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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/01 13:06, 提供元: フィスコ IIF Research Memo(6):2025年3月期は各段階利益で2ケタ増の大幅増益。全セグメントで売上高が伸長*13:06JST IIF Research Memo(6):2025年3月期は各段階利益で2ケタ増の大幅増益。全セグメントで売上高が伸長■インターネットインフィニティー<6545>の業績動向 1. 2025年3月期の業績概要 2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.1%増の5,161百万円、営業利益が同74.2%増の401百万円、経常利益が同51.6%増の411百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同95.3%増の255百万円となった。すべてのセグメントにおいて売上高が順調に増加したほか、前期中に実施した本社移転による賃料などの固定費削減効果も加わったことで、営業利益及び経常利益は大きく増加した。 ヘルスケアソリューション事業のうち、レコードブック事業では、直営店舗数が減少したものの、既存店舗の稼働率が回復したことにより営業利益は大きく増加した。新規出店数は前期より1店舗増加し、合計で13店舗となった。アクティブライフ事業においては、福祉用具貸与事業が堅調に推移した一方で、正光技建に係るのれんについて、第3四半期に42百万円の減損損失を計上した。背景としては、M&A時に想定していた売上構成の変化や原価率の上昇などにより、当初想定していた将来的な収益を見込めなくなったことが挙げられる。ただし、今後はフルケアとのシナジー効果により、グループとしての利益貢献が見込まれ、構造改革が進められている。Webソリューション事業では、育児・介護休業法の改正に向けて中小企業を対象とした「わかるかいごBizライト」の提供を開始した。在宅サービス事業は、全体として安定した事業運営が継続したことに加え、連結子会社であるカンケイ舎が運営する通所介護事業所の移転に伴い、受取立退料40百万円を特別利益に計上した。 セグメント別の業績は以下のとおり。 (1) ヘルスケアソリューション事業 ヘルスケアソリューション事業の売上高は前期比4.1%増の3,554百万円、営業利益は同24.7%増の525百万円となった。 a) レコードブック事業 レコードブック事業の売上高は前期比1.5%増の1,848百万円、営業利益は同31.0%増の382百万円となった。同事業は、事業分社化によりレコードブックが運営を担う体制となった。直営店は前期比で店舗数が1ヶ所減少したが、稼働率が向上したことで売上高及び営業利益はともに増加した。FCにおいては、店舗数が12ヶ所増加しており、ロイヤルティ収入の増加につながった。これらの店舗増加に加え、高齢者における運動習慣の重要性に対する理解の浸透により、既存店舗の稼働率が上昇傾向を示した。直営店舗の1店舗当たり売上高やFC加盟店からのロイヤルティ収入も前期比で増加している。また、FC新規出店による加盟金等の収入も微増となった。2024年10月には、レコードブックの月間利用者数が21,000人を突破し、今後も既存店舗の稼働率向上と新規出店により利用者数の増加が見込まれる。2025年3月期のレコードブック・ブランドの新規出店数は13店舗で、前期より1店舗の増加であり、店舗数は全国で236店舗となった。2026年3月期には20店舗前後の新規出店を見込んでいる。一方で、従来の設備投資型レンタルプランから契約満了に伴いプラン変更を行った加盟店の増加により、売上原価と同額の売上高が減少する影響があったものの、レコードブック事業全体としては増収増益にて着地した。 b) アクティブライフ事業 アクティブライフ事業の売上高は前期比8.5%増の1,362百万円、営業利益は同108.2%増の71百万円となった。同事業では、福祉用具貸与を営むフルケア及びカンケイ舎の事業が堅調に推移した。さらに正光技建では、営業手法や営業先の見直し、組織体制の改革、仕入先の選定見直しによる原価率の改善などの各種施策を推進し、売上高・営業利益ともに前期比で増加となった。今後もフルケアとのシナジー効果によるグループとしての利益貢献を目指し、構造改革を実施する。 c) Webソリューション事業 Webソリューション事業の売上高は前期比1.6%増の342百万円、営業利益は同24.6%減の71百万円となった。同事業では、仕事と介護の両立支援を目的として「わかるかいごBiz」を提供している。サービス提供先としては、日立グループ5社、伊藤忠人事総務サービス、東京ガスネットワーク、稲畑産業、日本電算機販売、光アルファクス、大浩ホールディングス、中央日本土地建物などが含まれる。また、2025年4月の育児・介護休業法改正に対応する形で中小企業向けサービス「わかるかいごBizライト」の提供を開始した。現時点では相談窓口設置義務化の認知が進んでおらず、引き合いは限定的であるが、今後の法改正周知の進展によって需要拡大が期待される。加えて、メディカル領域では前期からの既存取引先から大型受注を獲得し、売上高・営業利益ともに増加している。今後も営業活動を推進し、コンテンツを拡充していく。 (2) 在宅サービス事業 在宅サービス事業の売上高は前期比4.1%増の1,607百万円、営業利益は同0.1%減の338百万円となった。同事業においては、カンケイ舎において有資格者を含む介護人材の確保を目的とした人事制度改革を進めた。また、新たに千葉県船橋市に訪問介護事業所を開設し、居宅介護支援では、千葉県の4事業所で医療連携による加算を新たに取得した。施設介護では退去などが重なり、第4四半期の売上高は一時的に減少したが、通期では売上高・営業利益ともに前期比で増加した。訪問介護では、サービス提供責任者の人材不足が一部に影響を及ぼしたが、全体としては安定した事業運営を継続している。 2. 財務状況と経営指標 2025年3月期末の総資産は前期末比577百万円増の4,328百万円となった。このうち流動資産は同703百万円増の3,306百万円となった。これは主に、現金及び預金が736百万円増加したことによる。固定資産は、有形固定資産が7百万円増加した一方で、無形固定資産が127百万円、投資その他の資産が5百万円それぞれ減少したことにより、同126百万円減の1,022百万円となった。負債合計は同318百万円増の2,681百万円となった。このうち流動負債は、前期に計上したソフトウェアの製作費の支払等により未払金が117百万円、1年内返済予定の長期借入金が10百万円それぞれ減少した一方で、短期借入金が100百万円増加したことなどにより、同118百万円減の1,962百万円となった。固定負債は、長期借入金が439百万円増加したことなどにより、同437百万円増の719百万円となった。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が205百万円増加したことに加え、自己株式が55百万円減少したことなどにより、同258百万円増の1,647百万円となった。これらの結果、自己資本比率は同1.0ポイント上昇の38.0%、流動比率は同43.4ポイント上昇の168.5%、固定比率は同20.6ポイント低下の62.1%となり、すべての指標が改善した。自己資本比率も健全な値であり、流動比率、固定比率も問題のない水準であることから長短の手元流動性に問題はないと弊社は見ている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) 《HN》 記事一覧 |