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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/01/13 10:07,
提供元: フィスコ
IACEトラベル Research Memo(7):さらなるサービス強化でシェア拡大と市場拡大を実現する
*10:07JST IACEトラベル Research Memo(7):さらなるサービス強化でシェア拡大と市場拡大を実現する
■中長期の成長戦略
1. 中長期成長戦略の枠組み
IACEトラベル<343A>の中長期成長戦略「Vision2030」は、「業務効率化」「シェア拡大」「市場拡大」という3つの戦略軸を有機的に組み合わせ、持続的な成長を加速させる構想である。これらは順列的に進むものではなく、業務効率化をベースとして品質と生産性を高め、その成果としてシェアを拡大し、最終的に市場領域を広げるという“循環型の成長モデル”を描いている点に特徴がある。
(1) 業務効率化
業務効率化では、業務プロセスの標準化と自動化を中心に、生産性の最大化を目指す。AIを活用した自動化比率を現行の30%から2030年には60%へと倍増させ、従業員1人当たりの売上総利益を約1.5倍に引き上げる。効率化は単なるコスト削減にとどまらず、手配精度や顧客対応の品質向上を同時に実現する取り組みと位置付けている。オペレーションの合理化と組織対応力の強化によって、より高度で信頼性の高いサービス提供体制を確立する。
(2) シェア拡大戦略
シェア拡大戦略では、BTM市場の中堅・中小企業への浸透と、大手企業(エンタープライズ領域)での取引拡大を並行して推進する。中堅・中小企業への浸透においては、広告・マーケティング投資を強化し、営業人員を現在の18名から2030年までに55名へ増強する。エンタープライズ領域においては、専任営業体制を構築し、取引比率を現行の10%から16%に引き上げる目標を掲げている。これにより、裾野の広い顧客基盤と大型案件の安定収益を両立させる構造を整備する。
(3) 市場拡大戦略
市場拡大戦略では、同社のサービス領域そのものを広げる。レンタカー予約や出張パッケージ機能など新たな取扱商品の開発を進め、出張に関する一連のサービスを自社プラットフォーム上で完結させる構想だ。さらに、海外展開では、取引先企業の現地法人における出張需要を取り込むため、カナダ・メキシコの子会社と連携し、第3国間の出張や海外発着案件にも対応していく。加えて、業務提携やM&Aを通じて、自社サービスと親和性の高い企業を取り込み、顧客接点と商品ラインを面的に拡大する方針である。
このように、同社の中長期戦略は、効率化による品質向上を基盤に、営業力・ブランド力を高めてシェアを拡大し、その成果をもって市場領域を広げていくという、一貫性の高い成長ストーリーを描いている。独立系BTM企業としての機動力と技術力を生かし、2030年に向けてBTM市場全体の構造変革を主導するポジションを確立していくことが期待される。
2. 重要KPI
中長期成長戦略「Vision2030」における重要KPIは、同社が掲げる持続的成長の定量的なマイルストーンとして明確に設定されている。2030年3月期を最終目標年度とし、取扱高500億円、営業利益15億円、アクティブ企業数3,000社の3項目を中核KPIとして定義している。
最も象徴的な目標である取扱高500億円は、現状の26,930百万円(2026年3月期予想)の約2倍規模にあたる。うち約450億円は、既存のBTM事業領域を中心としたオーガニックな成長によって到達可能と見込まれている。この部分は、業務効率化とシェア拡大による既存顧客の深耕と新規顧客の獲得が主なドライバーとなる。残る約50億円は、新たな市場領域の取り込みを通じた追加的成長として位置付けられている。これは、取扱商品の拡充(レンタカーや出張パッケージなど)、取引先企業の海外現地法人の獲得、さらに業務提携やM&Aによる事業範囲の拡張によって実現を図るものである。
営業利益は15億円を目標としており、営業利益率の向上と規模拡大を両立させる計画である。システム投資や自動化によるオペレーション効率の改善が、利益率の安定的上昇に寄与すると見込まれる。特に、「Smart BTM」を中心としたUI/UX改善や機能拡充、業務自動化などへのシステム開発費578百万円、ブランド認知度向上のための広告宣伝費242百万円、セールス強化を目的とした人件費203百万円を主な投資先としており、これらが2030年に向けた成長の推進エンジンとなる。
アクティブ企業数3,000社というKPIは、同社の顧客基盤拡大と市場シェア向上の象徴である。現状から約3倍規模の顧客網を構築する計画であり、BTMサービスの普及と営業体制の拡充によって着実に増加を見込む。特に中堅・中小企業への浸透とエンタープライズ層への進出を両輪とし、幅広い企業層におけるアクティブ利用を促進していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
《KM》
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