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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/08/25 10:59,
提供元: フィスコ
ミクリード:中小飲食店向け食材通販で売上成長継続、1Q減益は費用平準化による一過性要因
*10:59JST ミクリード:中小飲食店向け食材通販で売上成長継続、1Q減益は費用平準化による一過性要因
ミクリード<7687>は、個人経営の居酒屋をメインとした中小飲食店向けに業務用食材を通信販売している。起源は現ミスミグループ本社が1995年に開始したフード事業にあり、2007年のカクヤス(現ひとまいる<7686>)への譲渡、2013年の国分グループ本社・トーホー<8142>との資本業務提携を経て、2020年3月に東証マザーズ(現グロース市場)に上場した。ネット通販「MICREED Online Store」とカタログを通じて約4,000アイテムの食材を全国1.5万店超の飲食店に届けており、365日受注・出荷体制と、飲食店の営業時間に合わせて朝9時から深夜2時までオペレーターが電話対応する体制を整えている。顧客数は、2027年3月期第1四半期時点で15,756人(前年同期比15.7%増)と順調に増加。どの飲食店も、いつでもどの商品でも公平な価格で1個から注文できる。販管費の主たる中身は商品配送料と、出荷業務や受注業務等の業務委託費である。従業員35名という少人数体制は受注・出荷・配送業務を外部化した結果であり、サービスレベルの高さと表裏一体の変動費構造となっている。
同社の主戦場は、大手食品卸の営業がカバーしない個人経営店をはじめとする中小飲食店という競合の空白地帯である。実質的な競合は近隣スーパーへの買い出しと地場の食材卸であり、上場企業では尾家産業や大光、サトー商会と一部領域が重なるにとどまる。同社の競争優位性は、店主の買い出し・調理の手間を省くこと、中小飲食店の食材の保管効率を上げ、ロス率を下げるような地場スーパーや食材卸では扱っていないロングテールな品揃え、そして365日配送にある。コロナ禍明け以降、地場卸は人手不足から配送頻度を落とすなどサービスレベルが低下しており、外部委託先を活用して配送品質を維持する同社への追い風となっている。また、WEB受注率は引き続き上昇傾向にあり、2025年8月以降は80%超の水準が継続。新規顧客の獲得チャネルはWEBがほぼ100%で、広告経由と自然流入が半々であり、以前の勤務先で同社を利用していた料理人が独立・転職を機に再び顧客となる例も多いという。商品開発では新宿本社にテストキッチンを設け、中小飲食店向けに特化した商品力を磨く「原点回帰」を掲げるほか、重点施策としてドリンク・酒類の拡充にも取り組んでいる。なお、店舗が大規模化すると大量仕入れによる直接取引へ移行し、同社を「卒業」していく傾向もあるようで、同社のサービスは中小規模店に最適化された設計となっている。
2027年3月期第1四半期は売上高2,037百万円(前年同期比12.7%増)と2桁増収を確保した一方、営業利益は99百万円(同14.4%減)の減益で着地した。売上高は4月・5月と堅調に推移したものの、6月は季節外れの台風の影響を受けたが、1Qとしては概ね計画通りの着地となったようだ。顧客数は、前年第1四半期の新規顧客獲得の不調を一掃し、順調な出足となっている。利益面については、2025年9月に実施した特典ステージ制の見直しにより、カタログ発刊時に発生していた販促費用を毎月平準化して発生させるスキームに変更したことことから前年を下回るも、こちらも概ね計画通りの着地となる。前期の9月から販促費用が平準化されているため、これまで費用が重かった第2・第4四半期は今期以降負担が軽くなり、下期にかけて増益転換する構図が想定されている。通期計画は、売上高8,500百万円(前期比10.8%増)・営業利益450百万円(前期比10.5%増)と4期連続の過去最高益更新を計画する。
市場環境では、現在の利用店舗1.5万店に対し、居酒屋・カフェ等の対象市場は約13万店存在するとしており、浸透率はなお1割強にすぎない。個人経営の居酒屋という母集団は構造的に縮小傾向の業態であるものの、同社は新規顧客獲得のWEB活用により、メイン業種の居酒屋だけでなく他業種へも見込み客層を広げていく。また、既存顧客へは、未取扱商品による拡販や人材紹介・送客などの新たなサービス展開などにより顧客単価の向上を図っていく。商品関連では、商品開発の原点回帰(人手不足・時短・ロス対策)に加え、在庫を持たない通過方式による生鮮野菜の取り組みや直送方式による産地直送品の拡充を進め、冷凍食材中心の現在の購買に上乗せする。仕入価格の上昇は売価に反映しているが、顧客の価格耐性を考慮し廉価版商品の開発にも着手している。また、ドリンクでは、業務用酒類卸に取り扱いのない商品や海外の酒類などロングテールな商品を中心にラインナップ拡充しつつ、カフェ向けに、主力シロップブランドの商品を中心に品揃えを図る。そのほか、顧客獲得策として中古厨房機器のテンポスホールディングス<2751>等との代理店契約を複数締結しており、提携拡大やM&Aも選択肢とする。2025年9月にはひとまいるが発行済株式の23.67%を取得して資本業務提携を締結し、カクヤス倉庫からの配送など物流網の相互活用、仕入・商品管理での協力、受注システムの共同使用を目指すことで合意している。
株主還元については、配当性向20%を安定的に維持する方針を掲げている。2027年3月期の年間配当は前期比0.6円増配の9.1円を予定。
総じて、同社は大手卸が参入しない個人飲食店セグメントで独自の地位を築き、2桁増収を継続する成長企業である。第1四半期の減益は費用計上時期の平準化による見かけ上のものであり、通期の最高益更新シナリオに変調はない。ROE18%超・4期連続最高益更新見通しに対し、株価はPER(予想)9倍台と伝統的な食品卸並みの評価にとどまっており、今後の評価の見直しに注目しておきたい。
《YS》
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