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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/07/14 12:01, 提供元: フィスコ

ソフト99 Research Memo(1):ファインケミカル事業とポーラスマテリアル事業を両輪に成長目指す

*12:01JST ソフト99 Research Memo(1):ファインケミカル事業とポーラスマテリアル事業を両輪に成長目指す
■要約

ソフト99コーポレーション<4464>は、カーワックスや洗浄剤、補修材などのカー用品の大手である。子会社で展開するポーラスマテリアル事業は半導体製造用の精密洗浄材で高シェアを持ち、医療分野への展開も推進している。そのほか、子会社で自動車整備・鈑金事業、自動車教習事業、SI事業(旧 温泉事業)なども展開している。既存の主力製品において高い市場シェアと収益力を持ち、強固な財務基盤を構築していることが強みとなっている。

1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比0.4%減の29,742百万円、営業利益で同12.7%増の4,033百万円となった。売上高はファインケミカル事業の海外向け他社製品の仲介取引から撤退したことやSI事業で1店舗を閉店した影響で若干の減収となったものの、生成AI市場の急成長を背景に、付加価値の高い先端半導体製造ライン向け精密洗浄材やHDD向け研磨剤などを中心にポーラスマテリアル事業の売上高が拡大したほか、一過性の原価低減効果※(約1.8億円)も加わったことで、営業利益は3期ぶりに過去最高を更新した。

※ 外注費の一時的な減少。

2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.9%増の30,300百万円、営業利益で同10.0%減の3,630百万円を見込んでいる。売上高は主力のファインケミカル事業が同3.3%増、ポーラスマテリアル事業が同0.8%増と堅調推移を見込むものの、利益面では、前期の一過性原価低減効果がなくなることや、2024年12月より稼働開始した新基幹システムの減価償却費や運用費等の増加(約2億円)、カー用品の広告宣伝費用の増加(1億円強)などが減益要因となる。SI事業で閉店した尼崎店跡地にはIR・インバウンド需要をターゲットとした飲食店モールを建設中で第3四半期にオープン予定だが、業績計画には織り込んでいない(店舗及び賃貸収入)。半導体向け精密洗浄材は高水準の引き合いが続いており、前期からは中国向けも代理店経由での販売が伸びるなどシェアが拡大傾向になっていると見られ、今後の半導体市場の動向次第では上振れする可能性も十分にあると弊社では見ている。

3. 中期経営計画の進捗と今後の見通し
2024年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、2026年3月期の業績目標として、売上高31,700百万円、営業利益3,780百万円を掲げていた。当初目標に対して売上高、営業利益ともに今回引き下げた格好だ。ポーラスマテリアル事業は生成AI市場の拡大による先端半導体向けが伸長し、営業利益が当初目標を大きく上回る見通しとなったが、ファインケミカル事業が海外向け他社製品仲介取引の撤退や家庭用製品の販売苦戦、一般消費者向けカー用品の販売強化に向けた広告宣伝費用の積み増し等で売上高、営業利益とも当初目標を下回る見込みとなったことが要因だ。ただ、重点施策の1つとして掲げていた「海外展開強化」については、ポーラスマテリアル事業だけでなく一般消費者向けカー用品についても自社製品で2025年3月期は約14億円と規模はまだ小さいものの、欧州、南米向けを中心に本格的に伸び始めるなど、今後の成長が期待できる状況となっている。2027年3月期以降、ファインケミカル事業では海外向けカー用品のほか、家庭やスポーツ市場での需要開拓を進め、またポーラスマテリアル事業では引き続き半導体向け精密洗浄材を成長ドライバーとして着実な成長が期待される。

4. 株主還元策
株主還元については、連結営業利益の25%を目安に累進的配当を実施することを基本方針とし、2025年3月期は1株当たり配当金が前期比2.0円増配の43.0円(還元率29.2%)と10期連続の増配を実施した。2026年3月期も同4.0円増配の47.0円(同33.4%)を予定している。また、資本効率改善施策の1つとして2026年3月期までの3年間で合計700百万円程度の自己株式取得を行うことを発表しており、2023年5月から2025年4月までで、572百万円の自己株式取得を実施している。同社の1株当たり純資産は2025年3月期末で2,630.29円、PBRが約0.6倍と純資産価値を割れた状況が続いており、企業価値向上に向けた取り組みの1つとなる。

■Key Points
・2025年3月期はポーラスマテリアル事業がけん引し、3期ぶりに最高益を更新
・2026年3月期は先行投資や一過性の原価低減効果はく落で減益見込みだが保守的な印象
・海外向けカー用品と半導体製造ライン用産業資材の今後の成長に期待
・2026年3月期は11期連続の増配を予定、自己株式取得枠も残す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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