米国発の世界同時不況 global recession が始まり、日本経済も失速するなか、国会では「ガソリン税」をめぐる与野党の虚しい攻防が繰り広げられた。これが史上最大の「借金国家」がいますべきことなのか? 政治家・官僚には、国民生活に対する愛情がない。その証拠に、政府は消費税率の引き合げを盛んに喧伝している。また、格差是正の視点から、「増税はやむをえない」という声がある。しかし、これは国が生き延びるための延命策で、国民はだまされてはいけない。
私は20年以上も前から、日本の「国家破産」 national bankruptcy を警告してきた。だから、"国家破産論”に関しては元祖ということになっている。今回、私が主張するのは、破産国家が増税すれば、国民生活はどん底に突き落とされ、本当に破産したときは、その被害は甚大だということだ。
日本は、現在、すでに重税国家 a nation with heavy tax である。国債発行額を消費税に置き換えれば、その税率は15%を突破して20%に迫っている。アダム・スミスによれば国債は「税金手形」であり、かたちを変えた税金なのである。
いまの日本に必要なのは、所得税、法人税等の減税 tax cut であり、消費税は廃止すべきである。なぜそれが必要かは本書中で詳しく述べる。
グローバル経済が進展するなか、日本はどうすべきなのか? 私たち国民はいかに賢くあるべきか? 本書を通して知ってほしい。
