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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/08/19 18:00, 提供元: フィスコ

高配当・優待株投資の落とし穴と、プロが実践する「堅実に稼ぐ」視点とは?

*18:00JST 高配当・優待株投資の落とし穴と、プロが実践する「堅実に稼ぐ」視点とは?
高配当や株主優待を目的とした投資は、特に長期的な資産形成を目指す個人投資家に人気のある手法です。実際、株式会社フィスコの2025年5月の調査によれば、個人投資家の約4割が株価の上昇ではなく、配当や優待を主な目的として株式を保有していることが分かっています。

しかし、「利回りが高いから」「優待が豪華だから」といった表面的な理由だけで銘柄を選んでしまうと、思わぬ落とし穴にはまるリスクがあります。そこで今回は、プロの証券アナリストが実践する、高配当・優待株投資の本質的な視点とおすすめ銘柄をご紹介します。

利回りだけで選ぶと失敗する理由
配当利回りが高い銘柄は一見魅力的ですが、株価が大きく下落したことで利回りが「見かけ上」高くなっているケースもあります。このような企業は、業績悪化による減配リスクを抱えていることもあり、注意が必要です。

優待についても、内容が豪華だからといって企業の経営が安定しているとは限りません。大切なのは「配当や優待を継続して出し続けられるかどうか」、つまり企業の収益力やキャッシュフロー、業界全体の安定性などを総合的に判断する視点です。

プロが重視する3つのチェックポイント

1. 業界特性と景気耐性
通信、電力、鉄道などのインフラ系は、景気変動の影響を受けにくく、安定的に配当・優待を継続しやすい業界です。一方、鉄鋼や商社、素材産業などは業績のブレが大きく、減配や優待廃止のリスクも高いため、長期保有には慎重な判断が必要です。

2. 業績と株価の安定性
注目したいのは営業キャッシュフロー(本業で稼ぐ力)です。これが安定的にプラスで、自己資本比率が高い企業は、多少の業績悪化にも耐えうる配当体力があります。また、株価が極端に変動しない企業であれば、配当をしっかり享受しやすくなります。

3. 増配余地と方針
配当性向(利益のうち何%を配当に回しているか)が30〜50%程度の企業は、今後の業績成長に応じて増配が期待できます。また、「連続増配方針」や「累進配当(減配しない方針)」を公言している企業は、長期で安心して持てる銘柄といえるでしょう。

優待株では「実用性」と「継続性」がカギ
優待を目的に投資する場合も、利回りの高さだけでなく「自分が使える優待か」「長く続きそうか」を見極めることが重要です。自社製品やサービスの割引券などは継続性が高い傾向にありますが、豪華すぎる優待を提供している企業は、経営が傾いた際に突然廃止されるリスクもあります。

また、店舗や地域が限定されていて使いづらい優待も、実際には“使わない優待”になってしまう可能性があるため、自身の生活スタイルに合っているかも確認しましょう。

プロが選ぶ!おすすめディフェンシブ3銘柄
以下は、景気変動に強く、安定配当・優待を期待できる代表的な銘柄です。

(1)ソフトバンク<9434>
通信×Fintechで多角展開、安定収益が魅力の高配当銘柄
通信業界はディフェンシブ業界の代表格です。ソフトバンクは通信に加え、PayPayを軸とした決済・金融・EC領域にも事業を拡大しており、今後の成長余地も期待できます。

・配当利回り:約3.96%
・配当性向:78.3%と高水準
・営業キャッシュフロー成長率:約9%(年平均)
・株主優待:PayPayマネーライト進呈(人気優待ランキング上位)

株主還元への姿勢が強く、長期保有で安定したリターンが狙える銘柄です。

(2)JT<2914>
海外展開が進むグローバルたばこメーカー
JTは収益の大部分を海外に依存しており、グローバル展開が進んでいます。新興国では紙巻きたばこ需要が伸びており、国内では加熱式たばこの売上が好調です。

・配当利回り:約4.53%
・配当性向:192.2%とやや高めだが安定配当実績あり
・営業キャッシュフロー成長率:14%
・自己資本比率:45%
・優待制度:2022年末で廃止(公平性を重視)

株主優待は廃止されましたが、高い利回りと財務体質の強さから、インカム重視の投資家には魅力的な銘柄です。

(3)東京地下鉄<9023>
鉄道×非運輸収入で安定性抜群、今後の株主還元に注目
東京メトロとして知られる同社は、運輸事業だけでなく、駅ナカ商業施設や広告収入などの非運輸分野でも収益基盤がしっかりしています。2024年に上場したばかりで、今後の成長と株主還元の拡充にも期待が集まります。

・配当利回り:約2.58%
・配当性向:43.2%
・営業利益率:21.3%と高水準
・優待制度:乗車証や各種クーポン(人気ランキング上位)

安定収益を背景に、配当のさらなる拡充や優待制度の継続が見込まれます。


《FA》

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