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トレーダーズショップより最新情報をお届けします。 (2007年3月26日)
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◆ チャンピオントレーダー塩坂洋一氏の投機眼
◆ 日興コーディアルの問題は粉飾決算か否か?
◆ 投資のプロが選ぶオススメの一冊 [Vol.149]
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■■ チャンピオントレーダー塩坂洋一氏の投機眼
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問題である。
次に掲げる A・B の2つの状況で貴方はどちらを選択するであろうか。
A：100％確実に80万円貰える。
B：85％の確率で100万円が貰える。但し、残り15％の確率でゼロになる。
そして、もう一つ。
次に掲げる C・D の2つの状況で貴方はどちらを選択するであろうか。
C：100％確実に80万円損する。
D：85％は100万円損する。但し、15％の確率で損失はゼロになる。
これは、投資セミナーなどで投資家心理を説明するのによく使われる問題で
ある。すなわち、多くの大衆は客観的・数学的な期待値 (合理的思考) よりも
主観的で不確実な大きい期待値の方を好むということを説くのに用いるネタで
ある。
最初の問題では、大多数の人が A を選択する。
数学的な期待利益で考えれば、
A は 80万円、B は 85万円 (100万円×85％) であり、
B の方が価値は高いにも関わらずである。
また、後者の問題では、大多数の人が D を選択する。
これも、数学上の期待価値(損失)で考えれば、
C は 80万の損失、
D は 85万円 (100万円×85％) の損失であるにも関わらずなのだ。
貴方がシステム売買を構築しようとするときに、A と D を選択するようだと
相場に勝つシステムをつくれないのはすぐに判ると思う。
しかし、これを市場に当てはめてみると、多くの大衆投資家の行動パターンは
A と D を選択する人達で構成されているという話になる。
このネタはいまから10数年前にかの名著『マーケットの魔術師』にも紹介さ
れている Dr. バン・タープ（トレードや投資心理学を提唱した博士）が
おこなったものである。
■『マーケットの魔術師』
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?c=9784939103407
それ以降、さまざまなアナリストによって、同じような話がされるようになっ
た。私もセミナーなどで、何度もこのネタを使わせてもらったものである。
確かに会場の受講者にこの問題を出すと、だいたい 8割〜9割方の人が
A と D の組み合わせ (＝大衆投資家・相場に勝てないタイプ) を選択すると
いう結果を実施に見ている。
私は Dr. バン・タープから直接、仕入れたネタとして使っていたのだが、あ
とで本を読んでいたら、人間の心理は、純粋な価値基準から見て、明らかに損
をする行動を取ることが古くから指摘されており、実はこれは18世紀の数学者、
かのベルヌーイの定理で有名なベルヌーイが設問して行った実験だと知った。
相場の世界にもよく言われることだが、いつの世でも人の行動心理というもの
は変わらない証左であろう。だからこそ「人の行く裏に道あり花の山」と、大
衆の心理の逆を行けというような格言が出てくるのだ。
さて、この実験の例で言えば、相場に勝つタイプの人間は B と C を選択する。
ちなみに、 B と D を選択したものはギャンブラータイプ、AとCを選択した
ものは銀行員タイプというようなところである。さて、皆さんは、どれを選択
したであろうか。
主観・客観・合理的・非合理的・・・この話はさらに現実に当てはめ、
奥に進めると面白いので、頭の体操をしてみていただきたい。
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■ チャンピオントレーダーのトレード技術 【罫線の実践法】4月14日(土)
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【執筆：塩坂洋一氏／個人トレーダー】
ラリー・ウィリアムズなどを世に出したリアルマネー運用コンテスト日本版に
出場、第3回大会では半年で499.84% (同期間の日経平均はマイナス19.3%) の
収益率で優勝。ディーリング、プログラム売買、ファンド運用に習熟、豊富な
実践ノウハウを有しており、現在ではポピュラーとなったシーズナル分析、限
月別アノマリー分析の先駆者である。現在は、株式・商品先物トレードの傍ら、
業界紙への寄稿やマーケットコメンテーターとして活躍中。
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■ オンラインセミナー「低位バリュー株投資戦略セミナー」 3月28日(水)
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■■ 日興コーディアルの問題は粉飾決算か否か?
