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『DVD 生涯現役の株式トレード技術 悟り編』
優利加様
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優利加の徒然相場日記
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10周年おめでとうございます。
10年は英語では"decade"と言い一つの区切りです。この10年で世の中では様々な出来事がありましたが、私個人のパンローリングとの関わりだけでも、振り返ると、2006年以来、2冊の著作と6本のDVDを発売していました。北浜流一郎氏の紹介で、編集者の磯崎さんと最初に会ったときは、「売るために大衆に迎合したような本は書きませんよ。それでも良いですか?」
と念を押して執筆を引き受けたのが始まりでした。発売して見ると当初の予想とは大違いでかなりの支持を得ることができ、お陰さまでその年のブルベア大賞に選ばれました。
私は2つの仕事上の動機で1998年の秋から株式投資を始めたので、10年というのは私の投資歴とほぼ同じです。私の仕事は法人営業で、所属は銀行部門でしたが、本国ではユニバーサルバンクなので実質的には証券業務に属することもやらされていました。後に金融庁の監査で始末書をかかされましたが(笑)。
まず第一に、当時は、EVAモデルとデュポンモデルを活用して担当各社を多角的に分析し、各社の様々な問題点を探し出した上でその解決策となるような金融商品・サービスを提案するというスタイルの営業をしていました。どちらのモデルで分析して
も、例えば「バランスシートのこの部分の問題を○○○によって解決すると、将来のフリーキャッシュフローが△△△だけ改善すると期待できるので、御社の理論株価はしかじかこれこれ上昇することになります。ご興味はありすか?・・・・」というよ
うな営業をしていました。そのような営業をやっているうち、株式の売買どころか証券口座すら持っていない自分が株価の話をしてもあまり説得力がないのではと思うに至り、株式投資を実際にやってみることにしました。
第二に、担当する各社の社長や役員陣に名前と顔を覚えてもらう奇策にもなると考えました。担当する各社の株を最低単位だけ買い、日程が重ならない限り各社の株主総会に出席して最前列の社長の目の前に座り、社長では簡単には答えられないような、 真面目だがかなり専門的で難しい質問をすることにより私の所属する金融機関名と私の氏名及び顔を売り込みました。この奇策は狙い通りの効果がありました。
やがて、2000年3月期決算以降の上場企業の決算が連結ベースになり、異なる企業の
業績比較がより容易になりました。また、2003年以降は、日経平均だけでなく多くの
国際優良銘柄の株価が簡単な株価評価モデルで計算した理論値周辺で動く場合が多く
なり、会社四季報の情報さえあれば、個人投資家でも当たらずとも遠からずのフェア
バリューを簡単に計算できる投資環境となりました。その具体的な方法については、
昨年までは優利加塾生だけに教えていたのですが、今年4月中旬に発売されたDVDブック「生涯現役の株式トレード技術 悟り編」の中でも基礎から
詳細に説明しました。
株式トレードを自らの資金を投じながら研究すればするほど、相場と人生は本質的に
同じものだということを確信して来ました。どちらもたった2つのことから成るとい
うことです。(1)自分の意志でコントロールできること、(2)自分の意志では決し
てコントロールできないこと、この2つだけです。この人生と相場の本質に気付いて
からは、人生においても相場においても、殆ど迷いがなくなりました。これは私の
「悟り」です。同時に、株式トレードはビジネスであり、ビジネスと全く同じ考え方
でやれば相対的に安定した結果が出せるということにも気づき、それを実践していま
す。
生涯現役の株式トレード技術の完成度をさらに高めながら、終わりなき相場技術の旅
を続けます。私の考え方に賛同してくださる個人投資家の海図となればこの上ない喜
びです。
以上
優利加
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