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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/07/21 12:02, 提供元: フィスコ

イチネンHD Research Memo(2):自動車リース関連事業を主力とした7事業で構成

*12:02JST イチネンHD Research Memo(2):自動車リース関連事業を主力とした7事業で構成
■事業概要

1. 主な事業内容
イチネンホールディングス<9619>の事業セグメントは、自動車リース関連事業、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業、農業関連事業、その他の事業に分けられている。各セグメントの2026年3月期の売上高は、自動車リース関連事業64,135百万円(内部売上高消去前の構成比39.2%)、ケミカル事業12,082百万円(同7.4%)、パーキング事業8,169百万円(同5.0%)、機械工具販売事業38,019百万円(同23.3%)、合成樹脂事業19,029百万円(同11.6%)、農業関連事業19,635百万円(同12.0%)、その他事業2,358百万円(同1.5%)となっている。

(1) 自動車リース関連事業
各サブセグメントの売上高は開示されていないが、部門売上高に占める大体の比率は、オートリースが約75%、メンテナンスが約20%、燃料販売が約3%、残りがその他となっている。

a) オートリース
トヨタレンタリースやオリックス<8591>などと同様に、自動車のリースを行う事業である。競合は多いが、同社の特色は比較的大型車(4トン以上)の取り扱いが少ないことである。またメンテナンス部門を有していることから、メンテナンス付きで受注する場合も多い。リースは一度受注すると数年間継続することから、比較的安定した部門である。

b) 自動車メンテナンス受託
全国約9,000の自動車整備工場と提携し、他のリース会社からのメンテナンス契約を受託している。当部門に計上される売上高は他社から受託したもののみで、自社リースに付随したメンテナンス分はオートリース売上高に含まれる。また「フォークリフトメンテナンス」などの独自サービスも行っている。今後の課題として、次世代自動車(HV、EVなど)の整備ネットワークの構築も進めている。

c) 車両販売
リース満了車両や法人車両などを買い取り、中古車販売を行っている。販売については、現在は国内オートオークションでの売却が中心となっている。また、ICHINEN AUTOS (N.Z.) LIMITEDを中心に販売方法の多様化を図っている。

d) 燃料販売
石油元売各社から発行されるガソリンスタンド用の給油カードの販売が主な事業である。車両1台に対して1枚のカードが発行されるが、販売先は必ずしも同社のリース先とは限らない。ガソリンの販売価格は同社が決定し、全国一律価格で提供される。顧客にとっては、全国の支店や事業所等において同一価格で利用できるうえ、一括での支払いが可能となるため業務効率の改善につながるメリットがある。なお、同社の売上高として計上されているのは、末端販売金額から仕入金額を差引いた差額分である。

e) 車体修理管理サービス
主に鈑金修理の斡旋を行う事業である。損害保険会社出身のアジャスター(損害査定士)と呼ばれる社員が、顧客からの修理依頼に基づいて適正価格の見積もりを行い、全国各地の鈑金工場と交渉を行う。引取手数料無料、代車の無料手配、修理箇所の永久保証などのサービスを付加し他社との差別化を図っている。

(2) ケミカル事業
主力製品は、プロ向けケミカル(潤滑剤、防錆剤、各種洗浄剤、補修塗料等)。そのほかには発電用大型ボイラー及び船舶エンジン向け燃料添加剤、一般消費者向けケミカル(自動車用クリンビュー等)、特殊ケミカル(ゴム、エラストマーなどの難密着素材へのコーティングや各種OA部品向けケミカル製品等)などを扱っている。部門の約78%が自社製品で残り約22%が仕入商品であるため、部門の粗利率は30〜50%と高い。

(3) パーキング事業
土地所有者から土地を借りて駐車場事業を行うもので、コイン式、立体式、管理受託など様々な契約形態が存在する。全国展開しているが、関西地区の比率が約55%と高くなっている。また、総合病院や大型の商業施設に付帯する駐車場の一括運営管理にも注力している。

(4) 機械工具販売事業
既述のように、同社は自動車メンテナンス受託事業の関連で全国約9,000の自動車整備工場と提携している。同社は、これらの整備工場向けに機械工具を販売することでシナジーを得られるとして、この事業に参入した。同事業は、子会社である(株)イチネンアクセス、(株)イチネンMTM、(株)イチネンTASCO、(株)イチネンネット、(株)イチネンロジスティクスが行っている。イチネンアクセスは自動車用品、自動車整備用機器、電動工具、DIY用品等を扱っており、オリジナルブランドによる幅広い製品ラインナップを揃えている。イチネンMTMは、産業・建機部品の販売を行っている。イチネンTASCOは空調工具及び環境計測器を扱っており、空調工具の「TASCO」ブランドは業界一の売上実績を誇る。そして、イチネンネットはグループ商材等のインターネット販売を、イチネンロジスティクスは物流業務をそれぞれ担っている。なお、同事業はタイに合弁会社を設立し、海外販売も行っている。

(5) 合成樹脂事業
合成樹脂事業では熱可塑性の合成樹脂原料を扱っているが、さらに4つのサブセグメントに分けられる。遊技機部品事業は、主にパチスロ・パチンコ機の筐体部分を設計・製造するもので、商社及びメーカー機能を併せ持っている。科学計測器事業では酸素濃度計、ガス検知警報器の開発・製造・販売を行っている。また2023年10月に子会社化したマルイ工業(株)及びその子会社群が手掛けるエンブレム等の自動車内外装部品の製造もこのセグメントに含まれる。

(6) 農業関連事業
M&Aにより規模が大きくなったことから、2024年3月期第3四半期から新たに独立セグメントとなった。以前は「その他」に含まれていた農業事業(ミニトマトやピーマン等の栽培)に加え、M&Aにより子会社化した日東エフシー(株)等が行う肥料事業及び関連事業が含まれる。また、2026年4月3日付で連結子会社化した太陽肥料(株)の業績は2027年3月期第1四半期から、同6月1日付で連結子会社化した三菱商事アグリサービス(株)(現 (株)イチネンMAC)およびエムシー・ファーティコム(株)の業績は同中間期から、それぞれ反映される予定である。

(7) その他
不動産の賃貸・管理事業、ガラス加工事業などが含まれる。ガラス加工事業については、2021年10月に新光硝子工業(株)及び新生ガラス(株)を子会社化したことで参入した。曲げガラス・樹脂合わせガラスなどの製造・販売を行っている。2025年3月にM&Aを通じて日石硝子工業(株)を子会社化したのち、2026年4月1日付で新生ガラス(株)との合併が行われている。

2. 特色、強み
(1) 変化に強く、安定性がある
多角化経営により、環境の変化に対して柔軟な対応が可能である。さらに、業績の増減をそれぞれの事業で補い合うことにより、全体として損失を出すことなく安定した経営を継続的に行うことができる。

(2) グループ一体経営
グループ間における人・モノ・資産の共有化やノウハウの融合といったシナジーを最大限に生かすことで、グループ全体で成長を続けている。

(3) 高い資本収益性
ROE(自己資本利益率)が株主資本コストを、ROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を上回っており、安定的に資本コストを上回る資本収益性を実現している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


《HN》

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