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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/30 14:37, 提供元: フィスコ きちりHD Research Memo(7):モール・郊外型レストラン業態の拡大、地方創生・DX・海外事業を育成(2)*14:37JST きちりHD Research Memo(7):モール・郊外型レストラン業態の拡大、地方創生・DX・海外事業を育成(2)■きちりホールディングス<3082>の今後の見通し (3)採用DX事業 ApplyNowが展開する採用DX事業は、BPaaS※事業を主軸に採用面接領域での事業拡大に取り組む。慢性的な人材不足により採用コストが上昇するなか、コスト低減と効率化を両立できる同社のサービスは、アルバイトスタッフの採用数が多い外食・小売業界などでの潜在需要が大きい。特に、「Interview Cloud」は履歴書の提出から入社書類の提出までをすべてオンラインで行えるほか、面接はプロの面接官が代行するため採用担当者の業務負担を大幅に軽減する。応募から面接までの期間を平均3日と、一般的な期間(7日〜10日)の半分程度に短縮できることも特徴である。期間が短いほど採用率も向上する傾向にあるため、採用コストの低減効果も期待できる。さらに、AI機能を実装することでさらなる機能向上を実現した。今後は社内の採用部門で活用していくほか多店舗展開企業を中心に拡販し、事業拡大を目指す。 ※ BPaaS(Business Process as a Service)とは、特定の業務プロセスを外部企業にアウトソーシングし(BPO)、SaaSを活用して業務効率化を実現するサービス。 また、ApplyNowはデジタルマーケティング事業も展開している。当事業はマーケティング支援とクリエイティブ制作を主軸としている。マーケティング支援では、クライアントの目標や課題をヒアリングしたうえで、ゴールまでのビジョンやロードマップ、必要な成果物や目標KPIなどをともに策定し、デジタルマーケティング戦略立案やSEO対策を提供している。クリエイティブ制作では、マーケティング戦略に基づき、ユーザー目線でのUI設計や画面の情報整理、各導線の強化、リブランディングなどを通じて、ビジネスの課題解決に貢献できるクリエイティブを提供する。 (4)海外事業 日本と地理的に近い東南アジアでは、日本食の人気が高まっており、加えて、近年における経済発展や人口増加がマーケット拡大を後押ししている。同社は、日本で培ったレストランビジネスのスペシャリストとしての知見を生かし、東南アジアの中でも特に人口増加数及び経済成長率が著しいインドネシアから事業を開始した。このような背景のもと、同社は2019年にインドネシアの首都ジャカルタへ進出した。 2019年にはジャカルタ中心部の位置する高級ショッピングモールであるプラザインドネシアに「いしがまやハンバーグ」を出店した。その後、コロナ禍を経て、2023年2月には、ジャカルタの家族連れ駐在員が多く住む南ジャカルタのガンダリアシティモールに「いしがまやハンバーグガンダリアシティ」を出店した。2024年9月には、西ジャカルタエリアのセントラルパークに「いしがまやハンバーグセントラルパーク」を出店し、直近ではジャカルタ市に隣接するバンデン州タンゲラン市にある大型のショッピングモールのスマレコンモールスルポンに出店するなど、順調に出店を重ねている。2025年6月末時点で「いしがまやハンバーグ」4店舗、「CHAVATY」1店舗を同国内で展開する。2026年6月期も「いしがまやハンバーグ」を新規出店する予定である。 戦略としては、まずインドネシアで人事・店舗・購買・物流などの事業基盤を構築し、日本と比べて人口が約5倍の規模で、かつ経済成長率の高い東南アジア市場で横展開する方針である。提供する料理は日本の味と品質を維持しながら、現地の味覚に合わせた調整を行うほか、接客についても日本のおもてなし文化を現地の習慣や文化に適応させるローカライズを実施しており、現地でも顧客支持を獲得しているようだ。業績へのインパクトは軽微だが、海外事業に関しては長期視点で事業の育成に取り組む方針である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《KM》 記事一覧 |