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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/10/01 12:10, 提供元: フィスコ

ロジザード Research Memo(10):2028年6月期に売上3,113百万円、営業利益539百万円目指す(2)

*12:10JST ロジザード Research Memo(10):2028年6月期に売上3,113百万円、営業利益539百万円目指す(2)
■中長期の成長戦略

3. 弊社の見方
2026年6月期は中期経営計画初年度として、売上高及びクラウドサービス売上高がおおむね計画水準で推移したことに加え、営業利益とMRRは予想を上回る結果となった。BtoB案件の拡大に伴う顧客単価の上昇や、自動化・省人化ニーズを背景としたオプションサービスの利用拡大が成長をけん引しており、ロジザード<4391>が目指すストック収益拡大型の成長モデルは順調に機能していると評価できる。

弊社が特に注目しているのは、同社の競争優位性が単なるSaaSモデルではなく、高収益なサブスクリプション型収益とハイタッチサービスを組み合わせた独自の事業構造にある点である。売上高の約8割をクラウドサービスが占めることで安定した収益基盤を確保し、その利益を365日有人サポートや導入支援といった人的サービスへ再投資することで、低解約率と高い顧客満足度を実現している。この好循環は新規案件獲得にも寄与しており、物流業界における同社のポジションを強固なものにしている。

中期経営計画の重点施策であるBtoB領域の拡大についても着実な成果が見られる。従来の流通・小売向け案件に加え、物流2024年問題やレガシーシステム刷新需要を背景としてBtoB領域からの引き合いが増加しており、MRR拡大の主要因となっている。さらに、パートナー戦略の推進や製品開発におけるBtoB対応強化により、大規模かつ複雑な物流ニーズへの対応力も向上している。今後はプロジェクトの大型化や長期化に対応するための人材育成が課題となるものの、市場環境を踏まえればBtoB領域は引き続き同社の成長ドライバーとして機能する可能性が高いと考える。

一方で、同社の将来的な企業価値向上を考えるうえで重要なのは、既存のWMS事業の成長だけではなく、その先に描く事業構想である。同社は物流SaaS企業から総合物流DXベンダーへの進化を掲げており、M&Aや戦略投資を活用しながらサービス領域の拡大を進める方針を明確にしている。既にM&A及び投資を専門的に推進する部署を新設しており、単一プロダクト企業から物流課題全体を解決する企業への変革に向けた準備が進んでいる。

また、共通デジタル荷札「Bit Waybill」は、中長期的な成長ポテンシャルを評価するうえで注目すべき取り組みである。物流業界ではフィジカルインターネットの実現に向けて貨物情報の標準化やデータ連携の重要性が高まっており、「Bit Waybill」はその基盤となる可能性を有している。同社は2027年6月期から2029年6月期を投資フェーズと位置付け、2030年6月期の事業採算化を目指している。2027年6月期は「Bit Waybill」関連事業で75百万円の営業損失を見込む一方、既存WMS事業では479百万円の営業利益を予想しており、既存事業が創出するキャッシュフローを活用して新規事業へ投資する構図となっている。短期的には利益成長を抑制する要因となるが、将来的に物流データ基盤としての地位を確立できれば、事業価値は大きく変化する可能性がある。

同社の中期経営計画は単なる売上・利益の拡大を目指すものではなく、物流SaaS企業から物流データ基盤を担う物流インフラ企業への進化を目指す変革計画として位置付けられる。足元ではBtoB市場開拓とストック収益拡大が順調に進捗しており、既存事業の収益力も高い水準を維持している。今後は「Bit Waybill」を中心とした共通物流データ基盤事業の立ち上がりと、M&Aを活用した事業領域拡大が中長期的な企業価値向上の重要なポイントになると弊社では考えている。



■株主還元策

2027年6月期の配当は、前期と同額の1株当たり19.00円を予定
事業基盤の拡大により、人材や製品への投資などによる事業成長を図りながらも安定的な収益を確保できる見通しが立ったことから、2022年6月期から配当を実施している。過去の配当実績は、2022年6月期が1株当たり14.95円、2023年6月期が同12.00円、2024年6月期は同16.00円、2025年6月期は同18.00円、2026年6月期は同19.00円となった。2027年6月期は同19.00円の配当を予想している。

同社は企業価値をさらに高めるために継続的な株主還元を行う方針で、財政状態や内部留保の状態を勘案しながら、配当性向20%とすることを基本方針に掲げている。成長投資を継続しつつ株主還元も強化しており、事業拡大と資本効率向上の両立を意識した経営姿勢であると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)


《HN》

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