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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/10/02 16:10, 提供元: フィスコ unerry Research Memo(10):2028年6月期に売上高100億円を目指す中期成長戦略を推進(3)*16:10JST unerry Research Memo(10):2028年6月期に売上高100億円を目指す中期成長戦略を推進(3)■unerry<5034>の中期成長戦略とその進捗状況 (3) リカーリング顧客化・単価向上 強化策として、フライホイールプロダクト戦略を推進する。生活者行動データプラットフォームである。「Beacon Bank」を基盤に3つのサービスを連携して高速に回転させると同時に、「Beacon Bank」の基盤拡大にも寄与する仕組みを構築する。分析・可視化サービスで新規ユーザー情報を取り込み、潜在顧客を明確化し、行動変容サービスをクロスセルして集客課題に取り組むことで顧客価値を拡大する。そしてOne to Oneサービス導入によりUX(顧客体験)を最大化し顧客を囲い込み重要顧客として定着させることで、顧客単価の向上を実現する。「Beacon Bank」には顧客ごとのデータが蓄積されることから、分析・可視化サービスへとループし、顧客の課題発掘が可能となる。この仕組みで、顧客企業へ高品質なサービスを提供するとともに同社業績拡大を達成する。2026年6月期からは業界特化型プロダクトとして、小売事業者の収益化支援や、自治体・まちづくり支援、外国人観光客分析・広告等の販売を開始した。ほかにも、One to Oneサービスの高度化に向けた生成AIの活用として、「Beacon Bank SDK」にリアルタイムAI機能を搭載し、ユーザーの今に最適なメッセージを届ける仕組みの構築を目指している。さらに、リアルタイム1to1では、外部の主要ソリューションとの連携により幅広い的確な情報提供を計画する。 (4) 組織の急成長 急速な成長を支える組織拡大と、1人あたりの生産性向上を同時に実現するための人的資本戦略を策定した。戦略の柱は、(1) ミッション・ビジョン・バリュー(以下、MVV)の浸透、(2) 未来をつくる人材の継続的な確保・拡大、(3) グローバル企業としてのダイバーシティ実現、(4) チャレンジを褒め称えるチームワークの4つである。1人当たり生産性の指標である1人当たり売上高は、2024年6月期実績で43.2百万円(前期比2.1%増)、2025年6月期は45.7百万円(同5.6%増)と、着実に効果が現れており、従業員間の取り組み姿勢が強固になったと見られる。2026年6月期は期末従業員数が2023年6月期比でほぼ倍増する計画で、目標の48.8百万円(同6.8%増)達成による営業利益率向上に期待がかかる。生産性向上に向けた施策として、1) 人手の介在を減らす、2) プロダクト間のシナジーを強化、3) プロダクトのロックイン強化、の3点を進めている。1) は広告・分析用データウェアハウス構築や生成AIによる自動分析ツールの開発、2) は「ショッパーみえーる」と広告のセット提供と提案パッケージの整備、社員教育・オンボーディングによる早期戦力化、3) ではサービスの年間契約をすすめ、営業活動の効率化と他サービスへの乗り換え防止を進めている。 (5) キャッシュアロケーション 資金配分方針として、事業の成長投資と戦略投資を優先する。前者については、プロダクト開発やサービス開発、人材投資など、中長期の事業成長に向け投資する。後者については、M&Aや出資など一定の財務規律の中で非連続成長に向けた投資を実行する。なお事業の成長に伴い運転資金需要の増加も見込まれるが、必要な資金規模はそれほど大きくないと同社では見ている。株主還元については成長投資を優先しつつも、資本コストを意識し柔軟に対応する。なお資金調達については現状の手元現預金と今後の売上高増加による営業キャッシュ・フローの増加分で賄うほか、2025年6月末時点で有利子負債はゼロで、同社技術を活用した資本業務提携等での調達も想定している。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) 《KM》 記事一覧 |