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副題に「ウォール街を生き抜く影の投資家一族」とあるように、バフェットやピー ター・リンチの名前を知っていても、デービスと聞いてすぐにピンと来る人は、日本人ではほとんどいないのではないだろうか。
本書では親、子、孫の3代にわたり、株式投資で膨大な資産を築いてきたこの一 族、家族の歴史をたどっている。
本の序盤は少々読み進めるのがつらい。というのは、直接、投資とは関係のないと
思われるような家族の歴史が長く語られるからである。
徐々に内容は本質に迫ってくる。保険株への集中投資(これには日本の保険会社も
含まれる)や時に株式市場全体の下落やハイテク株への投資などで痛手を被りながら
も、長期にわたる複利効果もあって、膨大な資産を築き上げるこの家族の歴史は、な
にかしらドラマを見ているような感じがある。
デービス一族の投資の本質は最終章にまとめられている。直接、株式投資の参考と
したいのであれば終章のみを読めば事足りるとも言えるが、自分自身の投資家として
の歴史と対応させながら、あるいはこれからの自分自身の投資家としての将来を頭の
中で描きながら、本書をのんびりと読み進めてみるのも面白いように思う。
類書がちょっと思い浮かばない、一風変わった、投資家一族の履歴書とでもいうべ
き一冊。
(ふしみん 公務員 40代)
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