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「王道的かつ常識的な中長期投資のすすめ」
「テクナメンタル」という書名から、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を融合させたような投資方法について解説されている本というような印象を受けるかもしれないが、内容は基本的なファンダメンタルズ分析を中心とした中長期投資のすすめといった内容である。
売上高の推移、利益成長率の推移等をグラフ化するなどして、中長期的なその推移を明らかにし、投資するに値する銘柄を見つけだして、中長期の視点で投資を行うことの重要性やその具体的な方法について、比較的平易な言葉で解説されている。
デイトレードと対極をなすような、バフェットの流れをくむ王道的な中長期投資の方法論を示した本として、平易さ、具体性という点でなかなか優れた内容となっていると感じた。ただ、例によって翻訳物の隔靴掻痒感はやはりある。
書かれている内容そのものにはさほど目新しさはない。ただ、この方法を頑固に続けることは、日々マーケットの浮き沈みをながめていると、どうしてもそれに影響されがちとなり、そんなにやさしいことではない。そもそも、本書の基準に従って、投資に値する優良企業を選別することそのものが単に数字的に抽出することは可能であっても、本当に資金を投じて長く投資する対象として選び出すという意味では、難しさがある。
簡単に可能なことは自分自身が既に投資している、あるいは、これから投資しようとしている銘柄について本書の基準をあてはめて考えてみることである。 例えば、トヨタ自動車は？、武田薬品は？、キーエンスは？オリンパスは？ロームは？。実はここに挙げた具体的な銘柄は私自身が累積投資という毎月一定額ずつ買い付けるという方法で投資している銘柄である。
こうした自分自身の投資の状況、あるいは投資の方針と照らし合わせて、本書を読んでみることは自分自身の投資状況をよく理解するという意味で有益だと思われる。
(40代 公務員 ふしみん)
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