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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/08 11:33, 提供元: フィスコ グッドパッチ Research Memo(3):デザイン領域の実績とブランドバリューによるポジショニングを有す(1)*11:33JST グッドパッチ Research Memo(3):デザイン領域の実績とブランドバリューによるポジショニングを有す(1)■グッドパッチ<7351>の事業概要 1. マーケット デジタルトランスフォーメーション(DX)は、企業が激しいビジネス環境の変化に対応するため、データとデジタル技術を活用し、製品、サービス、ビジネスモデルを根本的に変革するとともに、業務、組織、プロセス、企業文化・風土までも変革し、競争優位性を確立する取り組みである。経済産業省も、新たなデジタル技術を活用した新規参入によるビジネスの枠組みの変化が進むなかで、企業に自己変革を求めており、DXは企業価値向上及び社会課題解決のための重要な経営課題として認識されている。特に、LINE、Uber、X(旧 Twitter)、Instagramのような優れたUI/UXを実装したアプリケーションを投入した企業が大きく成長した事例は多く、既存企業にとってもデジタル領域への対応は喫緊の課題となっている。 国内のDX市場は急速な拡大が見込まれており、(株)富士キメラ総研の調査によると、2022年の3兆4,837億円から、2030年度には8兆350億円にまで成長すると予測されており、年平均成長率は11.0%に達する見込みである。主な要因は、大手企業を中心にDX戦略の策定と推進体制の構築が進み、各部門や現場での具体的なDX施策への投資が本格化していることによる。本格的なDX投資においては、新たなビジネスを創造するための「体験のデザイン」が必須の要素とされている。 デジタルデバイスの普及は「デザイン」のあり方を大きく変化させ、PC画面のWebデザインからスマートフォンのアプリデザインへと領域が広がり、直感的なUIと、ユーザーの利用シーンやライフスタイルを考慮したUXのデザインが、サービス継続利用のために不可欠となっている。日本においても、経済産業省は2018年に、デザインを経営資源として活用しブランド力とイノベーション力を高める「デザイン経営」の推進を提言しており、政府機関もデザインの重要性を啓発するハンドブックを公開している。情報処理推進機構(IPA)が定めるデジタルスキル標準では、DX推進に必要な人材タイプとして「ビジネスアーキテクト」「ソフトウェアエンジニア」「デザイナー」が挙げられており、特に「ビジネスアーキテクト」は新規事業創出や業務変革をリードするうえで不可欠な存在とされている。 2. 競争優位性 同社の競争優位性としては、(1) デザイン領域における圧倒的実績とブランドバリューによるユニークなポジショニング、(2) 体系化されたデザインノウハウとナレッジの蓄積、(3) 社員・フリーランスともに、希少性の高まるデザイン人材が集結、(4) デザインパートナー事業を軸とした高効率で柔軟性の高いビジネスモデルが挙げられる。 (1) デザイン領域における圧倒的実績とブランドバリューによるユニークなポジショニングは、DXの足掛かりとなる新規事業創出やサービス改善について、大手顧客に多くの実績があるうえ、スタートアップ企業のうち、同社が支援した企業の中から13社が上場に至っている。医療・介護、IT・通信、モビリティ、金融・FinTech、建設・不動産、製造・メーカー、食品・ヘルスケアなど、幅広い産業・分野において対応し、各分野でのデザインノウハウを蓄積しており、11年連続で合計14回ものグッドデザイン賞を受賞している。 (2) 体系化されたデザインノウハウとナレッジの蓄積は、デザイナーの属人性を低減し、提供するデザインの品質再現性を高めるための体系的な仕組みを構築している。具体的には、デザイナー育成のための社内研修、体系化されたデザインプロセス、プロジェクトの振り返りの全社共有、常時ナレッジが投稿される社内ナレッジデータベースが存在し、4万件以上の独自ノウハウ資産が蓄積されている。 (3) 社員・フリーランスともに、希少性の高まるデザイン人材が集結は、DXの進展によりデジタル領域のUI/UXデザイナーの市場価値が高まる一方で、ビジネスの根幹への理解と関与が求められるため、デザイナーの供給は不足しているなか、同社は、事業開発からUIデザインまで幅広い領域に携われる魅力的な仕事、デザイナー中心の組織文化と仕組みを通じて、優秀なデザイン人材を惹きつけている。事業会社のマーケター、事業開発、コンサルタント、エンジニア、Webデザイナー出身者など、多様な経歴を持つデザイナーが在籍している。社員デザイナーとGoodpatch Anywhereに所属するフリーランスデザイナーの両方を活用することで、柔軟な人材プールを形成しており、国内デザイン会社のなかでも突出したポジションにある。 (4) デザインパートナー事業を軸とした高効率で柔軟性の高いビジネスモデルでは、プロジェクトと人材を柔軟に連携させることで、高効率かつ柔軟性の高いビジネスモデルを実現している。正社員デザイン部門は、高度なデザインスキルと事業ノウハウを持つハイコミットメントなチームであり、優先的にプロジェクトを獲得し高稼働率を維持している。Goodpatch Anywhereは、プロジェクト組成時にパートタイム社員化する経験豊富なプロフェッショナルをプールしており、プロジェクト獲得数に応じて粗利益が線形的に成長し、人材プールの管理コストが低く抑えられる特徴がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠) 《HN》 記事一覧 |