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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/06/04 12:03,
提供元: フィスコ
CRI・MW Research Memo(3):ミドルウェアの許諾や受託開発のビジネスを展開
*12:03JST CRI・MW Research Memo(3):ミドルウェアの許諾や受託開発のビジネスを展開
■CRI・ミドルウェア<3698>の事業概要
1. 事業内容
同社グループは、同社及び音響制作のツーファイブと中国事業の上海希艾維信息科技(CRI China)の子会社2社で構成されており、「CRIWARE」などのブランドで、ソフトウェア製品の許諾ビジネスや許諾ビジネスに関連する受託開発、音響制作などを行っている。同社の事業内容は、以下のように様々な角度から見ることができる。
(1) 事業セグメント
事業セグメントはゲーム事業とエンタープライズ事業に分けられる。ゲーム事業では、同社及び子会社2社が、ゲーム業界向けに、ゲーム開発をスムーズかつ効率的に行うための音声・映像関連ミドルウェアの提供や、画像最適化ソリューションの提供、音響制作などを行っている。「CRIWARE」のロゴは多くのゲームのパッケージやスマホゲームの起動画面に描かれており、ゲーマーの間では有名なミドルウェアである。エンタープライズ事業では同社が、ゲーム事業で培った音声・映像関連の技術を活かし、ゲーム以外の業界向けに、音声・映像関連ミドルウェアやソリューションの提供、関連する受託開発などを行っている。なかでもターゲットとしているのは、モビリティ分野、家電・IoT機器などの組込み分野、Web動画や静止画等に関わる技術を取り扱うクラウドソリューション分野の3分野である。
(2) ゲームで培った要素技術
同社は長年にわたり、音声や映像など多くのデジタル信号処理技術を独自で研究開発し、顧客とともに技術検証を繰り返してきた。こうして蓄積された経験やノウハウ、またこうした実績に基づく顧客からの信頼が、同社の技術評価や企業価値、ひいては「CRIWARE」ブランドを向上させてきた。特に音声に関しては、デジタルフィルタ処理などを用い、音に対して様々なエフェクトをリアルタイムに適用する音声信号処理、独自開発した音声圧縮技術により異なるプラットフォーム上で展開できる音声コーデック(CODEC)※のほか、音声分析やサウンドオーサリングなど多くの技術を有している。映像/グラフィックスについては、ゲーム機やデバイスの特徴を考慮したうえで描画やデコード(解凍)のタイミングを調整する動画再生、単純な圧縮ツールでなくエンコード(圧縮)ライブラリとしてリアルタイム処理する動画圧縮のほか、映像解析や動画ストリーミングなど様々な技術を持っている。このほか、Web API開発や先読み/遅延ロード、機械学習などのネットワーク技術、Webアプリケーション開発やUI/UX設計・開発などのアプリケーション開発、マイコン制御やOS/ドライバー開発、電断対応などの組込み技術なども開発している。
※ 音声や映像などのデジタルデータを圧縮・復元する技術、またはそのためのプログラム。
(3) 製品サービスとソリューション
こうした要素技術を製品サービスやソリューションとして顧客に提供することで、同社はマネタイズしている。製品サービスとしては、エンターテインメント分野で、ゲームで培ってきた音声や映像などの高度な技術を遊技機やカラオケ、バーチャルキャラクター、VR/ARなどに利用している。また、組込み分野では家電やPC、サイネージなど、モビリティ分野では車載メーターやAVAS、DMSなど、クラウドソリューション分野ではECサイトやオンライン展示会などに応用している。ソリューションとしては、VR機器や有名ゲームタイトル向けアニメーションオーサリングツール、カラオケ会社向けキャラクターコンテンツ、自動車会社向けメータークラスタ用サウンドミドルウェア、自動車メーカー向け画質最適化システム、アパレルのビデオブログシステム、オンライン展示会のシステムなどの開発に活用している。
音声や映像などから様々なOS、機器を支援
2. 同社の製品とサービス
ゲーム事業では、20以上の機種に対応するなど、様々な機種やOSに対応するハイクオリティなゲーム制作を支援している。主な製品は、主力の統合型サウンドミドルウェア「CRI ADX」、高画質・高機能ムービーミドルウェア「CRI Sofdec」、オンラインコミュニケーションミドルウェア「CRI TeleXus」などである。また、子会社ツーファイブは、著名な声優を使った音声やイメージに合ったサウンドを作りたいというニーズに対し、声優のキャスティングから演出、収録、加工、編集、データ化までのサービスをワンストップで提供している。エンタープライズ事業では、クリアな音声、ブザー音から音声ガイドへの変更、部材点数の減少、状況に応じた音声の組み替えなどのニーズに対し、ワンチップマイコンで低負荷・高音質な音声の再生を実現している。主な製品は、組込み分野の省回路型高出力サウンドミドルウェア「CRI D-Amp Driver」、フルデジタルオーディオソリューション「CRI SOLIDAS」、高圧縮トランスコードシステム「CRI DietCoder」、「CRI TeleXus」、モビリティ分野のサウンド開発ソリューション「CRI ADX Automotive(CRI ADX-AT)」、グラフィック開発ソリューション「CRI Glassco」、クラウドソリューション分野のWeb動画ソリューション「CRI LiveAct」、画像軽量化ソリューション「OPTPiX SmartJPEG」などである。
デジタル信号処理技術に本質的な強み
3. 同社の強み
同社には技術的な強みとマーケティング上の強みがある。技術面では、高音質で24分の1という圧縮率である音声コーデックや高画質で1,000分の1という圧縮率である映像圧縮技術といったデジタル信号処理技術に強みがある。圧縮技術のツールや方式を自前で持っているため、性能が限られる(ローコストで製作する)なかでも、きれいに響かせたりリアルタイムで映像とシンクロさせたりと高音質や高画質にこだわっている。こうした技術力により価格と品質の面で優位性が生じ、ゲームのほかカラオケやモビリティ、IoT機器など幅広い分野で利用されるようになった。マーケティング面では、こうした高度な技術を、市場や顧客のニーズにマーケット・インして活用している点に強みがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《HN》
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