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証券分析【1934年版】

ベンジャミン・グレアム, デビッド・L・ドッド パンローリング

 本書「証券分析」は、証券投資における企業分析の古典です。

チャート派ニモ推奨ス
本書には、日足や罫線、株価チャートの類が出てきません。しかしチャート派の方にも薦める次第です。企業分析系の投資手法がコンパクトにまとまっているからです。読めば、企業分析の最低限度がわかるという塩梅です。たとえばB/Sの調査やP/Lの精査は、会計や簿記の知識がなくとも本書で本質を掴めると思います。債券についての記述や興味のない章を読み飛ばせば、読む分量も3・4割は減ります。一株あたりの利益と配当の関係、資本構成など目からウロコの著述も、血肉となることでしょう。まさに鬼に金棒・転ばぬ先の杖です。

「テキスト」兼「教科書」
本書は優れた「テキスト」でもあります。全編にわたり展開されているのは、市場のしくみ・からくりです。なぜ株価は異常な高値になるのか、安値になるのかについての考察で貫かれています。その考察のプロセスは、企業分析のよい実践例・応答集でもあるのです。本書掲載の多くのデータと資料に触れれば、どんな風に情報資料を揃えればよいのか、どうデータを加工すればいいのかわかります。分析の仕方やデータの加工、揃え方のうちいいナァと思えばポストイットをはさみ、自家薬籠、得意技にするがいいでしょう。

そして、本書は優良な「教科書」でもあります。前書きにもあるように、投資初心者向けではありませんが、書籍リストに入れるべき一冊です。投資初期にぶつかる疑問は、50章(価値と価格の矛盾)と52章(マーケット分析と証券分析)を読めば解決することでしょう。多くの示唆に富みます。本書を読みこなすようになれば、グレアム流にいうと「大きく間違わな」くなります。

本の手触り
文字は大きく読みやすい。余白も多くメモ書ラク。下手な翻訳本にある訳の混乱は少。文章平易。900ページ強ありしも読む負担は軽い。

専門用語
専門用語のバランスが取れています。基本書・入門と題打たれながら、専門用語を羅列してお茶濁しの書籍が多い中で、本書の用語バランスは熟練者・アマチュアともに読み易いレベルだと思います。とはいえ、難しいところ・わからないところは、『なあにアメリカ』といいながら読むといいでしょう。外国の、それも昔の話なのだから、通じないのも仕方なからん。今となってもわたしには良くわからない、ピンとこない箇所が多々あります。

値段
内容は申し分ないのですが、本書のネックは値段です。が、お値打ち品であります。本書の本当の価値は、今後50年後も内容が色褪せないという点にあります。本書「証券分析」は1934年度版です。半世紀以上を経た今読んでも通用する内容なのです。読めば誰もが「今も昔も変わらない」と思うことでしょう。「なんでそんなで騙されるの?」と。

50年後も通用するなら、本書の値段をまあ米国国債の5%・50年で割り引いてみるがいいでしょう、安く感じるはずです。良書は再読に耐えるといいます。本書はそれを地で行くものです。読めば良書の法則「書いてあった」に遭遇すること間違いありません。昔からあるのだからこれからもあるらんと、フンドシを締め直すことでしょう。温故知新を地で行く、読むに値する一冊です。

個人的な所感
バフェットの言や彼についての著書に慣れ親しんだ人は、微笑を禁じえないと思います。バフェットがいかにグレアムのよき弟子・学び手であったかがわかるからです。弟子は不肖と決まっているものですが、ことグレアムとバフェットにはあたらないようです。本書を読めば、いかにバフェットが師の技を自分のものにしたかがわかるかと思います。原点ここにあり。

(初心者投資 管理人くらげ 様)


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