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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/09/29 14:07, 提供元: フィスコ

エフ・コード Research Memo(7):2025年12月期もM&Aと既存事業の成長で大幅な増収増益を継続

*14:07JST エフ・コード Research Memo(7):2025年12月期もM&Aと既存事業の成長で大幅な増収増益を継続
■エフ・コード<9211>の今後の見通し

1. 2025年12月期業績見通し
2025年12月期(IFRS)の連結業績は、売上収益10,000百万円(前期比94.9%増)、営業利益2,200百万円(同64.6%増)、税引前利益2,033百万円(同65.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,285百万円(同52.4%増)と大幅な増収増益を見込んでいる。2021年12月の上場後4年間で売上収益は約15倍、営業利益・EBITDAは約14倍の成長だ。また、EPSは104.84円と前期比44.5%増、上場後4年間で約8倍の成長を見込む。中間期の進捗率は売上収益で52.1%、営業利益で53.5%と順調に推移している。また、通期業績予想は2025年2月までに子会社化した2社(ゼロタス、Ciel Zero)の業績は織り込んでいるが、それ以降にM&Aを実行した4社(SmartContact、デイトラ、Real us、ブイスト)の業績は織り込んでいない。そのなかでSmartContactの2025年12月期の売上は約9億円超、営業利益は約1.3億円超を見込んでいるため、業績予想への貢献は大きい。また、デイトラ、Real us、ブイストの3社も年間では合計9.9億円超の売上、3.2億円超の営業利益が想定され、2025年12月期への算入期間やグループイン後の広告投資費用などが不詳であり影響金額は開示されていないが、下期に相応の貢献が見込まれるであろう。このように下期偏重の収益構造であること、中間期の進捗率を勘案すると予想達成の蓋然性は高いと弊社では判断している。

加えて、2024年12月期下期にプロダクト・サービスの開発に向けた事業・人材・AIなどへの成長投資を積極的に行ってきた成果が顕在化してきており、2025年12月期での新規のプロダクトやサービスのリリースが続いている。下期に入ってからは、マイクロウェーブクリエイティブが生成AIを活用した新しい検索体験に対応するLLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル最適化)対策支援サービス「LLMOde(エルモード)」をリリースした。AIに「このWebサイトの情報が一番確かでユーザーの役に立つ」と認識してもらうための総合的なWebサイト最適化を戦略策定から実行まで一貫して支援するサービスだ。AIに評価されやすいWebサイトの設計と継続的な改善を通じて、企業の認知度向上、信頼性の強化、新たな顧客接点の創出を強力に後押しする。マイクロウェーブクリエイティブは、新たにWebサイト集客特化型「多店舗支援サービス」もリリースした。来店・EC・アプリなど複数の顧客接点をWebサイト上でシームレスに統合するほか、多言語対応によりインバウンドを含むグローバルな集客体制を構築する。そのほか、Google Map連携とタグによる絞り込みに対応した「体験型」店舗検索などの機能を備えている。同社のWeb接客ツール「CODE Marketing Cloud」「KaiU」のポップアップやバナーに動画コンテンツを表示できる「動画ストリーミング機能」も新機能としてリリースしている。

営業面では同社に専任の統合営業チームが設置され、グループ各社のクロスセル、統合営業を活発に推進している。また、スクール事業において、新たにデイトラ、Real us、ブイストの3社が参画しグループシナジーが拡大したこともあって、グルーブ累計で約5万人の受講者実績となっている。スクール事業はグループ6社がそれぞれ展開しているが、講座コンテンツの連携、マーケティング施策の共有、受講完了後の仕事共有・紹介などシナジーによるバリューアップを図ることのできる余地が依然大きい。SNSスクールを展開しているSAKIYOMIとBUZZは、グループイン後に受講者が175%増加した。エンジニアリング向けITスクールを展開するCiel Zeroは、BUZZとの協業により「CZ×BZエンジニアスクール」にリニューアルした(前述)。汎用デジタルスキルのスクールを展開するデイトラ、Real us、ブイストは直近でグループインしているが、デイトラではデジタルマーケティング事業を展開するCRAFTの辻井良太社長が執筆し業界の教科書となっている「ネット広告運用“打ち手”大全」を基にしたデジタルマーケター育成講座のリリースを決定するなど、今後のシナジーによる成長が期待される。スクール事業においては、スクール卒業生がグループ内で活躍したり、クライアントの支援に従事するなど、グループ内で不足するIT/デジタル人材を育成・確保するエコシステムとしても機能している。このIT/デジタル人材の不足は、日本社会としてより深刻化する課題であり、この課題解決に向けて同社ではスクール事業によるデジタル人材育成とAIツールの開発、AI機能を搭載したシステム開発事業によるAIの大衆化支援という2軸で既存事業を加速させているが、今後M&Aにおいても戦略的事業領域の1つとして注力する方針だ。

2. 事業領域別の業績見通し
事業領域別の売上収益については、Marketing領域が前期比39.2%増の5,502百万円、AI・Technology領域が同281.3%増の4,497百万円とAI・Technology領域の成長が大きい。もともと前期のAI・Technology領域の売上収益はMarketing領域の3割程度の1,179百万円とスタート台が低く、これに売上規模が年間で20億円以上と予想されるCiel Zeroが加わるとともに、AI・Technology領域の高いオーガニックな成長を見込んでいる。事業利益(売上収益から各事業領域の原価及び販管費を控除した利益)については、Marketing領域が同54.5%増の2,041百万円、AI・Technology領域が同72.1%増の722百万円を見込む。Marketing領域に比べるとAI・Technology領域の利益規模はまだ小さいが、高い成長率を見込む。一方、事業利益率ではMarketing領域が37.1%と前期を3.7ポイント上回るが、AI・Technology領域は16.1%と前期を19.4ポイント下回る。これは、AI・Technology領域にグループインしたCiel Zeroは売上規模が大きいものの、約650名のエンジニアを抱えてエンジニア常駐型の支援を行っているため、営業利益率が他のグループ会社に比べて低く(2025年12月期中間期で6.5%)、全体の利益率を押し下げる予想となっていることが背景にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)


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