トップ ・ かごを見る ・
ご注文状況
・ このページのPC版
フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/01/15 16:11,
提供元: フィスコ
品川リフラ Research Memo(1):国内外の耐火物販売数量減で苦戦も成長投資加速
*16:11JST 品川リフラ Research Memo(1):国内外の耐火物販売数量減で苦戦も成長投資加速
■要約
品川リフラクトリーズ<5351>は、世界で五指に入る工業用耐火物メーカーであり、同社を含む国内8社、海外17社を擁してグループ経営を推進している(2024年9月末現在)。海外売上高比率は2024年3月期に約3割に達し、海外売上高は2021年3月期の2.7倍に成長。2025年3月期は、事業成長と社会課題解決を表裏一体として追求することを基本方針とした同社グループの長期目標となるビジョン2030を策定し、ROIC経営と積極的な成長投資を進める第6次中期経営計画(2024〜2026年度)をスタートしている。
1. 2025年3月期第2四半期の業績概要
2025年3月期第2四半期の連結業績は、国内粗鋼生産量の減少、オーストラリアにおける顧客の操業トラブル発生、ブラジルでの安価な中国製鋼材の流入に伴う顧客の活動水準の低下に起因する耐火物販売数量の減少により減収、減益となった。売上高は前年同期比6.2%減の68,230百万円、EBITDAは同7.0%減の8,191百万円、営業利益は同9.0%減の6,336百万円、経常利益は同12.6%減の6,663百万円である。売上高の7割弱を占める耐火物セクターが前年同期を9.8%下回り、営業利益も耐火物セクターが同16.1%減と全体の利益を押し下げた。親会社株主に帰属する中間純利益は同47.5%減の4,910百万円となったが、これは前年同期に遊休資産の売却益(6,495百万円)を特別利益に計上したのに対して、2025年3月期第2四半期は760百万円の計上と大きな固定資産売却益がなかったことに起因する。なお、2025年3月期より、従来「セラミックス」としていた報告セグメントを組織改編に伴い「先端機材」に改めた他、主に定率法を採用していた有形固定資産の減価償却方法を全て定額法に変更した。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、期初計画に対してオーストラリアでの顧客の操業トラブル、ブラジルでの顧客の活動水準低下により耐火物販売数量が減少したことで、売上高は前期比1.5%減の142,000百万円を見込み、期初計画を1,000百万円下方修正した。また、海外グループ会社SRA(オーストラリア)、SRB(ブラジル)の減収に伴う減益に加え、2024年10月に買収により100%子会社化したオランダのGouda Refractories Group B.V(以下「Gouda(ゴーダ)」)のM&A費用7億円、のれん償却費用5億円などのM&Aに伴う関連費用増などにより、EBITDAは同3.9%減の17,000百万円、営業利益は同10.0%減の12,500百万円、経常利益は同12.8%減の13,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同41.1%減の9,000百万円を見込む。期初計画に対して、EBITDAは1,500百万円、営業利益及び経常利益はそれぞれ2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,000百万円を下方修正するが、主に一過性の要因およびM&Aに伴うのれんの償却等の評価性に属する要因によるものであることから、年間90円の配当予想は維持するとしている。
3. 「ビジョン2030」と第6次中期経営計画の進捗
2024年5月に公表した長期ビジョン「ビジョン2030」において、事業成長における財務目標と社会課題解決におけるサステナビリティ目標を設定した。2025年3月期から7ヶ年累計で1,280億円の積極的な設備投資・事業投資を実施していくことで、2031年3月期に売上高2,400億円、海外売上高比率50%などを達成する。資金は、事業成長により7ヶ年累計で1,500億円のキャッシュ・フローを創出するほか、440億円を外部調達するが、有利子負債/EBITDA倍率は1.9倍と健全性は維持する計画である。この資金は、株主還元や業容拡大に伴う増加運転資金にも充当する。また、2023年3月期のCO2排出量138千tを50%削減、グリーン原料※使用比率の20%への引き上げ、経営戦略に即した人材・組織開発などの人的資本戦略をサステナビリティ目標として掲げる。さらに同社は2025年に創業150年を迎えるが、持続的な成長を成し遂げていく為の指針となる「企業理念」を「パーパス」、「ビジョン」、「バリュー」の3層構造として再構築する予定。