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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/06/13 13:02, 提供元: フィスコ Jトラスト Research Memo(2):2025年12月期第1四半期は韓国及びモンゴル金融事業の改善により大幅増益*13:02JST Jトラスト Research Memo(2):2025年12月期第1四半期は韓国及びモンゴル金融事業の改善により大幅増益■Jトラスト<8508>の業績動向 1. 2025年12月期第1四半期の業績概要 2025年12月期第1四半期の連結業績は、営業収益30,657百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益2,134百万円(前年同期は273百万円の損失)、税引前利益1,555百万円(同147.3%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益411百万円(同958.2%増)の減収増益となった。営業収益は不動産事業の販売用不動産における販売収益が減少したことなどにより減収となり、営業利益は韓国及びモンゴル金融事業の業績改善及び投資事業の回収金の計上等により計画を8億円上回る増益となったが、業績全体ではおおむね計画どおりに進捗している。第1四半期の営業利益は通期予想に対する進捗率は19.2%に留まったが、第4四半期にかけて右肩上がりに増益幅の拡大を計画している。 事業セグメント別営業利益については、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業及び東南アジア金融事業の金融3事業が計画値を上回り、計画を下回った不動産事業や投資事業をカバーした。2025年12月期第1四半期は、通期の業績予想達成に向けて順調なスタートを切ったと評価できる。 金融3事業で業績改善が進み、全体の業績に大きく寄与 2. 事業セグメント別動向 (1) 日本金融事業 営業収益は4,244百万円(前年同期比12.6%増)、営業利益は1,726百万円(同18.0%増)となった。主力事業の(株)日本保証における債務保証残高は、2025年3月末には2,574億円へ増加した。アパートローン・海外不動産担保ローン・有価証券担保ローンの保証が好調で、保証残高は順調に増加している。同社グループは保証残高の大幅な拡大を目指して保証商品の多角化を推進しており、その成果が表れている。 サービサー(債権回収)業務では、パルティール債権回収(株)の回収が順調に進む一方で債権購入が進み、請求債権残高は10,456億円へと微増に留まった。債権回収においては、これまでのM&Aを通じてノウハウを結集した国内トップクラスの回収力があり、保証業務と並び日本金融事業の利益の柱となっている。また、Nexus Card(株)及びMIRAI(株)では、季節要因に伴い割賦売掛金残高が一時的に減少しているが、計画どおりに推移した。Jトラストグローバル証券(株)でも、富裕層をターゲットとしたプライベートバンキング及びIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザーを意味するIndependent Financial Advisorの略)事業が順調で、預かり資産は2025年3月末には4,133億円に達した。 (2) 韓国及びモンゴル金融事業 営業収益は11,052百万円(前年同期比7.4%減)、営業損失は375百万円(前年同期は1,286百万円の損失)となった。営業収益は、貯蓄銀行業において有価証券が減少したことなどにより利息収益が減少し、減収となった。営業損失は、貸倒引当金繰入額の減少や、調達金利の低下に伴い預金利息費用が減少したことなどにより、赤字幅を大きく縮小した。 JT親愛貯蓄銀行(株)の貸出残高は2025年3月末には2,252億円となり、前年で底を打ったと見られる。貸倒引当金を控除したネット不良債権比率は1.96%と低位であった。一方、JT貯蓄銀行(株)の貸出残高は2025年3月末には1,834億円とほぼ横ばいで推移した。債権の質の良化を重視し、貸出残高をコントロールした結果である。貸倒引当金を控除したネット不良債権比率は5.92%であった。JT親愛貯蓄銀行と比べてネット不良債権比率は高いものの、JT貯蓄銀行では法人向け貸出の割合が多く、大半が担保で保全されている。 なお、モンゴルのJ Trust Credit NBFIは2025年4月28日付で第三者への株式譲渡が完了したため、2025年8月8日に開示予定の2025年12月期第2四半期決算からモンゴルを除く形でセグメントの呼称を変更する予定である。 (3) 東南アジア金融事業 営業収益は12,062百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は896百万円(同12.6%減)となった。営業収益は、銀行業における貸出金の増加に伴う貸出金利息収入の増加や、PT JTRUST INVESTMENTS INDONESIA(Jトラストインベストメンツインドネシア)における買取債権回収益の増加等により増収となった。営業利益は、銀行業における預金利息費用が増加したことや貸倒関連費用の増加等により、減益となった。 a) PT Bank J Trust Indonesia, Tbk.(Jトラスト銀行インドネシア) Jトラスト銀行インドネシアでは、2024年12月に不良債権処理や複数の大口債権の一括返済に伴い貸出残高は一時的に減少したが、2025年3月末には2,570億円に回復した。不良債権比率は、貸倒引当金を控除したネットでは1.40%の低位で推移しており、リスクマネジメントを強化した成果が表れている。今後は同社グループ外からの増資を基本とし、増資のタイミングに合わせて貸出を実施する計画だ。また、引き続き2025年も超優良企業にフォーカスした貸出を実施し、筋肉体質を目指す。 b) J Trust Royal Bank Plc.(Jトラストロイヤル銀行) カンボジアのJトラストロイヤル銀行では、貸出残高は順調に増加し、貸倒引当金を控除したネット不良債権比率は0.14%の低位であり、不良債権化しても担保処分により回収が可能である。引き続き担保物件の競売や法的手続き等による回収とモニタリングを強化し、不良債権化の抑制に努める方針だ。 (4) 不動産事業 不動産事業については、主にJグランド(株)、(株)グローベルス及び(株)ライブレントが行っている。米国ハワイ州のProspect Asset Management, Inc.については、2025年12月期第1四半期において解散を決議し、非継続事業に分類した。営業収益は、販売用不動産の販売収益が減少したことで3,264百万円(前年同期比28.9%減)となった。また、営業損失は販管費の増加等により65百万円(前年同期は34百万円の損失)であった。 (5) 投資事業 投資事業については、主にJTRUST ASIA PTE. LTD.(Jトラストアジア)が投資事業及び投資先の経営支援を行っている。営業収益は49百万円(前年同期は3百万円)となり、またGroup Lease PCLにかかる訴訟の判決により同社からの回収金を計上したことで353百万円の営業利益(前年同期は916百万円の損失)となった。同社では当該金銭債権に対して既に全額貸倒引当金を計上しており、将来の回収金はその他収益に計上される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《HN》 記事一覧 |