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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/07/28 12:05, 提供元: フィスコ ファブリカ Research Memo(5):2025年3月期は一過性要因が重なり利益項目は苦戦(1)*12:05JST ファブリカ Research Memo(5):2025年3月期は一過性要因が重なり利益項目は苦戦(1)■ファブリカホールディングス<4193>の業績動向 1. 2025年3月期の業績概要 2025年3月期の業績は、売上高9,206百万円(前期比12.8%増)、営業利益1,106百万円(同3.3%増)、経常利益1,116百万円(同2.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益331百万円(同50.8%減)となった。売上高は全セグメントで増収を示し、2ケタ成長に回帰する堅調な伸びを示した。前期と同様に投資フェーズと同社は位置付けているなか、オートサービスグループにおいて貸倒引当金を計上したことが影響し、営業利益は小幅な増益に留まった。当期純利益は投資有価証券評価損360百万円、減損損失58百万円などの特別損失の計上で減益となった。投資有価証券評価損は、資本業務提携先の不動産業界向けITサービス企業iimon株式の時価評価に伴い発生した。減損損失は子会社のSparkle AIが資産計上したソフトウェアの減損による。また、会社計画の売上高8,700百万円、営業利益1,100百万円、経常利益1,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円に対しては、売上高、営業利益、経常利益の指標で計画を上振れた。純利益は、一過性の減損損失の計上で、計画は未達となったが、一過性要因を除くと749百万円と上振れて着地した格好である。 (1) SMSソリューショングループ SMSソリューショングループは、売上高が前期比15.7%増の5,569百万円、営業利益が同16.5%増の1,549百万円と売上高、営業利益ともに2ケタ成長を示す好調な業績となった。「メディアSMS」の契約社数は、2025年3月期末時点で6,326社となった。前期末と比べて974社、第3四半期末からは255社増加しており、新規顧客の獲得も順調に推移した。国内法人向けSMS配信数シェア1位を維持していることに加え、顧客サポート部門の人員を拡充し、顧客サポートに力を入れていることが、新規顧客の獲得につながっているとみられる。営業利益は、単価の影響を大きく受けるが、顧客の裾野の広がりを受け、単価が堅調だったほか、オプションサービスやIVRサービスなど付帯サービスが堅調だったことで増益を示した。 (2) U-CARソリューショングループ U-CARソリューショングループは、売上高が前期比5.0%増の1,422百万円、営業利益が同23.0%減の271百万円となった。売上高は、契約社数の増加により、過去最高を更新した。営業利益は、2026年3月期にリリース予定の自動車整備業務支援システム開発などの成長投資の影響で減益となった。「symphony」の契約社数は、2025年3月期末時点で4,377社。前期末に比べ341社、第3四半期末からは52社増加しており、堅調に推移した。レベニューチャーンレートは引き続き、1%未満と低水準で推移しており大きな懸念はないと見られる。 (3) インターネットサービスグループ インターネットサービスグループは、売上高が前期比16.9%増の372百万円、営業利益が82百万円(前期は20百万円の損失)となった。売上高は前期と同様に2ケタ成長を継続して着地した。これまでは投資が先行し営業損失体質であったが、メディア領域の利益率改善施策が奏功したほか、EC特化型CRMプラットフォーム「アクションリンク」も順調に成長し、営業黒字に転換した。 (4) オートサービスグループ オートサービスグループは、売上高が前期比9.8%増の1,837百万円、営業利益が同78.5%減の18百万円となった。中古車販売やレンタカーの好調を受け、売上高は堅調に推移したものの、取引先の業績不振に伴う貸倒引当金の計上により営業利益は大幅減益となった。貸倒引当金の計上がなければ営業利益は96百万円と、増益となっていたことになるため、本業は堅調だったことは確認できた形である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠) 《HN》 記事一覧 |