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オプション売買入門

増田 丞美著 パンローリング

オプションについては多少の知識(権利行使価格、オプション価格、損益の図など)を持っていましたが、同書を読んで今までに知らなかったことをいくつか吸収することができました。私にとっては「価値ある1冊」となったようです。

まず、第1にオプション価格と原資産価格との関係です。オプション売買で利益を上げるとは、原資産価格の値動きを予想して当てることだというような認識を持っていました。確かに原資産価格とオプション価格は連動しているのでしょうが、それと同じくらいかそれ以上にボラティリティが重要であることを知りました。このボラティリティがオプション価格を左右するほどの指標であり、原資産価格と同等に扱うべきものであるということが理解できました。以前読んだオプション売買に関する本では、「オプション売買で成功するには原資産価格が短期間(数日くらい)で大幅に上下するときに勝負するのが良い」ということでした(その筆者はそうやって成功し、少なくとも私にはそのよう主旨と感じた)。確かにそのような成功方法も存在するでしょう。しかし、今回読んだ「オプション売買入門」は資金を管理しながら利益を出すことであると感じました。以前読んだ本は投機であるのに対し、「オプション売買入門」は投資であると感じました。一番の問題は投機を投資と考えていたことであり、このような認識のままオプション売買を始めたら、おそらく悲劇が待ち受けていたと思います。

第2に74ページの最後の3行が大変気になりました。すなわち、アートの部分を極めるということです。オプション売買に限らず投資にはサイエンス的部分と アート的部分があると聞いています。サイエンス的部分とは原資産価格やボラティリティを追っていくことすなわち数字を分析することだと思いますが、アート的部分が何なのかをもう少し詳しい筆者なりの考えを知りたかったです。サイエンス的部分は書物で勉強すれば個人の努力で何とかなるかもしれませんが、アート的部分は長年相場に接している投資家でなければ説明できないでしょうし、それらは感覚的な物または心理的なものと言うことができるかもしれません。

また、第7章の「オプション売買戦略」では必要以上に時間価値を払わないなどの時間価値とオプション売買の関係やボラティリティが高い時のオプション購入は避けるなどのボラティリティとオプション売買の関係など、今までの自分になかった新しい視点を提供してくれました。同章では、オプションの売りを組み合わせた有効な戦略をいくつか紹介していますが、個人投資家のオプション売りは可能なのでしょうか。オプションの買いのみ注文を受け付ける場合、同章でいう最も単純で、最も難しい戦略になります。そうなると、必然的に上述した投機的なオプション売買しかできなくなると思うのです。もちろん私は将来的にはオプション売買を投機ではなく投資としてやりたいと考えております(投資と投機の違いを説明するのは難しいですが)ので、7章の戦略は読んで良かったと思いました。ついでながら、投資先進国アメリカにおいて、個人投資家のオプショントレーダーはどのように戦っているのかも知ってみたいところです。

最後に第8章についてです。オプションや先物トレーダーに関する本を読むと必ずマネー・マネジメントが重要であると書いてあります。私も商品先物を始めたのですが、マネー・マネジメントが本当に大切であるということを実感しています。特に損切りポイントを決めてくことや必要以上にポジションを大きくしないなど、これらはトレードを続けるため(生き残るため)には重要です。しかし、これらは2番目に重要なことです。1番目はこれらのルールを実行することだと思います。そのよう観点から、トレードで負けが続いている時や、自分の持っているポジションが思惑と反対方向に行ってしまった時、どのようにルールを実行するか筆者なりの体験を読んでみたかったです。結局のところ、投資で成功するには心理的な面も重要であると思います。そのような本があったら、ぜひ読んでみたいものです。

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