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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/05/15 11:06, 提供元: フィスコ C&R社 Research Memo(6):クリエイティブ分野(日本)、医療分野、会計・法曹分野が減益に(2)*11:06JST C&R社 Research Memo(6):クリエイティブ分野(日本)、医療分野、会計・法曹分野が減益に(2)■業績動向 (4) 会計・法曹分野 クリーク・アンド・リバー社<4763>の会計分野は子会社のジャスネットコミュニケーションズ(株)(出資比率100.0%)、法曹分野は(株)C&Rリーガル・エージェンシー社(同90.0%)でエージェンシー事業を中心に展開している。売上高は前期比1.9%減の2,450百万円、営業利益は同32.0%減の116百万円と4期ぶりの減収減益に転じた。 同社が開示している分野別売上構成比から試算した会計分野の売上高は前期比1.4%減の2,111百万円、営業利益は同63.7%減の50百万円となった。自社主催の専門セミナーやクライアントとの共同セミナー等による認知度向上に取り組むとともに、「事業承継・M&A支援・業務提携サービス」など新たな取り組みも進めたが、経理人材などの紹介案件の成約数が減少し収益が悪化した。一方、法曹分野についてはコストの見直しを行ったことにより増益となった。 (5) その他事業 子会社18社で構成されるその他事業の売上高は前期比25.9%増の4,596百万円、営業損失は83百万円(前期は200百万円の損失)となった。売上高は新規に子会社化した2社を除いた16社の合計では若干の減収となった。一方、利益面では16社中、10社が増益(201百万円増)となり、投資増等により6社が減益(63百万円減)となった。 主要子会社の動向を見ると、ITエンジニア等のエージェンシー事業を主に展開する(株)リーディング・エッジ社(出資比率99.99%)は、ITエンジニアの旺盛な需要に対応するため営業体制の強化やエンジニアの育成、グループ間連携を進めたが、求められる人材の確保が進まず減収減益となった。ファッション分野のエージェンシー事業を主に展開する(株)インター・ベル(同90.9%)は、インバウンド需要の復活を背景に百貨店や商業施設向け販売員の派遣需要が拡大し、増収増益となった。新規事業としてオリジナルファッションブランド「ECLECT(エクレクト)」を立ち上げ、クラウドファンディングの活用など収益化に向けた施策に取り組んでいる。 VRゴーグルの国内での販売・運用・保守サービスを行う(株)VR Japan(同84.21%、12月決算)は、VRゴーグルの販売減少により減収減益となった。同社のXR事業やグループ各社と連携し、教育研修に関するハードの販売やヘッドマウントディスプレイの保守運用サービスの提供などを通じて業容拡大に取り組んでいる。 AIシステムの企画・開発・販売・運用・保守事業を行う(株)Idrasys(出資比率80.11%)は、独自開発したAIクラウドプラットフォーム「Forecasting Experience※」の導入件数が着実に伸び、増収増益(利益化)となった。アパレル業界を中心にブランドマーケティング事業を展開するforGIFT(出資比率77.5%)は、前期に受注した大型プロモーション案件が不採算となり、プロモーション事業を大幅縮小したことで減収となり、前期並みの損失を計上した。今後は、新規事業として育成中の3DCG技術を活用したサンプル制作サービス「sture(ストゥーラ)」にリソースを集中する方針である。 ※ 「Forecasting Experience」の特長は、学習データをExcelベースで簡単に作成でき、専門知識がなくても比較的容易に予測モデルを構築できる点にある。 (株)コネクトアラウンド(出資比率100.0%)では、農業分野でのテクノロジーを活用したダイバーシティ&インクルージョン及び農業を基軸とした地域雇用の促進等に取り組んでいる。2023年2月より障がい者雇用による屋内栽培と2次加工品の製造・販売を行う6次化農業ビジネス「FUN EAT MAKERS」事業を神奈川県川崎市内の施設で運営開始したほか、地方創生ビジネスの一環として2025年6月に福島県大熊町でスマート農業施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」を開業する予定となっている。同施設は「高付加価値農業生産エリア(ミニトマト、無農薬栽培リーフレタス)」と「食を楽しむエリア(レストラン)」「様々なプロフェッショナルがつながるワーケーション滞在エリア」の3つのエリアで構成される建物と、地域の人々がつながる半屋外エリア及び屋外エリアで構成される。建設費用等は国の補助金で賄われる。 (株)Nextrek(出資比率88.33%)は、新たな事業としてAIを活用した画像・イラスト検索メディア「シンテリ」の運営を開始した。利用料は無料で広告収入を獲得するビジネスモデルとなっており、登録数やダウンロード数は順調に伸びている。今後もコストを抑えながら早期の収益化を目指す。 CVC(コーポーレートベンチャーキャピタル)事業を行うC&Rインキュベーション・ラボ(出資比率100.0%)では、グループとの事業シナジーが見込める企業に対して、1件当たり0.3〜1億円を目安に2025年2月までに13社に出資した。このうち3〜4社はIPOが視野に入っているようで、IPOが実現すれば一部株式を売却し、再投資に充当する予定だ。また、経験豊富な経営人材を派遣・紹介するCXOエージェント事業も、2025年2月期より同社からC&Rインキュベーション・ラボに移管しており、グループシナジーの最大化を目指している。 2024年2月にパナソニック ホールディングス<6752>から株式を取得し子会社化したShiftall(出資比率100.0%)は、VRやメタバース、IoT機器の企画・開発・販売・サポート事業を展開するファブレス企業である。年間の売上高は10億円強、利益も数千万円規模で、売上高の5割強が海外向けで占められる。主力製品である「HaritoraX※」の販売がVRChat需要の高まりにより好調だったほか、新型のヘッドマウントディスプレイ「MeganeX」も海外で受注が伸びている。 ※ SteamVR(パソコンでVRが楽しめるサービス)に対応した腰や足の動きをモーション・トラッキングするセンシングデバイス。内蔵バッテリーで10時間動作し、ワイヤレスVRと組み合わせることで無線での全身モーショントラッキング(フル・トラッキング)が可能となる。ゲーム用途などで利用されている。 2024年3月に子会社化したリヴァイ(出資比率100.0%)は、2023年設立のベンチャー企業で、生成AIに関する情報を発信する会員サービスやセミナーの運営、生成AI活用のコンサルティング事業等を展開している。売上規模はまだ小さいものの、今後は同社がネットワークするクリエイターに生成AIを融合してレベルアップを図り、同社グループの顧客企業に対して生成AIを活用したコンサルティングサービスを展開することで、グループシナジーの最大化を目指す。2025年1月にはWeb業界を対象とした次世代型転職支援サービス「ミライテ」を開発、体験版の提供を開始した。今後は有用性の検証と機能改善・拡充を進め、対象職種を広げていく。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |