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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/05/19 11:01, 提供元: フィスコ 和田興産 Research Memo(1):2026年2月までの中期経営計画3期間累計利益は当初目標を2割強上回る見通し*11:01JST 和田興産 Research Memo(1):2026年2月までの中期経営計画3期間累計利益は当初目標を2割強上回る見通し■要約 和田興産<8931>は、1899年の創業以来126年の長い歴史を有する総合不動産会社である。日本有数の住宅地である神戸市・明石市及び阪神間を中心に事業展開し、特に神戸市ではマンション分譲実績(棟数ベース)で2024年まで27年連続1位となっており、確固たるブランド力を築いている。分譲マンション販売以外にも、戸建て住宅やその他不動産販売・不動産賃貸事業などを展開しているほか、収益の多角化を図るため新規事業にも取り組んでいる。 1. 2025年2月期の業績概要 2025年2月期の業績は、売上高で前期比3.4%増の40,130百万円、営業利益で同16.7%増の5,285百万円と増収増益となり、3期連続で過去最高益を更新した。主力の分譲マンション販売が販売価格の上昇と利益率向上により増収増益となったほか、その他不動産販売も好採算物件の売却が進んだことで大幅増収増益となったことが主因だ。 2. 2026年2月期の業績見通し 2026年2月期の業績は、売上高で前期比2.2%増の41,000百万円、営業利益で同14.9%減の4,500百万円と増収減益を見込む。分譲マンション市況については、住宅ローン金利が上昇しているものの、政府による住宅取得支援策の継続や建築コストの高止まりで供給戸数が絞られていることもあって、底堅く推移する見通しである。こうした環境下で、分譲マンションの引渡戸数は600戸(前期実績642戸)と減少するものの、販売単価上昇により増収が続く見込みだ。ただ、利益面では前期に好採算プロジェクトがあった反動で減益を見込んでいる。また、その他不動産販売も前期の反動で減益となる見通しだが、分譲マンションの引渡物件の約8割は前期末までに契約済みのため、業績計画は達成確度の高い保守的な計画と見られる。 3. 中期経営計画の進捗状況 中期経営計画(2024年2月期〜2026年2月期)では、3期間累計で売上高1,224億円(前3期間比1.5%減)、営業利益118億円(同7.2%増)を目標に掲げ、KPI(重要業績指標)としてROE8%以上、D/Eレシオ2倍以内を目指してきた。2025年2月期までの2期間累計に2026年2月期の計画を合算すると、売上高は1,199億円と若干未達となるも、営業利益は143億円と当初目標を21.3%超過する見込みだ。これは、市場環境が良好だったことと、当初想定よりもプロジェクトの採算性が良化したケースが多かったことによる。また、重点戦略として取り組んできた「新たな地域・事業・分野等への挑戦」についても着実に進んでいる。新たな地域としては、大阪府堺市や兵庫県加古川市などへ進出したほか、新規事業として戸建て住宅リフォーム事業を開始した。また新規分野としては系統用蓄電所の運用を2025年7月より開始するほか、高齢者向け住宅施設の開発にも進出した。これらの取り組みを今後も推進することで、さらなる収益拡大を目指す。 4. 株主還元策 配当政策については、財務基盤の強化や成長投資に必要となる内部留保の充実と収益状況などを考慮しながら、安定的かつ継続的な配当を実施していくことを基本方針としている。2025年2月期の1株当たり配当金は前期比10.0円増配の70.0円(配当性向24.6%)と4期連続の増配を実施し、2026年2月期は減益計画ながらも前期と同額となる70.0円(同30.7%)を予定している。また、2026年2月期の業績が計画どおりに推移した場合ROEは7%強と、中期経営計画で目標としていた8%以上の水準を下回る可能性が高く、状況により前期と同様に自己株式取得を実施する可能性があると弊社では見ている。前期は役員退職慰労金制度の廃止とそれに代わる株式報酬制度の導入に伴い、対象者への株式付与を目的として144千株、203百万円の自己株式を取得した。 ■Key Points ・2025年2月期業績は計画を上回り、4期連続で最高益を更新 ・2026年2月期は好採算物件の減少を想定し、増収減益と保守的な予想 ・中期経営計画の3期間累計業績は各利益で計画を2割強上回る見通し (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |