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シェルダン・ネイテンバーグ/増田丞美/世良敬明/山中和彦 オプションボラティリティ売買入門 プロトレーダーの実践的教科書

オプションボラティリティ売買入門 プロトレーダーの実践的教科書

Veteran's choice: ★★★
シェルダン・ネイテンバーグ, 増田丞美, 世良敬明, 山中和彦
パンローリング
A5 684 pages, released in Jun. 2006
6,380 yen (including tax 580 yen) , Free shipping fee to Japan.
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目次読者のご意見訂正とお詫び
本書の初版が発行されたのは1980年代後半。当時はまだオプション関連書といえば学術的で難解なものが多かった。だからこそ、同書の登場は画期的であった。オプション売買成功のカギとして欠かせない概念を丁寧かつ分かりやすい言葉で、そして実践的にまとめられていたからだ。

現役のプロが「オプションのプロを目指すトレーダーのために」書いた初版は、価格評価理論についての明快な説明と、トレード戦略についての詳細な解説が秀逸であった。そのため、瞬く間に世界中のトレーダーたちに「必読の書」として受け入れられたのである。

この新版は、さらに内容が充実し、さまざまな市場の性格と売買戦略の特性、価格評価モデルとボラティリティの考察、リスク管理の技術など、オプション市場の近年の発展と傾向も反映されている。 新版では次の題材が加えられた。

  • 株式オプションの説明を拡張
  • 株価指数先物とオプションの売買戦略
  • ボラティリティについてのより広くより深い解説
  • ボラティリティの歪みの分析
  • オプションを用いた市場間スプレッド
プロとしての自身の経験を土台に、シェルダン・ネイテンバーグはオプション売買の理論と実践を結びつけている。つまり、オプション理論の基礎を説明するだけではない。この理論がトレード機会の発見と判断にどのように利用できるか論証しているわけだ。しかも客観性を維持することで、読者が個人の相場観やリスク許容度に応じて最適な売買戦略を選ぶことができる道筋を紹介している。

ネイテンバーグは平易な言葉で、確率の基礎的な法則を教示する。そして、オプション評価モデルから理論価値を算出するため、これらの法則をどのように使うか実証している。そこから読者は、このモデルがいかにさまざまな市場環境に適した戦略を構築するのに役立つか学ぶだろう。

また、市場環境の変化に応じて既存のポジションを調整する方法についても十分に論じられている。

本書は理論に偏らず、常に現実世界の視点からオプション市場を検証する。そのため、特に強調されているのがリスク管理の重要性だ。各戦略のリスクについては、収益性と同じくらい、十分に分析されている。

著者はリスク指標であるデルタ、ガンマ、セータ、ベガについて詳しく解説し、それらのリスク指標が市場環境の変化とともにどのように変わるか非常にうまく説明している。そこから読者は、オプションのトレードが「静的な」というよりは、むしろ「動的な」試みであることが分かるだろう。

改訂版の本書には新しい題材が盛り込まれた。これによって本書が世界中の多種多様なオプション専門家の間で愛読されること、そしてオプション業界にまたひとつ金字塔が打ち建てられたことは間違いない。

「シェルダン・ネイテンバーグはボラティリティに焦点を当て、確率を解説し、リスクを指摘する素晴らしい仕事をやってのけた。本書は実にうまくまとめられている」
――アレキサンダー・エルダー博士、『投資苑』著者



著者紹介

シェルダン・ネイテンバーグ(Sheldon Natenberg)
1982年にシカゴ・オプション取引所(CBOE)で株式オプション市場のマーケットメー カーとなり、トレーダーとしてのキャリアを始める。85年からはシカゴ・ボード・オ ブ・トレード(CBOT)の独立トレーダーとして、商品先物オプションの売買も手がけ るようになる。トレーダー業と平行して教育者としても活動。CBOT、シカゴ・マーカ ンタイル取引所(CME)、CBOE、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)、ロ ンドン国際金融先物取引所(現ユーロネクストliffe)、ドイツ先物オプション取引所 (現ユーレックス)、シドニー先物取引所、シンガポール国際金融取引所(現シンガ ポール取引所)など、世界中の主要取引所から招聘され、セミナーを何度も開催し た。また米国内外の投資会社の社内研修でも数多く講師を務めている。

目次

監修者まえがき
初版序文
第2版序文

第1章 オプションの基礎知識
市場の仕組み
権利行使と割り当て
市場の信頼性
委託証拠金
決済手続き

第2章 初級戦略
単純な売買戦略
リスク・リワード
売買戦略の組み合わせ
満期時の損益図の作成方法

第3章 理論価格決定モデル入門
期待利益
理論価格
モデルについてひとこと
単純なアプローチ
権利行使価格
残存期間
原資産価格
金利
配当
ボラティリティ

第4章 ボラティリティ
ランダムウォークと正規分布
平均値と標準偏差
分布の中央値としての原資産価格
標準偏差としてのボラティリティ
対数正規分布
1日と1週間の標準偏差
ボラティリティと実際の価格変化
金利商品について
ボラティリティの種類

第5章 オプション理論価格の活用

第6章 オプション価格と市況の変化
デルタ
ガンマ
セータ
ベガ(カッパ)
ロー
まとめ

第7章 スプレッド売買入門
スプレッド売買とは?
なぜ、スプレッドか?
リスク管理ツールとしてのスプレッド

第8章 ボラティリティスプレッド
バックスプレッド(レシオバックスプレッドまたはロングレシオスプレッド)
レシオバーティカルスプレッド(レシオスプレッド、ショートレシオスプレッド、バーティカルスプレッド、フロントスプレッド)
ストラドル
ストラングル
バタフライ
タイムスプレッド(カレンダースプレッドあるいはホリゾンタルスプレッド)
変動する金利と配当の影響
ダイアゴナルスプレッド
さまざまなスプレッド売買
スプレッドの感応度
適切な戦略の選択
調整
スプレッド売買の注文

第9章 リスク要因
最適なスプレッド売買戦略の選択
実践上の要因
価格変動の許容範囲の程度
配当と金利
優れたスプレッド売買とは?
調整
売買スタイルの問題
流動性

第10章 ブル・ベア・スプレッド
ネイキッドポジション
ブル・ベア・レシオスプレッド
ブル・ベア・バタフライとタイムスプレッド
バーティカルスプレッド
第11章 オプション裁定取引
合成ポジション
コンバージョンとリバーサル
裁定取引のリスク
ボックス
ジェリーロール
ボラティリティスプレッドにおける合成の利用
理論価格を利用しない売買

第12章 アメリカンタイプの期日前権利行使
先物オプション
株式オプション
期日前権利行使が売買戦略に与える影響

第13章 オプションによるヘッジ
プロテクティブコールとプロテクティブプット
カバードライト
フェンス
複雑なヘッジ戦略
ポートフォリオインシュアランス

第14章 ボラティリティの再検討
ボラティリティの性質
ボラティリティ予測
実践上の手法
インプライドボラティリティについて

第15章 株価指数の先物とオプション
指数とは何か?
指数価値の計算
指数を反映した株式ポートフォリオ
株価指数先物
指数裁定取引
指数オプション
指数市場の偏向

第16章 市場間スプレッド売買
市場間ヘッジ
ボラティリティの関係
市場間ボラティリティスプレッド売買
権利行使価格の差を利用したスプレッド売買

第17章 ポジション分析
簡単な事例
ポジションのグラフ
複雑なポジション
先物オプションのポジション

第18章 モデルと現実の世界
マーケットに摩擦はない
金利はオプションの期間中一定である
ボラティリティはオプション期間を通じて一定である
売買は継続的である
ボラティリティは原資産価格の影響を受けないか?
正規分布に従う短期の価格変化率と対数正規分布に従う満期
時の価格
歪度と尖度
ボラティリティスキュー(歪度)
最後に

付録A オプション関連用語集
付録B ボラティリティスプレッドの特性
付録C 正しい戦略とは?
付録D 合成関係と裁定関係

第2版 序文

私がプロ向けのオプション解説書の出版についてプロブス・パブリッシング社と話し合っていた1986年当時、果たしてそんな本を出すほど世間がオプションについて関心を持っているのか、相当疑わしい状況だった。そもそも、オプション専門のトレーダー自体、それほどいなかったように思う。ところが、うれしいことに本書が発売されると大勢のプロが買い求めてくれた。しかも、多くの一般の人たちまでが、大いに興味を持ってくれているらしいと分かったのだ。

今回の改訂版も、その狙い自体は変わらない。新たに加えた題材に最も大きな関心を示すのは「懸命なトレーダー」たちだろう。だれもが関心を示すだろうが、最も精力的に時間を割き、その題材を習得しようと励むのは、オプションの完全理解に生活がかかっている懸命なトレーダーたちである。新版では、初版を読んだトレーダーたちから寄せられた助言や提案を反映している。そして、次の重要項目を追加した。

株式オプションの解説の拡充 初版の執筆に取りかかったとき重点に置いたのは、商品先物オプションであった。これは主にマーケティングの結果である。当時、株式オプションの書籍は多少あったが、商品先物オプションの本は、ほぼ皆無に等しかったからだ。しかし、初版が成功し、シカゴ・オプション取引所(CBOE)で働く多くの友人たちの提案もあり、株式オプションも同等に取り上げることにした。

ボラティリティの解説の充実

その重要性を考え、第2章でボラティリティの特性と問題点についてさらに詳細な解説を追加した。

株価指数の先物とオプションについての章を追加

株価指数の派生商品市場は非常に重要なものとなり、また密接に関連している。オプションの本であれば解説が必要だ。指数市場のあらゆる特質をひとつの章だけで解説するのは不可能だろう。しかし、これらの市場が従来のオプション市場とどのように異なり、その違いが売買戦略にどのような影響をもたらすかについて、できるだけ触れてみた。

市場間スプレッドの解説

最も洗練された売買戦略の多くは、ある原市場のオプションと別の原市場のオプションのスプレッドに関連したものである。原市場の相互関係について、そしてそれらが「ミスプライス」の関係にあると思えるとき、スプレッドを組む方法について解説した。

ボラティリティスキューの解説の充実

これはおそらく質問が最も多い分野で、権利行使価格で異なるインプライドボラティリティ(IV)の傾向のことである。この現象について、そしてトレーダーとして、この問題をどのように扱えばよいか解説した。 [
全文を読む]


(ウィザードブックシリーズ104)

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