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世紀の相場師ジェシー・リバモア

リチャード・スミッテン, 藤本直 角川書店

ジェシー・リバモアで最も有名なエピソードは、大恐慌の時に売りに売りまくって莫大な財産を築いた世紀の相場師であることでしょう。そのほか、私生活の華々しさや家庭生活の不幸、ホテルでのピストル自殺等々、数奇な人生を歩んだ相場師として有名です。リバモアの生涯の数奇さのためか、筆者のペンが優れているためか、400ページ近い本書を一気呵成に読んでしまう魅力を備えています。

リバモアは莫大な富を築く大きな成功の反面、破産も多いです。何度も破産した記述に出会います。「また、破産か!?」と思いきや、破産の後でほとんど復活するんです。失敗を重ねるたびに、自分の傷口に手を入れて引っ掻き回すかのようなリバモアの失敗の分析は、相場で大負けしたことのある人にはゾッとするでしょう。普通の人間はそのまま相場から退場するくらいの衝撃なのに。

しかし、リバモアはそれを敢然と行い、復活を遂げていきます。艱難辛苦を乗り越えて進むリバモアの姿と私生活の華々しさに、どんどん、ページが進んでしまうのです。

「市場は正しい」というリバモアの株式市場に対する態度は、相場に対して冷静に対処し続けんとしたリバモアの真骨頂だと思います。市場を読み間違って損をするのはほかでもないわたしたちであり、市場との付き合い方を変えることができなかったわたしたちの側に原因があるのだ、という潔い姿勢に多くの人が共感を覚えることでしょう。

読んでいくうちに、リバモアの成功の要因として、数学的才能の他に、強大でタフな精神力があったことがわかるではないでしょうか?

本書の多くの箇所で、新聞のインタビュー記事や新聞記者とのやり取りが掲載されていますが、存命中の当時からマスコミ受けする人であったことがわかります。現在においても、その人生の激しさは読む人にとって、市場に向かう人にとって貴重な教訓を与え続けていると思います。こんな面白い人がいたのか、と思ってしまうはずです。

わたしは相場を張るようなタイプではないため、巻末にあるおまけのリバモア流投資のエッセンスはわかりませんでしたが、それでもなお、本書全体を通して語られる「相場師リバモア」の姿は、現在、市場に向かう者にとっての有意義な内容があると思います。

豊かな才能、厭わない努力、巨大な成功、失敗と復活、華々しい私生活と寂しい家庭生活、不幸に見舞われる家族などなど、リバモアの半生を扱った本書は人生を学ぶための伝記ともいえるでしょう。年頃の子供がいる人には本当に良い薬になるかと。個人的に中学生か高校生の頃に読んでおきたかったなぁ、と思う1冊でした。

(くらげ様 20代 会社経営 「初心者投資」管理人)


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