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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/08/08 14:33,
提供元: フィスコ
トーホー:業務用食品卸売で国内トップ、都市圏強化×PB拡充×M&Aによる中期成長に注目
*14:33JST トーホー:業務用食品卸売で国内トップ、都市圏強化×PB拡充×M&Aによる中期成長に注目
トーホー<8142>は、業務用食品卸売業界における国内トップシェア企業である。1947年の創業以来、「食を通して社会に貢献する」を経営理念として、外食産業向けに食材とサービスを提供している。
同社の3つの事業セグメントにおいて、中核となっているのはディストリビューター(業務用食品卸売)事業だ。幅広い外食関連事業者に対し、国内外から仕入れた多種多様な業務用食材と自社開発の高品質なプライベートブランド商品を提供している。キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業では、主に中小規模の飲食店向けに業務用食材の店舗における現金販売を展開、フードソリューション事業では業務支援システムや品質管理サポート、厨房機器販売などを通じて外食ビジネスを総合的に支援している。主力のディストリビューター事業における競合企業は、尾家産業<7481>や久世<2708>、サトー商会<9996>などである。
同社の強みは、外食ビジネスを多角的に支援する「食のトータルソリューションカンパニー」としての総合力にある。国内業務用食品卸売業界で売上No.1を誇るディストリビューター事業は、約16万点の品揃えと国内外の広範な調達ネットワークを活用し、全国72拠点を通じてホテル、レストラン、病院・産業給食など幅広い業態にサービスを提供している。また、キャッシュアンドキャリー事業では、「A-プライス」ブランドを中心に30都府県に94店舗を展開し、中小飲食店の仕入れを店舗形式で支援。さらに、これらの直営店舗に加え、フランチャイズやECなど多様な販売チャネルを拡充している。卸売事業と店舗販売事業の両方を一定の規模で手掛け、外食産業をくまなくカバーしているのは同社独自の強みである。さらに、人手不足に悩む外食産業向けに食材供給にとどまらないサービスを提供する「フードソリューション事業」は、食品卸業界ではユニークな事業であり、競合他社との差別化をもたらしている。
2026年1月期第1四半期の決算は、売上高61,275百万円(前年同期比0.4%減)とわずかに減収となった。国内外食産業向け販売は堅調だったものの、前期に撤退した食品スーパー事業の売上高の剥落や、海外売上の伸び悩みが影響した。営業利益は1,804百万円(同10.0%減)で、赤字だった食品スーパー事業撤退による増益要因はあったが、一部シンガポール子会社における生鮮品の相場高騰や新規競合の参入による粗利率低下、国内ではいわゆる「2024年問題」に起因する物流費の上昇などが減益要因となった。なお、生鮮品の相場はすでに落ち着いており、物流費の上昇も緩やかになっているため、これら要因の今後の影響は限定的とみられる。2026年1月期の通期業績は、売上高253,000百万円(前期比2.7%増)、営業利益8,200百万円(同9.4%増)を見込んでいる。
同社は2027年1月期を最終年度とした中期経営計画「SHIFT-UP 2027」を策定し、取り組みを進めている。最終年度における財務目標(2025年3月に上方修正)は、売上高2,700億円、親会社株主に帰属する当期純利益48億円、ROE10.0%以上、PBR1.0倍以上である。同中計で、同社はエリアごとの市場環境に沿った事業展開へのシフトを掲げており、注力エリアの1つである首都圏においては既に横浜ディストリビューションセンターを開設、営業力強化と配送効率改善を目指す事業所再編を進めている。プライベートブランド商品強化もこの中計のコア施策であり、利益率向上に貢献するものだ。プライベートブランド商品の売上高構成比は2026年1月期第1四半期において10%超となっており、中計の目標である12%の達成も視野に入った。株主還元については、配当性向40%を中計における目標として掲げており、2022年1月期から増配を継続している。2026年1月期も、前期の125円から150円へと増配の計画である。
同社は2008年以降2019年まで毎年M&Aを実施、合計で国内外の企業36社を同社グループに迎え入れた実績を持つ。2020年以降はコロナの影響で一時停滞を余儀なくされたが、本中計の開始とともに再度M&Aへの取り組みを再開、2025年6月には三協流通グループの買収を公表した。M&Aの主な対象は、国内の都市圏及び海外における業務用食品卸売企業、およびフードソリューション事業に関連する企業だ。十分な経験と実績を持つ同社にとって、M&Aは今後の成長を牽引する重要なドライバーとなることが期待できよう。
2030年1月期における売上高3千億円という長期ビジョンに向け、同社は都市圏強化や海外事業拡大、プライベートブランド商品拡充といった重点施策を着実に進めている。業務用食品卸売業界トップシェアのポジションと独自の事業多角化を強みとし、M&Aによる非連続的な成長も期待できる同社の今後の展開には、注目しておきたい。
《HM》
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