1995年、大和銀行ニューヨーク支店で11億ドルの巨額不正事件が発覚した。巨額損失を隠し続けた犯人は、現地社員・井口俊英。その獄中手記『告白』はベストセラーとなり、事件は大和の米国撤退、日本の金融ビッグバンへとつらなる――。
本書は、その井口氏のガールフレンドで、現在の妻、井口明美の手記である。お嬢様だった私が高圧的な父と家庭を離れ、中・高・大とアメリカで過ごし、大和銀行ニューヨーク支店に勤め始める。そこで出会った17歳年上のバツイチで二人の子持ちの「彼」。彼の息子のシッター兼家庭教師を頼まれた私は、次第に彼と惹かれあっていく。が、1年半後、婚約した二人の家に突如、FBIの男たちが乗り込んできた――。
恋人の逮捕。家族との軋轢と訣別。獄中の彼との愛。ぐれる息子たちとの苦闘。弁護士や税理士たちに翻弄される日々。そして、救いの主となるFBI捜査官に獄中のマフィアのボス――。ひ弱でわがままだった私が、アメリカのもっとも過酷な現実と戦いながら、日増しに強くなり、自立していく。
本書は、有名事件の新たな側面を描くと同時に、今の日本女性の生き様を明確に示した「女の日記」である。
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