■■ 特別寄稿：ＭＡ投資
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日興コーディアルの問題は粉飾決算か否か？投資家の立場で考えてみたいと
思います。
シティ・グループが日興コーディアル・グループへのＴＯＢが世間を賑わせて
います。ほぼ毎日のように新聞紙上に取り上げられ、上場維持の是非やＴＯＢ
価格につき様々な議論が交わされています。
先日、日興コーディアル証券の「調査報告書」を読みました。
調査委員は弁護士と大学教授で構成されています。
公認会計士などが在籍する、我々「ＭＡ投資」チームからみても、事実から導
き出されている評価は、非常にロジカルで納得感がありました。内容は専門的
で会計・ファイナンスの深い理解が必要ですが、一読の価値があります。
様々な議論があろうかと思いますが、本件の一番の問題点は、「ＥＢ債の発効
日を事後的に最も利益計上額に有利な時点に改ざんしたこと」です。
ＳＰＣ（特別目的会社）の連結除外は、その一連の利益操作を実現させるため
に不可欠な要素であるため、巷では粉飾決算として問題の一つとなっています。
しかし、「連結の範囲」だけを切り取って問題にするのは、本件の論点からは
ズレています。
そもそも会計は、“経済的実態をその時点の経済情勢に応じて適正に表すこと”
を目的としています。
その前提の中で、現在から2年半も前に（ライブドア事件の前！）、会計基準で
認められている「ベンチャーキャピタル条項（監査委員会報告書第60号2項(6)-6）
」で連結除外として会計処理するという判断自体を、今になって、粉飾と言い切
れるか・・・・について私は疑問を持っています。
実は、上場企業の2005年3月期の有価証券報告書をつぶさに調べ直せば、SPCの
連結会計処理に「ベンチャーキャピタル条項」を適用して連結除外となってい
る会社は数多く出てくるのです。
では、それらの会社も全て、「粉飾決算」として、上場廃止の是非を問うので
しょうか。
ただ、このような「判断」に依存する会計処理が、不正もしくは粉飾に利用さ
れるケースが多いことは事実です。監査を担当する会計士には“職業的懐疑心”
の保持が監査基準の基本原則にて求められており、その重要性は年々増してい
ます。
私たち、投資家は、会計にどのように向き合うべきでしょうか？
会計制度のグレーゾーンを（もっと言うならば限りなく黒に近い部分を）確信
犯的に突いて利益を稼ごうという企業は、まずは、投資対象としても不適格で
す。そのような経営者のいる企業には投資しない、というのが我々ＭＡ投資戦
略チームの方針です。
「企業の経済的実態を表す」ことの難しさ、そして投資家として「実態はどう
なのか」を深く洞察することの大切さを、一連の報道を見ていてあらためて実
感した次第です。
ＭＡ投資では、これからも開示情報を精読するのみではなく、様々な観点から
企業の実態を深く洞察する姿勢を大切にしてゆくとともに、経営者の「誠実性」
も見極めてゆきたいと考えています。
ＭＡ投資 チーム一同
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【執筆者の紹介】ＭＡ投資
「ＭＡ投資」とは、アブラハム・インベストメント株式会社の投資チームのこ
と。公認会計士、元戦略系コンサルタント、MBAホルダー、元商社マンなど、
Ｍ＆Ａビジネス経験者がメンバー。企業価値を見極める真のプロフェッショナ
ルとして、投資判断力に定評がある。日本株に対する投資情報サービスとして
過去平均227％の結果を残した。「ＭＡ投資の投資戦略レポート：
-investment.jp/」は2006年の大ヒット商品に選ばれた。
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■■ 書評・プロのオススメの一冊 [Vol.149]
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今回のオススメの一冊は、エクセレントホース(株)代表取締役社長、
村居孝美さんの推薦図書です。
■ 日本株トレーディング・スタートアップセミナー in 大阪
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【Vol.149】『ゾーン 相場心理学入門』
マーク・ダグラス 著／パンローリング
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ル通りにできないのか、その解決策を考えようとして学んだ1冊だ...
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