスストアのおにぎりや弁当など米飯類が、利便性や商品開発力を背景に中食の主流となった。コロナ禍の「巣ごもり需要」において、「オフィス需要」や「行楽需要」の縮小をきっかけに中食需要が一時頭打ち傾向となったが、日持ちのよさ※や単身者・小家族の簡便化指向を背景に、おかずをパックしたチルド惣菜の需要は拡大を続けた。コロナ禍の行動規制が緩和されると、同社のおにぎり具材への需要が回復した一方、「巣ごもり需要」の縮小とともにチルド惣菜の需要は伸び悩むこととなった。しかし、同社のチルド惣菜は、水産系のため健康志向の強い消費者に根強いニーズがあるうえ、新技術の導入によって年々付加価値を高めていることから、成長を持続している。 ※ チルド惣菜は殺菌・静菌技術によりロングライフ化が進んでいる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《HN》 記事一覧 |