アルゴリズムトレードの道具箱

この本は各分野の入門として読む本（しかも良書）から正しく自分でシステムを作成できるようになるまで掘り下げた非常に内容の濃い本です。

システムトレードはプログラミング知識のないトレーダーはもちろん作れませんが市場の知識やトレード経験のないエンジニアも作成ができません。

読み手としてはシステムトレードを取り入れようと考えているプログラミング素人の裁量トレーダー、トレード経験は浅いがプログラミングに強いエンジニアなど、一方の分野に経験がありもう一方の分野をこれから習得しようと考えている人にはまさにうってつけ。

しかし、システムトレードを全く導入する予定のない裁量トレーダーが読んでも得るものが大きいはずです。

まえがきにプログラミングの知識がなくてもシステムを作成できるよう指導するとしていますが、まさにそのとおりです。

エクセルやPythonでのバックテスターの説明から近年国内でもマネックス証券で無料で利用できるようになったトレードステーションのEasyLanguageでのサンプルコードなど至れり尽くせり。

タートルシステムなどの売買ルールや各種インジケーターなどのサンプルコードも豊富に紹介されています。

個人的に驚いたのがドンチャンブレイクなどの複数トレンドフォローシステム検証の比較で紹介されている３つの移動平均線を使用したシンプルなシステム。

実際に私もバックテストしてみましたが、好成績の結果はもちろんですが、アイデアをコードに変換するのに複雑なものではなく近似的でもシンプルに作成する事ができるという閃きをもらい大変勉強になりました。

また、スタートトレードドローダウン、ウォークフォワード分析、モンテカルロシミュレーションを駆使した最適化に関する知識まで紹介し、これらをPythonでシミュレーションするためのコードまで載せていますがタイトル通りの書籍というより本当に道具箱です。

１冊で何冊もの実用書をまとめたような素晴らしい本でした。

ホワイトデー
トレーダー（投資歴 FX・先物 15年）

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