「投機筋」「市場の撹乱者」「諸悪の根源」「自己中心的」…… ヘッジファンドのイメージを幾つかの言葉で表現すると、こんな感じになるだろう。誰にも知られていない密室で謎めいた人物が世界から集められた情報を駆使し、世界の金融市場を舞台として、あるときは株式そしてあるときは先物で売買を行い大きな利益をあげる。その影響力から時として各国の中央銀行さえも手玉にとり、一国の金融や経済政策を捻じ曲げてしまうこともいとわない。
しかし、このように「投機的」と考えられるファンドになぜ「ヘッジ」という保守的な形容詞がついているのか? と疑問を持つ人は決して少なくないと思われる。事実ヘッジファンドは、1945年にアルフレッド・ジョーンズというアメリカ人が発案したもので、名前通り元来は保守的に「ヘッジをするファンド」だった。今、このヘッジファンドが保守的な投資家の間で静かな注目を集めている。
本書はこれまでのヘッジファンドに関する誤解を解きながら、現代ポートフォリオ理論(MRT)を礎とした資産分散によるアプローチは個人投資家には適していない事をわかりやすく説明している。
第2部 ヘッジファンドはなにを提供できるか?
第4章 ヘッジファンドとは何か?
第5章 運用成績を見る
第6章 戦略を絞り込む
第7章 どんな状況にも左右されない運用戦略
第3部 ヘッジファンドに投資する
第8章 投資にはいくら必要か?
第9章 情報をどこから手に入れるか?
第10章 最適なヘッジファンドの選び方
第11章 投資条件を確認してみる
第12章 投資を継続してフォローする
終章 ヘッジファンドは保守的なアプローチである
訳者解説 あとがき及び日本のためのヘッジファンド投資
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