携帯版 |
![]() |
![]() |
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/10/02 16:01, 提供元: フィスコ unerry Research Memo(1):2025年6月期は大幅増益、リカーリング売上高の高成長が続く*16:01JST unerry Research Memo(1):2025年6月期は大幅増益、リカーリング売上高の高成長が続く■要約 unerry<5034>は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、実社会のデータをAIで分析し、リアル空間を見える化することによって生活のUX※向上に貢献している。生活者行動データプラットフォーム「Beacon Bank(R)」(以下、「Beacon Bank」)を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。 ※ UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザーがプロダクトやサービスを通して得られた体験)。 1. 2025年6月期の業績概要 2025年6月期の業績は、売上高3,726百万円(前期比31.4%増)、営業利益311百万円(同74.2%増)、経常利益315百万円(同133.4%増)、当期純利益331百万円(同386.1%増)と増収増益で、ROEは前期末比13ポイント上昇の18%となった。通期業績予想比は、売上高がほぼ予想どおり、利益が大幅な増益となった。売上面ではリカーリング顧客数※1が140社に拡大、NRR※2は116%、リカーリング年間顧客単価も前期並みの23百万円を維持と堅調だった。事業別状況は、小売・外食産業向けのリテールDX事業では売上高が前期比33%増の2,690百万円となった。リカーリング顧客基盤が着実に成長したほか、上位顧客に対するクロスセルの成功により安定成長を遂げた。消費財メーカー向けのリテールメディア事業では売上高が同59%増の450百万円となった。連携する小売情報や配信ID数が増加し、顧客企業の商品力が強化されたほか、三菱食品からの売上高が好調だった。スマートシティ事業では自治体や公共交通事業者との連携を30都道府県に拡大し、売上高が同3%増の533百万円となった。専門人材の採用を進めるなど来期に向けた体制強化も実施しており、再成長を目指す。小売・外食・スポーツ向けのグローバル事業では、売上高が同630%増の53百万円となった。売上高拡大施策としてサービスをインバウンド、海外出店支援、日本出店支援、海外企業支援に4区分して拡張したことで業績に弾みが付いた。売上高は過去最高となり、営業利益率は8.4%で、営業利益も最高益を更新した。 ※1 4四半期以上連続で取引のある顧客企業、および直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業。2024年6月期より、代理店経由のサービスユーザーがリカーリング顧客条件に該当する場合も含む。 ※2 前年度以前に獲得したリカーリング顧客の当期売上高÷当該顧客の前期売上高。 2. 2026年6月期の業績見通し 2026年6月期の業績は、売上高5,002百万円(前期比34.3%増)、営業利益500百万円(同60.4%増)、経常利益502百万円(同59.6%増)、当期純利益400百万円(同20.5%増)を見込む。売上面では、前期に新規獲得した130社への提案活動を強化してリカーリング顧客化を図るとともに、既存のリカーリング顧客へのクロスセルをさらに推進し、業績見通しの達成を目指す。リカーリング顧客数は前期比44社増の184社を目標とし、特にスケールしやすい行動変容サービスと分析・可視化サービスを中心にクロスセルを推進する。事業別では引き続きリテールDX事業やリテールメディア事業の売上高けん引が予想されるほか、スマートシティ事業の体制整備に伴う成長や、成長過程のグローバル事業にも注視したい。利益面では、売上高の伸長に伴い、固定費的性格を持つ間接原価(システムインフラ費用や人件費等)の売上高比率が低下するため、さらなる営業利益率の向上が期待される。営業利益率としては10.0%(同1.6ポイント増)を見込む。人材投資を引き続き積極的に行う一方、業務の効率化を引き続き進める方針で、売上原価率、販管費率とも前期水準から1ポイントの改善を見込む。当期純利益は、営業利益とともに最高益を更新し、ROE19%の達成を目指す。 3. 中期成長戦略の進捗状況 2023年9月に中期成長戦略として掲げた目標、2028年6月期売上高100億円、2023年6月期から2028年6月期までの年平均成長率36%に関し、2024年6月期は前期比36.5%増の2,834百万円、2025年6月期は同31.4%増の3,726百万円と着実に進捗している。売上高100億円達成に向けて、データプラットフォームのデータの幅・量をグローバル水準まで引き上げることにより分析精度と適用サービスを拡大する。求められる経営目標として「潜在成長率の向上」「新規顧客獲得」「リカーリング顧客化・単価向上」「組織の急成長」の4点を掲げ、各目標に1つずつ、合計4つの具体戦略「1. Data Scaling Law戦略」「2. 重点パートナー戦略」「3. フライホイールプロダクト戦略」「4. 人的資本戦略」を策定し、経営目標の達成に向け推進している。 ■Key Points ・2025年6月期は増収増益、各段階利益は大幅増 ・2026年6月期は売上高・利益ともに引き続き高成長を見込む ・ユーザーID数が8.5億に増加、アクティブユーザー数でグローバルTOP10 ・中期成長戦略達成に不可欠な4つの戦略を策定し推進中 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) 《KM》 記事一覧 |