その先の未来に向けた第一歩として位置付けている第6次中期経営計画(2024〜2026年度)では、2027年3月期の売上高1,800億円、ROS(営業利益ベース)11%、ROIC10%、海外売上高比率45%を目標とする。ROICを重要な評価指標としたグループ経営により、経営資源の配分見直し、資本コストを重視した3ヶ年累計410億円の積極的な設備投資・事業投資を進める。セクター戦略の深化、生産基盤の整備、グローバル展開の加速、サステナビリティ経営の推進を4つの重点方針とし事業活動に取り組んでいる。耐火物セクターにおいては、2024年10月に定形耐火物及び不定形耐火物の事業拠点を欧州に有するGoudaのM&Aに237億円を投資し、グローバル展開の加速に弾みをつけた。Goudaは、非鉄金属業界及び石油化学・エネルギー業界向けを中心に事業を展開しており、販売は欧州のみならず中東・アフリカ・東南アジアなどに幅広いネットワークを有している。そのため、同社とは生産面、販売面において大きなシナジー効果の発現が見込まれる。また、先端機材セクターにおいては、本中期経営計画期間の主要ターゲットである半導体製造装置分野だけでなく第7次中期経営計画期間の主要ターゲットとした航空宇宙・エネルギー関連ほかの新成長分野も視野に入れた総額約30億円の投資を本中期経営計画期間に進めていく計画を公表した。
※ グリーン原料:使用後耐火物リサイクル原料、社内発生リサイクル原料、他産業の副産物などの合計。
■Key Points
・2025年3月期第2四半期は国内外の耐火物販売数量の減少により減収、減益
・第6次中期経営計画(2024〜2026年度)ではROIC経営により積極的な成長投資を進める
・2024年10月にはオランダGouda社を237億円で買収し、グローバル事業展開を加速させる
・2025年3月期の利益計画を下方修正するが、年間90円配当予想を維持する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
《HN》
記事一覧
2025/05/20 14:05:明豊エンター Research Memo(5):2025年7月期中間期は主力の不動産分譲事業が順調に進捗(1)
2025/05/20 14:04:明豊エンター Research Memo(4):城南・城西地区を中心に海外投資家のニーズに合わせた安定供給が可能
2025/05/20 14:03:明豊エンター Research Memo(3):「EL FARO」などの開発から売却まで行う不動産分譲事業が主軸
2025/05/20 14:02:明豊エンター Research Memo(2):投資用賃貸不動産の開発・販売を中核とする総合不動産デベロッパー
2025/05/20 14:01:ファンペップ---アレルギーワクチンの物質特許が日本で成立
2025/05/20 14:01:明豊エンター Research Memo(1):2025年7月期中間期は通期予想達成に向け不動産分譲事業が順調に進捗
2025/05/20 13:59:プロディライト---2025年4月度の主要KPI
2025/05/20 13:57:三機サービス---株主優待制度(新制度)の継続保有年数
2025/05/20 13:55:三機サービス---上場10周年記念配当の実施に伴い配当予想を修正
2025/05/20 13:53:日経平均は93円高、日米財務相会談控え積極的な買いは見送りムード
2025/05/20 12:42:株式会社ストレージ王×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(12)
2025/05/20 13:46:米国株見通し:下げ渋りか、ホーム・デポの決算を注視
2025/05/20 13:43:メドピア---大幅続伸、牧氏の大量保有を受けてTOB価格上回る株価推移に
2025/05/20 13:09:TKP Research Memo(9):配当については見送る一方、資本効率性の向上を目的とする自己株式取得を実施
2025/05/20 13:08:TKP Research Memo(8):貸会議室事業と宿泊事業を2本柱として、本格的に成長軌道に回帰させていく計画
2025/05/20 13:07:TKP Research Memo(7):2026年2月期も増収増益基調が継続。グループシナジーの実現にも取り組む
2025/05/20 13:29:東京為替:ドル・円は小動き、様子見ムードで
2025/05/20 13:29:ハウテレビジョン---上昇、自己株式の消却を好感
2025/05/20 13:13:東京為替:ドル・円は安値圏、日本株は上げ幅縮小
2025/05/20 13:06:TKP Research Memo(6):相次ぐM&Aや業務提携等により新たな事業領域の創出に向けた体制を整備