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千年投資の公理 売られ過ぎの優良企業を買う

本書はROC(資本利益率)が高い企業とはどのような企業なのかを「堀」という 概念から説明している。さて、原書では、この「堀」と訳されている言葉はどういう 単語なのか?。ちょっと興味があった。ROCはちょっと聞き慣れない指標であるが ROEに近いものと考えて差し支えないと思われる。

 「堀」というのは、ライバル社から企業を守り、高い収益性を保つための「防護 壁」と言ってもいいだろう。これについて、本書では具体的に詳しく解説がなされて いる。

 意外だったのは、冒頭部分で「素晴らしい製品」や「大きなマーケットシェア」 「優れた経営陣」などは、「堀」にはならない場合が多いと述べている点。短期的に これらは、企業収益を向上させるのに大きな意味がある場合があるが、長期的に高い 収益を得ることを継続することにはつながらない場合があるとしている。興味深く、 本書を読むと確かにそうかなと思わされる。

 では、それはなにかといえば、真の「ブランド力」などの無形資産、乗り換えコス ト、ネットワーク効果、コストの優位性、規模などであるとしている。これらはいず れも価格決定力に大きな影響を及ぼすものであるが、例えば規模についてはただそれ が大きければよいというものでもない点には留意する必要がある。こうした様々な本 書の指摘は、いずれもそのとおりだと思わされる。

 例によって翻訳物であるため、取り上げられる事例は米国の銘柄ばかりではある が、こうした指摘そのものはどこの企業についてもあてはまるものだろう。

 業種によって、この「堀」のあり方は大きく異なっており、必ずしも高名で規模が 大きい企業がこの「堀」の優位性を持っているとは限らないという点が面白いところ である。

 この「堀」、企業の優位性の源泉、についての解説と比較して、最後の方の具体的 な株式投資の売買についての内容は、やや常識的で目新しさには欠ける印象があっ た。また、どうしう場合が「売られ過ぎ」なのかについての詳細な解説がない点がや や不満であった。

 本書は投資のテクニックや売買方法を学ぶというよりは、すぐれた企業のあり方の 基本について考えさせられるという点で優れている。

 この概念を、自分が投資しようとしている、あるいは投資している企業にあてはめ て考えてみることは意味のあることだと思われた。

(ふしみん、40代、公務員)


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