〜めざせヘッジファンド!〜
シカゴ絵日記

9月21日 大豆オプションのトレーダーたち

右側が大豆オプションのピット
左奥が大豆のピット
昼の閑散時に自分で撮る。  

オプション・ピットの3台の端末の横にいる
(職員がLastPriceを入力する端末)
オレンジのジャケットを着た人はブローカー。 
自分は、そのそばで観察している。

ピットは限月で立つ位置が分かれている(9月18日の図参照)。
マーケット・メーカーのトレーダーは、ピットの中側に位置し、
ランナーが運んでくる注文を受け取りやすい外側に、
ブローカーが位置する。

ライアンによると、ブローカーとローカルの比率は1対15だという。
個人的には1対10ぐらいのような気がする。
正確な数は、その場にいるトレーダーでも分からないという。

注文用紙を手にしているのがブローカー。
WhatIfシート(先物が動くとオプションのグリークがどう動くかなどを一覧したもの)
を手にもっているのがMMである。

立会時間は、9:30から13:15だが、
最も活況となるのは、午前中の1時間。
目測で80人程度のトレーダーが売買をする。
ボラティリティ的に無風日であれば、
MMの数は昼前には半分以下になる。

マーケットの動き次第では、引け際も活況となり、
ボラティリティが激しくなると、一日中忙しくなる。
そのような日は稀で、3人のトレーダーも、基本的に午前中の1時間で
数十回の売買を行うことで、ほとんどのノルマを終えてしまうようだ。
(詳しい売買については、信義上、書かないことにする。
というか、書くだけの知識がなかったりする。
バタフライといったら、オリンピックの話でもしてるのかと思う程度)

もともと社長のケビンが大豆オプション・ピット出身であり、
伝統あるピットのようだ。

ジョーとダニーは兄弟で、2人とも30代前半である。
攻撃的なスタイルで、2人組で売買している。
「ピット・ブルザーズ」といった絵になる人たちだ。
写真が許可されていないのが残念。

たまにピット脇で「作戦」を修正することがあるが、
その会話は非常に早口で、自分にはまったく意味不明である。残念。
ちなみに今日はお休み。

デマルクルは20代後半で、普段は温厚な人柄である。
哲学者風で、じっと待つようなスタイルで売買するが、
ビッド・アスクを出すときの速さと激しさは兄弟と変わらない。
基本的にブローカーとの値交渉は早い者勝ちである。(同時の場合、分割する)
もとは兄弟の下で、アシスタント(クラーク)の仕事をしていたという。

3人とも非常に売買がうまい。
スプレッドをサクサクはめて、かなりの額を稼ぐ。
彼らが金持ちなのは疑いようが無い。
実働1時間で稼ぐ姿を見れば、憧れないアシスタントがいない方が不思議だ。

いわゆるトレーダーとそのアシスタントは、徒弟制度のようなものかもしれない。
ただし、脳みそに乳酸がたまった体育会系のノリではない。
社長のケビンの人柄もあるのだろう。

根本的に目上の人に対する畏怖があるが、
普段の関係は、非常に暖かく、フランクである。
またリスク管理の面で、アシスタントがトレーダーを見るという
側面もあるのかもしれない。