山不二証券では、上場すれば倍にハネ上がることは必至の日菱造船の転換社債を、内々の依頼で内密に日菱造船系の総会屋七十人に割り当てていた。 が、この事実が、山不二証券のフィクサー的存在から業界誌に流れてしまった。 会長の植田は記者の取材に、総会屋との絡みは日菱造船から依頼があったからとうっかり認めてしまった。 業界誌との折衝を命ぜられた副社長の門田だったが…（表題作）。 他五篇収録。
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