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フィッシャーの「超」成長株投資

フィリップ・A・フィッシャー, 高田有現, 荒井拓也 フォレスト出版

監修者はこういった。「この本はタフだ」と。

わたしも同じ意見です。はっきりいうと本書「フィッシャーの「超」成長株投資」は難しい部類に入ります。フィッシャーは、企業のビジネスの成長性を徹底的に研究することで、株価が何十倍にもなる銘柄を探しだす術を本書で説明しています。本書には、分析本にありがちな数式は出てきませんが、それでもその内容を理解しきるのは難しいでしょう。

とはいえ、初心者にとって嬉しい工夫があります。それは、文章のフォントの大きさが違うことです。重要なことは文字を大きくしているので、初めての人でも読みやすくできています。最初は、太文字で書かれている箇所を流し読むだけでもいいでしょう。

株式投資の初心者の方に読んでほしいのは、4章と5章、6章で展開されている株式の売買についてです。何を買い、いつ売って、いつ買うのがいいか、株式投資家であれば必ず直面する問題に正面から立ち向かっています。

一方、株式投資暦のある人でも一読しただけでは、その言わんとすることがハッキリわからず、「ふーん」状態で終わるのではないかと思います。本書「フィッシャーの「超」成長株投資」を理解しきるには、株式投資暦の長短だけでなくビジネスの経験など、総体として投資技術の問題に掛かってきます。

フィッシャーは、企業の業績や財政状態、研究開発費の度合い、経営者の質を重視して投資判断を行っています。とはいえ、バリュー投資の祖グレアムやその偉大な弟子バフェットと投資スタンスがとてもよく似ているのです。長期投資派とでもいいましょうか、忍耐をもって市場に臨む、マーケットや経済予想を無視する等々、グレアムやバフェットの著書・著作に当たっても同じ件に出会うことでしょう。投資の名人に共通することは是非、押さえておくべきです。単なる偶然ではないと。

さて、本書のメインディッシュといえるのが、「第3章:最高の株を選び出すための15のポイント」で、この章は非常によくできた企業分析のテーマになっています。この15個のポイントを追うだけでもしんどいです。わたしはこの15のポイントを企業への質問メールの元ネタとして利用しています。この15個のテーゼをクリアするだけの質問を作り上げる調査と努力が必要ですが、それでも、ゼロから質問を考えるよりも楽チンです。本気でその企業を知りたくなったときに大変重宝することでしょう。

さて、本書の最後にある監修者あとがきに「フィッシャー爆弾」なる表現があります。 このえてして妙なことば、「フィッシャー爆弾」。

時間が経過して再読したとき、疑問が氷解していく感じを指して「爆弾」と形容したのでしょうか?本書は、多くの人が、最初に読んだだけではあまりピンと来ずに終わるでしょう。しかし、株式市場で苦い思いをしてきた後で再読したときに「そら、そーですわ、フィッシャーさん」と、アタマの中で爆弾が破裂するような納得感を味わうことができます。是非とも多くの人にこの「フィッシャー爆弾」を味わい、銘柄選択の技能のひとつに成長株分析を加えてみてはと思います。

(くらげ 20代 会社経営 「初心者投資」管理人)


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