携帯版 |
![]() |
![]() |
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/10/02 16:41, 提供元: フィスコ スカラ Research Memo(1):事業構造改革が完了、2026年6月期より再成長軌道入り*16:41JST スカラ Research Memo(1):事業構造改革が完了、2026年6月期より再成長軌道入り■要約 スカラ<4845>は、「倫理的価値観を持つ」「社会的責任を全うする」「永続的に繁栄する」という企業理念の下、IT事業を主軸としてM&Aを活用しながら事業を拡大してきた。業績悪化を受けて2024年6月期から2期にわたり実施した事業構造改革が完了し、2026年6月期から攻めの経営で再成長を目指す。DX事業が売上高、利益の5割超を占める主力事業で、人材事業、TCG(トレーディングカードゲーム)事業(旧 EC事業)、インキュベーション事業などを展開している。 1. 2025年6月期の業績概要 2025年6月期の継続事業※の売上収益は前期比0.2%減の8,179百万円にとどまったものの、営業利益は751百万円(前期は1,448百万円の損失)とV字回復を果たした。DX事業の営業利益(本社費配賦前)が事業構造改革効果や一部事業の整理に伴う収益(189百万円)を計上したこともあって、969百万円(前期は525百万円の損失)と2期ぶりに黒字転換したことが主因だ。DX事業の売上収益は同1.2%増にとどまったが、SaaS/ASPサービスが堅調に推移したほか、(株)スカラコミュニケーションズで新たに立ち上げたSES(システムエンジニアリングサービス)や、ヘルスケア分野及び畜産分野における共創型DXソリューションが立ち上がるなど、成長の芽も育ち始めている。 ※ 2025年6月期に(株)Retool及び日本ペット少額短期保険(株)の全株式を譲渡したほか、(株)レオコネクト及びSCSV1号投資事業有限責任組合の清算を完了し、これら非継続事業を除いた継続事業ベースの業績及び前期比増減率で表記している。 2. 2026年6月期の業績見通し 2026年6月期の連結業績は、売上収益で前期比7.6%増の8,800百万円、営業利益で同16.2%減の630百万円を計画している。売上高はDX事業やTCG事業の拡大が続くほか、人材事業も人的リソースを強化することで2期ぶりに増収に転じる見通し。営業利益は減益を見込むが、一過性の利益を除いたNon-GAAPベースでは12.3%の増益となる。事業構造改革を終え黒字体質に戻ったことで、成長投資(人材・インフラ投資、M&A等)も積極的に推進するためである。業績計画については前期に引き続き保守的に策定したもようで、計画に織り込んでいない受注見込み案件も抱えており、計画の超過達成を目指している。 3. 中期経営計画 同社は2026年6月期からスタートする3ヶ年の中期経営計画を発表した。事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じた主力事業の成長力強化を図りつつ、収益性や効率性を重視しながらさらなる利益成長を目指す方針だ。業績目標として、2028年6月期に売上収益11,800百万円、営業利益1,100百万円を掲げ、年平均成長率は売上収益で13.0%、営業利益(Non-GAAP)で25.2%となる。DX事業、人材事業、TCG事業で年率2ケタ成長を目指しており、AI技術の積極活用により業務効率化や提供サービスの高付加価値化に取り組み、利益成長につなげていく。 4. 株主還元方針 株主還元方針については、子会社等株式売却益等の特殊要因を除いた税引前利益の50%を目安に配当を実施する方針である。この方針に基づき、2025年6月期の1株当たり配当金は16.5円となった。2026年6月期は0.5円増配となる17.0円を予定している。今後も税引前利益の成長が続けば、増配が期待される。 ■Key Points ・2025年6月期は事業構造改革が結実し、2期振りの黒字転換を果たす ・2026年6月期業績は人材事業、TCG事業が伸長し実質2ケタ増益見通し ・2028年6月期に営業利益11億円を目指す新中期経営計画を策定 ・配当は特殊要因を除いた税引前利益の50%を目安に実施する方針 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《KM》 記事一覧 |