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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/05/21 13:32, 提供元: フィスコ

バリューC Research Memo(2):安定成長のマーケティングDX事業と急成長の不動産DX事業を展開

*13:32JST バリューC Research Memo(2):安定成長のマーケティングDX事業と急成長の不動産DX事業を展開
■会社概要

1. 会社概要
バリュークリエーション<9238>は、インターネット広告により集客を支援するマーケティングDX事業、及び空き家などの不動産所有者と解体業者をマッチングする不動産DX事業を展開している。マーケティングDX事業では、運用型広告により顧客Webサイトへの集客を支援している。メインの顧客は、市場規模も大きく成熟しているがDXが遅れている「レガシー業界」の企業や団体などである。DXに対し保守的な顧客に対して、経営の課題抽出から戦略の立案、広告運用までワンストップで提供していることが特徴で、高い継続率と安定した成長を続けている。不動産DX事業で運営する「解体の窓口」は、同社がコンシェルジュとして不動産所有者であるユーザーと解体業者の間を取り持ち、ユーザーは物件情報や写真を送るだけで、全国の約2,000社(2025年2月末時点)の登録解体業者から「逆オークション」の形で解体費用の見積もりが届き、そのなかから解体業者を選定する仕組みになっている。こうした革新的なサービスにより急成長しているが、さらに、建設業許可を取得したことで、コンビニエンスストアなど法人の解体ニーズを取り込むなど業容拡大を目指している。

2. 沿革
同社は代表取締役社長の新谷晃人(しんやあきと)氏によって、2008年にマーケティング事業を行うことを目的に設立された。DXが遅れている業界や企業に対して、インターネット広告を中心にマーケティング戦略策定から実際の支援までを一気通貫で実施してきたことが評価され、設立以来、マーケティングDX事業を着実に拡大してきた。2020年に、マーケティングDX事業で培ったノウハウや課題意識を生かして不動産DX事業を新規に立ち上げ、空き家などの不動産所有者と解体業者をマッチングする「解体の窓口」の運営を開始した。現在、提携などにより「解体の窓口」の機能や解体周辺領域でのビジネス開発などを強化しているところで、東京都による建設業許可を取得して元請けへの進出も開始した。中長期的には、マーケティングDX事業のオーガニックな成長をベースに、「解体の窓口」の拡大や元請けの強化により不動産DX事業の急成長を図り、さらには革新的で新しい価値のあるサービスを創造していく考えである。



■事業概要

主力のマーケティングDX事業と新規の不動産DX事業でシナジー発揮

1. ビジネスモデル
同社は、マーケティングDX事業と不動産DX事業の2事業を展開しており、マーケティングDX事業では強みを持つレガシー業界を中心にWeb領域における顧客の集客を支援、新規事業の不動産DX事業では解体業界に新たな価値を提供する「解体の窓口」などの運営を行っている。2025年2月期の売上高構成比は収益基盤のマーケティングDX事業が94%、不動産DX事業は6%と規模に差があるが、2事業間のシナジーが大きく、「解体の窓口」の運営ではマーケティングDX事業のノウハウを低コストで利用することで成長につなげる一方、マーケティングDX事業では不動産DX事業で蓄積しているノウハウを顧客支援に活用している。同社は、こうしたシナジーをさらに高めるため、事業部間での情報交換を常に行っている。


レガシーな顧客基盤、持続的な成果創出、事業創出経験に強み

2. マーケティングDX事業
(1) 事業内容
マーケティングDX事業では、顧客のWebサイトへの集客を適切に行うため、運用型広告を中心とするプロモーション手法により課題抽出から戦略立案、広告運用までの支援策をワンストップで提供しているほか、顧客のマーケティング戦略に応じて様々な広告手法やプラットフォームを柔軟に組み合わせたプロモーションも設計・運用している。運用型広告とは、インターネットのユーザーに対し、広告効果を確かめながらほぼリアルタイムに入札額やクリエイティブ、ターゲットなどを変更・改善して配信する広告である。こうした広告手法は運用者によって広告効果に大きな違いが生じるが、同社の場合、多種多様なクライアントの支持により2008年の創業から現在まで高いサービス継続率を維持しながら、長年にわたって業界や業種特有の課題を識別し、情報を蓄積してきた。同社が具体的に提供している広告は、主にYahoo!やGoogleなどが提供する検索エンジンの検索結果に表示される検索連動型広告、Webサイトの広告枠に表示される画像広告、動画広告、テキスト広告といったディスプレイ広告、Webサイトやアプリのコンテンツとコンテンツの間に表示されるインフィード広告などである。

(2) 強み
マーケティングDX事業では、レガシーな顧客基盤、持続的な成果創出が可能なサービス領域、事業創出経験による顧客目線での支援といった強みを有している。同社が基盤としている「レガシー業界」の企業や団体は、不動産業界や学校法人、自治体など市場規模が大きく成熟しているが、既存の商習慣や保守的な性格などからDXへの取り組みが遅れている。このため、サービス設計に手がかかる一方で、新規参入が難しいうえ価格競争が起こりにくく、一旦、支援が始まると深い領域まで一貫して支援することになる。こうしたレガシーな顧客は、相対的に関心の移り変わりのリスクが少ない中高年層を広告ターゲットにしているため、変動の激しい新興媒体ではなく、安定的なパフォーマンスが期待できる検索連動型広告やディスプレイ広告、インフィード広告などの運用型広告による着実な成果を期待している。従って、期せずして中長期的に運用を支援することで成果を持続的に創出することができ、ストックとして売上が積み上がることになる。事業創出経験による顧客目線での支援も強みである。同社が自ら施策に取り組んで実際に蓄積してきたノウハウや既存事業の課題を起点に創出した「解体の窓口」や「車査定・買取の窓口」など、同社が実際に行ったリアリティのある事業創出ノウハウを顧客に還元することができるため、高い顧客満足度を実現している。このように、レガシーな顧客に対し、事業創出経験を基に持続的に成果を出せるマーケティング施策をワンストップで提供していることから、同社の取引継続率は97%という高い水準を維持している。

(3) 収益構造
同社のマーケティングDX事業では、広告の出稿量に比例した報酬とプロモーションの設計・運用フィーを得ている。この際、原価は広告費用のみとなるが、売上総利益率は類似企業の25%前後に対して35%程度と高くなっている。高い取引継続率のため、取引効率の向上やクロスセル/アップセルによる単価上昇につながっていることから、マーケティングDX事業は同社の収益源となっている。こうした高収益は強い営業力に裏打ちされている。同社は、自社内に広告部隊・運用部隊を有しているため、営業が広告運用の詳細まで説明したり顧客の状況に合わせた提案が可能となっている。また、資格試験の取得などを通じてスキルとノウハウを持つ人材を育成できる教育体制(このため離職率も低くなっている)や、休眠客へのアプローチノウハウ、蓄積してきた様々な業界の顧客対応ノウハウも有している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


《HN》

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