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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/06/24 14:04, 提供元: フィスコ

リアルゲイト Research Memo(4):渋谷区等の小規模再生オフィスに特化して高稼働率を実現(2)

*14:04JST リアルゲイト Research Memo(4):渋谷区等の小規模再生オフィスに特化して高稼働率を実現(2)
■リアルゲイト<5532>の事業概要

4. 対象エリア:渋谷エリアを中心とした都心部にドミナント展開
同社のドミナント展開は、渋谷区、港区、目黒区に集中している。獲得済みプロジェクト73件中、渋谷区が31件(42%)、港区が17件(23%)、目黒区が15件(21%)であり、上記3区で86%を占める。さらに、エリア別では池尻大橋駅から中目黒駅までのエリア、原宿から千駄ヶ谷周辺のエリアなどに集中している。また、賃料相場の見極めが容易な点もドミナント展開の利点である。近隣の既存プロジェクトのリーシングや運営の実績は大きな参考になる。ドミナント展開においては、収益性の高い物件獲得を目指し、確実にマーケットを捉えたエリアを中心に展開を強化している。渋谷駅に近い中心部では、100年に一度といわれる再開発が行われ大規模オフィスビルの建築が進行しており、中心部のオフィス(シェアオフィスも含む)の賃料は高止まりしている。一方で、同社の手掛ける再生ビルは、池尻大橋や千駄ヶ谷など中心部からは少し距離がある立地であり、中価格帯であることから差別化が図れている。

5. 業務プロセス:企画・設計から運営まで一気通貫で内製化
同社では、物件ごとにプロジェクトが組成され、プロジェクトリーダーの下に、企画営業(宅建士)、一級建築士、1級建築施工管理士、デザイナー、営業事務などのメンバーが協力して業務にあたる。プロジェクトでは、企画・デザイン、設計・建設、リーシング、運営を一気通貫で行う。特に、同社では「運営」業務を重視している。入退去理由やクレーム内容等入居者の意見を分析することが良い企画の源泉となるため、早期リースアップと高単価の実現にも寄与している。優秀な人材の確保・定着のため継続的なベースアップを行っている。

6. 収益構造:先行投資・費用をリーシング稼働率の向上により回収していく
主体となるビジネスモデルであるMLでは、契約当初からビルオーナーへの賃料の支払いが発生するものの、入居企業が決まるまでには時間がかかるため空室時の損失が発生する。典型例(渋谷区延床面積400坪の築古ビル、以下同様)では、竣工から6ヶ月で損益分岐点に達し8ヶ月でリースアップする。リースアップ後は毎月の粗利は250万円(エンド賃料の25%)が得られる。初期(6ヶ月)の損失は先行投資と考えられ、月次黒字化後は投資を回収し、10年〜15年をかけて収益を得ていくという形である。「保有」に関しては、先行投資がさらに大きくなり、物件価格を除いても、物件取得費用(税金、仲介料など)が3,000万円かかる。また、リノベーション関連の工事・設備費が自己負担になる。一方で、リースアップした際の月額の粗利は月650万円(エンド賃料の65%)と相対的に大きくなる。「保有」は収益性が高いビジネスモデルではあるが、築古ビルでも数億円から数十億円の価格となり、自己資本比率を低下させるため、一時期に取り組める棟数には限界がある。同社では、資金効率を最大化するために、リースアップ後一定期間保有をした物件は売却しML・PMの受託につなげている。PMは、先行投資・費用が発生しないのが特徴である。竣工前には企画・設計・施工を担当でき、リースアップまでの各種支援も収入になる。一方、リースアップ後は月80万円(エンド賃料の8%)と粗利は相対的に低い。

7. 強み:技術力・企画・運営力により適正価格を実現
同社の強みは、「技術力・企画・運営力により、適正価格でのサービスを実現する力」である。耐震補強をはじめ、エレベーター新設、用途変更、増築、検査済証取得、耐久性の向上など築古ビル特有の問題を解決し、安心・安全な物件に再生できる「技術力」に加え、外観デザインの変更、屋上のスカイテラス設置、ラウンジ設置、館内アート導入などヴィンテージ物件をつくりあげる多彩な共用部と洗練されたデザインのノウハウを蓄積し、活用する「企画力」を持つ。「運営力」に関しては、創業以来、PM業務やML業務を内製化し、入居テナントとのコミュニケーションを直接行ってきたことが、顧客満足度の高いサービスの源泉になっている。“適正なエンド価格を間違えないこと”も同社の強みの重要な要素である。同社では坪単価で3万円前後のエンド価格を想定し、その金額から逆算して建築・運営コスト、仕入単価を設定する。適正なエンド価格、建築コスト、減価償却費、運営諸経費などをスピーディかつ正確に見積もることで、仕入れの判断も早くなる。築古建築の古くなった部分をそのまま活用したり、敢えてコンクリートをむき出しにするなど、建築工事費低減の工夫によって適正価格での提供を実現している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


《HN》

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