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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/12/18 11:07, 提供元: フィスコ

ネオマーケ Research Memo(7):人材・顧客・サービスによる三位一体での成長戦略を継続

*11:07JST ネオマーケ Research Memo(7):人材・顧客・サービスによる三位一体での成長戦略を継続
■中長期の成長戦略

1. 中期経営計画
ネオマーケティング<4196>は、2024年11月に修正した中期経営計画において、2026年9月期に売上高3,100百万円、営業利益250百万円を最終年度の数値目標として掲げていた。しかし、成長戦略の中核となるマーケティングコンサルタントの採用・育成の遅れの影響により、これらの数値目標は2026年9月期の通期業績予想である売上高2,800百万円、営業利益100百万円に置き換えられることとなった。同社の中期経営計画は、将来の収益拡大に向けた体制構築を2026年3月期において継続する内容へとアップデートされたが、成長戦略の基軸そのものは維持されている。

2. 成長戦略
同社の成長戦略は、中期経営計画で示された(1)マーケティングコンサルタントの採用と戦力化、(2)顧客数拡大とエリア拡大、(3)サービスメニューの強化・拡充による顧客単価増大という3本柱を基軸としている

(1) マーケティングコンサルタントの採用と戦力化
マーケティングコンサルタントの採用と戦力化は、同社の事業構造において最も重要な投資領域である。2025年9月期末のマーケティングコンサルタント人員は58名となり前期比6名増となったが、修正計画での2025年9月期の目標値である70名には届かなかった。この計画比での遅れを踏まえ、2026年9月期の目標は86名から74名へと修正されている。即戦力を求める中途採用では苦戦しているものの、新卒採用は順調に進んでおり、2025年4月入社の新卒社員7名が教育期間を経て10月にマーケティングコンサルタントとして配属された。加えて、2026年4月には9名の新卒社員が入社予定である。また、教育委員会の設置により、過去の育成データを踏まえた体系的な研修が強化されており、立ち上がりスピードの向上が確認されている。同社がマーケティングコンサルタントを「入社後3年程度で一人前になる」と位置付ける点を踏まえれば、この育成投資は2027年3月期以降の中長期的な事業成長に直結するだろう。

(2) 顧客数拡大とエリア拡大
顧客数の拡大と対応エリアの強化については、2025年9月期における顧客数が前期比72社増の792社となった。修正計画での2025年9月期の目標値である830社は未達という結果であり、2026年9月期の目標は980社から900社へと修正されている。もっとも、792社という顧客数は同社の過去最高の数値であり、2026年9月期も大阪・仙台拠点を中心とした地方エリアの伸長に加え、名証メイン市場への上場により基盤が強化された東海地域での成長が期待される。引き続き、大都市圏以外の企業との接点増加をねらい、エリア横断型の営業体制を構築している点は、同社の潜在市場拡大につながる重要な施策と評価できる。

(3) サービスメニューの強化・拡充による顧客単価増大
サービスメニューの拡充と顧客単価の増大は着実に進展しており、顧客単価は2025年9月期に2,806千円と前期比24千円増加したが、修正計画での2025年9月期の目標値である2,900千円には届かなかった。しかしながら、2026年9月期の目標値は、修正計画の目標値である2,950千円から3,000千円に増額修正されている。これは、2026年9月期においてデジタルマーケティング・PRへ注力し、同サービスの売上高を417百万円から804百万円へとほぼ倍増させる計画による。デジタルマーケティング・PRは、専門チーム新設による売上増は直接単価の底上げにつながる見込みである。さらに、リサーチDEMO!の新料金プラン導入や海外調査体制の強化、インフルエンサーマーケティング支援サービスLooplyの開始など、新サービスも相次いで投入されている。これら複数サービスの併用による付加価値向上の仕組みも継続して強化する計画であり、顧客単価の増大に貢献するであろう。

同社の計画は、2026年9月期を引き続き人材・体制整備に注力する先行投資期として再設定し、その成果を2027年9月期以降の営業利益率改善と収益拡大フェーズにつなげるというものである。同社が掲げる「生活者起点のマーケティング」を一気通貫で提供する強み、インバウンドリードの増加による効率的な案件獲得、蓄積されたナレッジデータベースなどの競争優位性は、マーケティングコンサルタントの増強とサービス多角化によりさらに強化される余地が大きい。こうした取り組みは、中長期的に10%以上の営業利益率を達成する体制を整備し、企業価値向上の実現に向けた確かな基盤へとつながるだろう。



■株主還元策

株主優待制度の見直しと自己株式取得を実施

同社は、中長期的な視点から株主価値の向上を目指しており、利益の再投資を通じた株主価値の向上を図るとともに、事業環境や業績、財務状況などを総合的に勘案したうえで、株主への利益還元を行うとしている。同社は、2024年9月期に株主優待制度を株主還元の一環として導入したが、2025年7月に同制度の内容を見直し、優待対象を「100株以上」から「500株以上」に引き上げ、優待内容を従来のQUOカードからデジタルギフトへと変更した。この背景には、優待品の利便性向上や郵送物削減による環境配慮といった意図があると思われる。さらに2025年5月から8月にかけて自己株式取得も実施しており、同社の株主価値向上への積極的な姿勢がうかがえる。一方、成長過程にある同社においては、将来への事業投資が株主価値の向上により資するとの考えにより、現時点において配当は実施していない。配当実施を含めた今後の株主還元施策については、業績計画の進捗を考慮しつつ検討していく方針としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)


《HN》

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