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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/08/01 12:05,
提供元: フィスコ
ジェイ・エス・ビー Research Memo(5):業務改革と組織改革による「両利きの経営」で目標達成目指す(1)
*12:05JST ジェイ・エス・ビー Research Memo(5):業務改革と組織改革による「両利きの経営」で目標達成目指す(1)
■ジェイ・エス・ビー<3480>の中長期の成長戦略
1. 中期経営計画の概要
同社では、2030年長期ビジョン「Grow Together 2030」において、2030年の「ありたい姿」として、「アビリティ(総合的人間力)」の芽を育て社会課題の解決に貢献すること、人間性とテクノロジーの融合による同社だけの価値を創出すること、「UniLife」をグローバル・トップブランドにすることを掲げており、2030年に向けてさらなる事業領域の拡大を目指している。
この長期ビジョン達成に向けた第2ステージとなる中期経営計画「GT02」(2024年10月期〜2026年10月期の3年間)では、2030年の「ありたい姿」を達成するための基礎基盤の構築を目指す。ただ、同社を取り巻く環境は、長期ビジョン策定時の想定以上に変化している。特に災害が激甚化し気候変動に対する社会的責任が高まっていることに加え、人材を資本として考えることが世界標準となってきており、これら2つの要素を開示するサステナビリティ開示フレームワークの整備が急ピッチで進んでいる。社会から選ばれる会社になるために、これらの環境変化に適応することが重要である。同社は、過去にとらわれることなく「両利きの経営」(新しい領域に挑戦する「探索」と既存事業の成長を図る「深化」のバランスの取れた経営)を実現するための組織への変革が必要と考えている。
新たに就任した森社長は、社員向けに4つの方針を示した。それは、1) 人的資本への取り組み(人手不足に対応した従業員向け施策の実施)、2) コーポレート・ガバナンスの再構築と強化、3) 既存事業の拡大(国内学生向けマンションに加え、留学生もターゲットにする)、4) 学生支援サービスと海外事業の展開、である。将来的には少子化に伴う国内大学生人口の減少が予想され、学生マンション事業への影響が懸念されるが、同社グループでは留学生向けマンションの増加、国内市場シェアの拡大、さらには海外での事業展開によって、さらなる成長を目指す。これらの方針を推進することで、長期ビジョンを達成する考えである。
推進中の中期経営計画「GT02」では、以下で詳述する施策と事業戦略により、物件管理戸数104,000戸、投資総額約300億円などを達成することで、最終年度の2026年10月期に売上高78,813百万円、営業利益8,727百万円、経常利益8,518百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,684百万円を目指す。また、資本効率ではROE15%以上など、財務安全性では自己資本比率40%以上などの実現を計画する。併せて、女性管理職割合を2023年10月期の9.2%から15.0%へ、男性育児休暇取得率を25%から50%へ引き上げる。
業績目標については、売上高では年平均成長率7.3%、営業利益では同6.7%と右肩上がりの成長を目指すが、前中期経営計画「GT01」の実績が売上高では同9.9%、営業利益では同18.3%であったことに比べると控えめな目標である。これは「GT02」は次の中期経営計画「GT03」への準備期間として、競争優位性の構築のためにDXを推進する一方、社員の成長を促すために人的投資を行うことなどを想定して、販管費を厚めに計画しているためである。「GT02」では選択と集中を進めたうえで、続く「GT03」で大きく飛躍するための準備を進める考えだ。
中期経営計画「GT02」の初年度である2024年10月期決算は、当初計画を超過達成し、順調な立ち上がりとなった。計画2年目の2025年10月期についても、売上高及び利益を上方修正しており、最終年度の目標達成に向けて順調に推移している。
2. 施策の進捗
中期経営計画を達成するための施策として、「業務改革」「人的資本」「知的資本」「気候変動」「事業ポートフォリオ」の5項目を掲げている。各施策について、5段階の進捗評価(S:予定を上回る大変順調な進捗、A:予定を上回る順調な進捗、B:予定どおりの進捗、C:予定より若干遅れ気味、D:予定より大きく遅れ気味)で評価する。2025年10月期中間期の進捗評価では、「人的資本」「気候変動」「事業ポートフォリオ」の3項目は、想定より順調に進んだことからA評価とし、そのほかの2項目については予定どおりの進捗であるB評価に留めているが、総じて順調に進んでいる。
特に「人的資本」では、新社長の就任に伴い、“従業員は資産である”との考えに基づいて、人手不足のなかでの柔軟な労働環境づくりの一環として、公休数を2026年10月期より従来の110日から120日に増加する計画だ。また、従業員の士気向上を目的として、2025年10月期中間期には一時金の支給を実施している。加えて、社内エントリー制度の導入として従業員が属する部署外に異動希望のエントリーができる制度、社内研修の実施として各本部の課題に対する解決策を模索するワークショップ型の研修、柔軟な労働環境づくりとして育児と仕事の両立支援、ダイバーシティの推進として女性管理職比率の増加や男性社員の育児休暇取得率の増加、そのほかの取り組みとしてライフプラン支援制度などにも意欲的に取り組んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
《HN》
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