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ヘッジファンドの帝王

旧題: NO BULL ノーブル
マイケル・スタインハルト 著/奥脇省三 訳 パンローリング

「NO BULL」を読んで。
マ−ケットの魔術師の中で、マイケル・スタインハルトのことは知っていたが、「特 異な洞察力」というフレ−ズが気になっていた。最初にこの言葉に振れた時は、意味 が分からなかったが、今回、この「NO BULL」を読んで、逆張りの発想だった ということがわかった。

スタインハルトはこの「特異な洞察力」を独自の分析手段として位置づけている。こ れには独創的発想法というべき考え方の有利さがあるという。マ−ケットの総意と大 きく異なるが、確かな裏付けのある意見を持つことで、それは明確になるという。そ もそも、役に立つ分析手段は、知的で優越なものでしかも一般的な常識とは異質な考 え方であるというのがスタインハルトの持論だった。それには、他人より多くを知り 、状況をより正確に把握することが必要になる。同時にマ−ケットが何を期待してい るかを正確に理解することも決定的に重要だ。正しいのは異質な考え方の方だと判明 し、その結果、マ−ケットの総意に変化が訪れるとき、その過程で必ず大きな利益が 出る。

この独自の洞察力のおかげで、強気一色のマ−ケットの天井近くで売ることができ、 弱気一色の中でも底を買えたのだという。逆張りの発想といってしまえばそれまでだ が、彼が、この手法に精通し、単なる逆張りの発想を超えたところにスタインハルト の面目躍如があった。スタインハルトは、成功の大半はマ−ケットの全体的な方向を 正しくつかんだところにあると述べているが、彼のいう、全体的な方向とは今在るト レンドではなく、これから起こるであろうトレンドのことだと思われる。そして、そ れを把握するのは、基本的には知識や研究であるが、それ以上に、スタインハルトが 身につけた職人的洞察力であろう。彼は、人間の行動の中には、ある判断を生み出す 無意識の過程があり、これは「本能」や「直感」と言い表されていると述べている。 多くのデ−タを読み、トレ−ドすることで、自然に身に付いたと述べている。そして 、現在起こっていることをミクロ的見地からもマクロ的見地からも、長期的視野に立 って理解することで、そのビジョンはより鮮明で確かなものとなる。

自分の知識の全てと直感を用いて、正しい判断を高い確率で下すことが永遠の挑戦に なったという。知識偏重に偏らず、経験から生まれる直感にも重きを置いている。 このような判断はいったい何から得られるものなのか。人は生まれながらに本能とか 直感を持っているものなのか。これは「天賦の才」なのだろうか。スタインハルトは 、私はそうは思わない、と述べている。知識は確かに必要だが、それだけでは十分で はないという。

もちろん、数多の投資の中には熟慮の末とは言えない判断もあったが、引退するまで にスタインハルトは自分の洞察力に自信を持っていた。願わくは、私も、様々な考察 をしてわき出るインスピレ−ションで、この投資は間違いない、と即断できるように なりたいものだ。

会社員 男 40代

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